カテゴリ:美術館・画廊メモ
この人の木彫(もくちょう)は、肩をすくめたユーモアと妖(あや)しい引力がある。
silent conversation II ぎょろっとした顔をこうして正面から見ると、アニメキャラクターのイラストのように見えるが、まぎれもなく木彫なのである。 silent conversation II 平成22年6月21日に銀座八丁目の exhibit Live & Moris gallery で牧田草平さんに会った。昭和55年、栃木県足利市生まれで、東京藝術大彫刻科から修士修了、その後 足利市に戻って制作活動を続けている。 そのときの個展の感想をブログにこんなふうに書いている: ≪樟(くす)材に鑿(のみ)をふるい、木にうずまっていた童子を彫りだしたら、童子は深い裂け目を身に負って生まれたのだった。人を避けるようで射すくめる目。痛々しさと飄々としたところが同居していて、高橋龍太郎コレクション入りが望まれる。≫ ひりひりとしたユーモアをたたえた木彫。牧田さんはそのとき 「写真を撮ってブログに出してもいいですよ」 と言ってくれたのだが、撮った写真がピンボケで責を果たせずにいた。 今回は晴れて新作群をご紹介できる。 silent conversation コアの部分は深刻だが、口笛でも聞こえてきそうな軽みが惑星軌道を浮遊している。 深刻さと軽みの同居が牧田作品の魅力だが、今回の作品群は軽みのほうに磨きがかかって、部屋に置きたくなる気分。 vague outline II エイリアンのすごみ。 昨年の個展の作品群の土俗の臭いが宇宙に昇華した。 vague outline II いっぽうこちらは、うつむく半魚人、とでも呼ぼうか。 vague outline I 「ウルトラQ」 を写実的なアニメに仕立てたら、こんなキャラクターが出てきそうだ。木彫の宇宙的進化である。 牧田草平展は、ギャラリー坂巻 で1月28日まで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jan 26, 2011 01:05:32 AM
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