テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:台湾の玉石混淆
日本統治時代に台湾の民生に貢献した技師・八田與一(はった・よいち)ら一家が住んだ宿舎が、現地でほぼ復元されたという。
偉人の顕彰が着々と継承されていくのは、すばらしいことだ。 以下、金沢市の 『北國新聞』 平成23年3月10日の社説から: ≪八田宿舎復元 交流の担い手育てる拠点に 台湾で烏山頭(うさんとう)ダムを築いた八田與一技師 (金沢市出身) が工事中に使っていた宿舎が現地でほぼ復元され、今年5月8日の技師の墓前祭に合わせて開園する記念公園の輪郭が整ってきた。 日本統治時代の歴史をしのぶ建物の復元は、その時代の評価をめぐって 「親日」 「反日」 に分かれてきた台湾の戦後史を思えば感慨もひとしおである。 復元宿舎4棟を中心とする記念公園は、金沢の 「八田技師夫妻を慕い台湾と友好の会」 が毎年、現地の人々とともに墓前祭に参列し、正式な国交がないなかで地道に心を通わせてきた地域間交流の実りでもある。 台湾では日本からの観光客誘致に期待が高まっているが、日台の懸け橋となった八田技師の足跡や草の根交流が実を結んだ経緯も考えれば、観光資源にとどまらず、交流の新たな担い手を育てる拠点としての位置づけを明確にしたい。 復元される宿舎には 「家具を贈ろう」 キャンペーンで県民から寄せられた同時代の家具や調度品も近く搬入される。 まさに台湾における石川の拠点といえ、これから交流を拡大するうえで強固な基盤となる。 石川からも積極的に知恵を出し、日台関係の進展につながる活用策を考えていきたい。 台湾では日本のアニメやドラマなどのポップカルチャーが若者に定着している。 日本語世代が語り継いできた八田技師への感謝の念を若者たちが触れることで、日本への親近感がより深まり、親日的な土壌も耕されていくだろう。 石川県から台湾への修学旅行が増え、技師を通じた学校間交流が広がってきたのも世代をつなぐ心強い動きである。 海外で活躍した郷土の偉人に光を当てれば、国を超えて再評価の動きが広がり、未来へ向かって交流の新たな扉が開かれる。 これは八田技師に限らず、米国ワシントンからの桜の里帰りプロジェクトが動き出した高峰譲吉博士の顕彰活動にも当てはまる。 海外との交流の広がりが期待できるという点では、今秋に顕彰施設ができる鈴木大拙も2人に劣らない。郷土の偉人を通したスケールの大きな国際交流を、金沢、石川の強みにしていきたい。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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