カテゴリ:美術館・画廊メモ
ひび割れをゆっくり開け あおいあおいあなたのためのみずうみがある
東 直子(ひがし・なおこ) 『十階 短歌日記2007』 (ふらんす堂) 帰宅後にたまたま読んだこのうたが作品と響きあった。 坂口健さん (昭和48年長野県生まれ) と1年ぶりに再会し、念願の作品をわけていただきました。 青手彩掻落ぐい呑(あおてさいかきおとしぐいのみ)、青手彩掻落徳利 青手彩掻落ぐい呑は、今回の作陶展のDM葉書にも掲載された作家入魂の作品。 二度焼きして窯変の妙を植えた作品の微妙なゆがみが、こうして並べて写真にしてみると、まるでセザンヌの静物画のように異なる視点が混在する絵になります。 入魂といえば、どれからも作家の心が立ち上るのが坂口健作品ですが、昨年2月に買ったのはこちらでした。 白化粧掻落ぐい呑 そのときのことをブログに書いています: 坂口健 作陶展 @ 日本橋高島屋6階 妖しい ぐい呑みを買った(平成23年2月28日) アイヌ紋様を思わせる、土からたちのぼる声をつなぎとめた風紋が、こちらの香炉にも。 陶器にはまると茶器にはいってゆくのでしょうが ぼくなどは、もし資産家だったら香炉のほうにのめりこむでしょうね。香炉のふたを開けるのが、美女を脱がすみたいじゃないですか。 白化粧掻落香炉 紋様といえば、これをご覧ください。 土の表面にこころおもむくままに小さな押し型で紋様を植えて、乾いたところで白土(しろつち)を塗り重ねて掻き落とすと、押し型でつくった紋様に白土がのこる。 見た目は白土の紋様がごつごつ浮き出ているようですが、触らせていただくと表面はつるっとしています。 東御土風紋三島鉢(とうみつちふうもんみしまばち) 東御(とうみ)は、作家が築窯(ちくよう)した長野県東御市のこと。 2月15~28日の会期中ずっと会場に控えてお客さまに声をかける坂口健さんのファンは多く、日本橋高島屋でじつに7回目の個展。 「7回目なら、すこし遊ばせてもらってもいいかな」 といって作った新境地の作品がこちら。 陶形(とうぎょう)/月 疾風怒濤をくぐり抜けた作家にも、昨年はとてもいいことがあったのです。 9月にベビーご誕生の由、おめでとうございます。 「坂口健作陶展」 は2月28日まで日本橋高島屋6階美術工藝サロンで。 百貨店ですが、お手ごろな価格でいい作品と出会えます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 21, 2012 07:50:41 AM
コメント(0) | コメントを書く
[美術館・画廊メモ] カテゴリの最新記事
|
|