テーマ:政治について(20114)
カテゴリ:ぼくの疑問符
組織とは、バラバラの現実を偽善という糊でくっつけ合わせたものかもしれないが。
とにかく会社にいてこの歳になると 「偽善」 というものにあきあきしていて、偽善の臭いを嗅ぐと心がさわぐ。金属ナトリウムに水をかけたようになる。 横浜市営地下鉄が、全国で唯一、「全席優先席」 という看板をかかげているらしい。平成15年12月以来。 ところが老人や妊婦さんから 「席を譲ってもらえないじゃないの」 という苦情があり、今年平成24年夏に 「最優先席」 (仮称) を設けるそうだ。 そのための導入準備費用が約400万円だとさ。横浜市交通局が平成24年度予算案に計上した。 日本経済新聞の3月6日夕刊14面に報道記事が出ていた。 8年前に 「全席優先席」 なるものを発想した横浜市交通局の人物はおそらく 「べき論」 好きのとんでもない坊ちゃまだ。 メリハリというものを知らない、現実から遊離した、宇宙人みたいなひとだろう。 全席優先席というスローガンは、つまるところ 「からだの弱いひとには席を譲りましょう」 とモラルを説くポスターを駅構内に貼りまくるのと同じだ。 車掌にうるさい車内マナーアナウンスをさせているのかもしれないが。 優先席というのは、携帯電話の電源を切るエリアであり、ふつうに元気な乗客に坐るとき一抹のためらいを与えるエリア。 そういうメリハリが必要なのが世の中の現実だ。 で、けっきょく横浜市交通局も優先席を設けることにしたわけだが、振り上げたこぶしの下ろしどころとして 「優先席」 では具合がわるいのか、「最優先席」 という名前にするんだとさ。 ほかの席も依然として 「優先席」 なのです、ということらしい。 まつわりついてくるようなネチっこい偽善を感じる。偽善が組織をふりまわす。 おそらく 「全席優先席」 というスローガンが非現実的なきれいごとであることは組織のなかでもささやかれつつ、これを言い出したエライひとが消えてくれるまで看板を下ろせなかったんだろうね。 そういうイヤらしい構図が見え見えなんだな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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