カテゴリ:美術館・画廊メモ
ぼくのコレクションからも2点出展しました。
アートコレクター団体の 「美樂舎」 が、第21回 「マイ・コレクション」 展 を京橋三丁目の K’s Gallery で8月18日まで開催しています。 19名の目利きがそれぞれに思い入れをこめて選んだ28点の作品はさまざまですが、ジャンルを名づければ 「具象現代アート」 です。 ぼくが出展したのは、高崎市の作家、嵩居伽子(たけい・かこ)さんの描いた少女たちです。 平成22年作品 「中和」 うつくしくも繊細な少女の心のふるえを描かせたら、嵩居伽子さんをこえる作家さんはすくない。 注射針のひりっとする瞬間、かすかにゆがむ少女のくちびる。いたいけで、いじらしくて、だきしめたくなる。そんな一瞬を描いてくださいと嵩居さんにお願いしました。 ラフスケッチへのコメントをメールで交しながら完成した 「中和」 は、思い入れのある注文画。 陰影を帯びたくちびるのディテールをご覧ください。 うでのやわらかさ。 作家の嵩居伽子さんは、平成元年 高崎市生まれ、現在も同市に在住。平成22年に創形美術学校ファインアート科を卒業。 銀座一丁目の 「Gallery 銀座フォレスト」 での個展で、これは! という作品が売約済になっていたのが諦めきれず、かといって、同じものをもう1枚描いてもらうわけにはいかない。 そこで、注射針のひりりとする瞬間の少女というお題を出しました。 メールで嵩居伽子さんからはじめに送ってもらったラフスケッチには、注射をする医者まで描かれていて、びっくり。 どうトリミングするか、メールでやりとりしながら打ち合わせました。 この絵のポイントとなるくちびるは、嵩居伽子さんが最後まで苦労し、いちど描きあげたものの全面的に描きなおしたと話してくれました。 少女をもらい受けにぼくは列車で高崎市まで行きました。想像以上の出来ばえ。 ぼくだけが見るのではなく、多くのひとにぜひ見てもらいたい。そんな思いがこみあげました。 そんなとき、アートコレクター団体 「美樂舎」 の 「マイ・コレクション展」を京橋三丁目で見る。 「この会に入れば、嵩居伽子さんの作品をお披露目できる!」 今回出展して、2年越しの思いがかないました。 作品を展示するときは、同じ作家の作品を少なくとも2点並べるべきだというのが、これまたぼくのかねてからの思いです。 作品を流れる共通点が響きあって、作家の絵画空間がゆたかな広がりを見せるから。 だから、嵩居作品をもう1点展示しています。 平成23年作品 「じゃらされたい」 床の新聞紙に女性、といえば磯江毅さんの傑作 「新聞紙の上の娼婦」 を思い出しますか。 嵩居さんの 「じゃらされたい」 はGallery銀座フォレストの2度目の個展で買ったもの。右ひとさし指の行方が気になります。 描かれた女性は、ぼくが大学生のころ恋して手紙を書くためにポーランド語まで勉強した、永遠の Ewa 嬢に似ている。 ぼくの部屋で、ぼくを見つめてくれるひとなのです。 マイ・コレクション展のようすです (K’s Gallery のサイトから転載): * 美術愛好家によるコレクション展 <入場無料> 美樂舎 第21回 マイ・コレクション展 期間: 8月12日(日)~18日(土) 12:00~19:00 (最終日は15:00まで) 会場: K’s Gallery 中央区京橋三丁目9-2 プラザ京橋ビル3階 (地下鉄の京橋駅、宝町駅から徒歩2~3分) 電話: 03-5159-0809 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Aug 12, 2012 05:22:08 PM
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