人間の脳には、ひとりごとを言うひとの存在に反応して警戒警報を発する回路が埋め込まれているのではないか。
「列車内でケータイ電話をかけない」というルールは、単に「うるさい」からではない。 車内でふたりが会話している分には聞き流せるのに、ケータイ電話で一方が話している声だけ聞こえると、本能的に聞き耳を立てている自分がいる。 それがわずらわしいから、「車内はケータイ禁止」 なのだと思う。 昼休みによく行くカレー屋さんで、きのうは店員のテンションの高さが気になった。 カウンターでカレーライスを受け取りトレーで運んで自席にもっていき、食後にトレーを自分で片づけるタイプの店だが、新しい店員が吉野家の元気な店員という感じで 「ありがとうございますっ!」 を明るく連発する。 吉野家ではあまり気にならないていどのテンションなのだが、一人客が静かに食事するカレー店の客席では妙に浮いていた。 どうしてかな… と疑問に思い、あぁなるほど! と思い当った。 吉野家では、客席で客と店員の 「会話」 がある。だから脳は、店員のしゃべりをひとりごととは認識しない。 ところがセルフサービスのカレー店では、カウンター以外で客と店員の会話は想定されていない。そういう場で店員のしゃべりは 「ひとりごと」 として浮く。 誤解を恐れずにいえば、脳には 「頭のおかしいひと」 を判別し、そういうひとから身を護る準備を命じる回路があるのだと思う。 「ひとりごとを言うひと」 を脳は 「頭のおかしいひと」 に分類し、警戒警報を発する。 列車内のケータイのしゃべりやセルフ飲食店の店員のハイ・テンションを、脳は 「ひとりごと」 として認識し、警戒警報を発する。だから気になって仕方がないわけだ。 ちなみに、カレー店の店員にわたしは食後に 「店員さん、あなた元気なのはいいんだけど、テンション高いんだよね。もうちょっと声を下げたら?」 と言って出た。 店員が 「すてきなアドバイスッ、ありがとうございますっ!!」 と大声で応じるのではないかと心配だったが、さすがにそれはなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jan 17, 2013 08:07:27 AM
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