カテゴリ:科学技術に驚く
最近 目を疑って再読三読した科学記事がある。
「おなかがすくと記憶力が上がる現象をショウジョウバエで発見した」 というもの。 たしかに経験的にも、朝起きたすぐというのは勉強の効率がいい。高校生のころ、試験前の追い込まれた状況では、朝早く起きて勉強していた。 それを生涯の習慣にしていたら、いまごろ大人物になっていたと思うが、ふつうの日には眠たくてギリギリまで寝てしまう。 「おなかがすくと記憶力が上がる」 といっても勿論、程度問題であって、血糖値が下がってフラフラの状態ではそもそも脳の働きがにぶる。 いや、それとも 「新発見」 の言わんとするところは、「血糖値が下がると思考能力が下がるかもしれないが、記憶力は上がる」 ということだろうか……。 しかしそもそも、「おなかが空くと記憶力が上がる」 かどうかは、人間をつかっていくらでも実験できそうなことだ。 NHKの 「ためしてガッテン」 あたりで取り上げそうなテーマだ。大学のゼミの研究テーマにも持って来いだし、卒論のテーマにしてもいい。 それが、なぜ、猩々蠅(しょうじょうばえ)で実験、なの? 語学の勉強を いつ したらいいか、猩々蠅に教わるのかね。 なんか、割り切れない思いを持ったんだなぁ。皆さんは? 日本経済新聞 平成25年1月25日38面 ≪おなかすくと記憶力アップ 都医学総研、ハエで確認 東京都医学総合研究所のチームは、おなかがすくと記憶力が上がる現象をショウジョウバエで発見した。 空腹で血糖値が下がりインスリンの出る量が減ってくると、記憶に必要な蛋白質が活発に働いた。 人間でも同じ仕組みが働いている可能性があり、朝食前の空腹時に勉強するとより効率よく記憶できるかもしれないという。 成果は1月25日に米科学誌サイエンスに掲載される。 平野恭敬主任研究員と斉藤実参事研究員らが研究した。 9~16時間絶食にしたハエに、あるにおいと電気ショックを同時に与えて嫌なにおいと記憶させた。 1日後、嫌なにおいと別のにおいを嗅がせてどちらに近づくか調べると、食事をしたハエに比べて嫌なにおいから遠ざかる率が約2倍に上がった。 脳の神経細胞には CRTC という記憶に必要な遺伝子を働かせる蛋白質があり、インスリンが少ないとたくさん作られる。 空腹でインスリンが下がると CRTC がよく働き、記憶力が上がると考えられるという。≫ いま読んでも改めて冗談記事のような思い。とにかく、はやく、ホモ・サピエンスをつかって実験してみてくださいませと、専門家の皆さんにはお願いしたいです。 ところで記事のなかで 「インスリン」 とあるが、ぼくはずっと 「インシュリン」 と言ってきたのだけど。 Google 検索してみると、 インスリン 2,110,000件 インシュリン 1,070,000件 Wikipediaの 「インスリン」 によれば、 ≪従前は 「インシュリン」 という表記が医学や生物学などの専門分野でも正式なものとして採用されていたが、2006年現在はこれらの専門分野においては 「インスリン」 という表記が用いられている。一般にはインスリンとインシュリンの両方の表記がともに頻用されている。≫ とあった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 4, 2013 07:21:52 AM
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