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地球がサイコロの形をしていたら?
考えたこともなかったけれど、もしそうなら、四角い平面の大海原の端っこは、巨大な滝になって水がどうどうと落ちているのかな。コロンブスの時代に西洋人が考えていたみたいに……。 これがなんと! そうではなくて、海の水は四角い平面の真ん中のあたりに集まり、凸レンズみたいに盛り上がるのだそうだ。 地球の形が円かろうが四角かろうが、重力の中心から等距離にあるところは重力の働きも同じ強さだ。 つまり重力の働きに素直に従う液体や気体は、球状に凝り集まるってことだね。 だから、大地がサイコロ形だったとしても、水や空気は宇宙空間から見れば巨大な球の形にまとまるわけだ。 サイコロ形の大地の表面は、幾何学上の平面ではあるけれど、そこに人間が立つと平面どころか四方がはるか宇宙空間に突き抜けるほど高い山に見えるんだろうね。 幾何学上は、まっ平(たい)らでも、実際にそこに立つと、平面の端に行けば行くほど急峻な坂として感じられるはず。 だから平面の端に向かって歩くとは、けっきょく、1万メートル、10万メートル、100万メートルの山に登るようなもので、やがて大気圏をぬけて真空になってしまう。 だって、平面の端のほうは、重力の中心からどんどん遠ざかろうとしているわけだから。現実世界でエベレスト山が重力の中心からもっとも遠ざかった大地であるように。 まぁ、よほど硬質の金属でできていないかぎり、サイコロ形の地球は維持できないだろうね。 万有引力に対していちばん素直な形は、球なんだね。地球のかたち、太陽のかたち。 ……と、こんなことを書いたのは、日経でこんな記事を読んだから。 日本科学協会のつくる短篇映像、たのしみにしています。 日本経済新聞 平成25年2月3日30面 ≪地球が立方体だったら… 空想の世界 教材に 日本科学協会が映像作成 「もしも地球が立方体だったら、重力や気象、環境はどうなる?」。 子供たちに科学への関心を持ってもらおうと、公益財団法人「日本科学協会」(東京都)が、地球が立方体になった様子を全篇コンピューターグラフィックスで描いた小中学生向けの短篇映像を作成した。 気象学が専門の木村龍治・東京大名誉教授ら8人の専門家が監修。 宇宙船が木星から帰還する途中、突如として地球が一辺1万キロの立方体に姿を変えてしまうというストーリーに仕立てた。 四角い地球では、大気や海水が、重力の影響で各面の中央部に凸レンズのように盛り上がって集まる。地上には、月のような真空の場所や、金星のような高温高圧の環境が混在した。 人類が生存できるかどうかは続篇で明らかになる。 木村名誉教授は 「現実にはあり得ない世界を科学的に空想することで、球体だからこそ豊かな地球ができていることが分かった。 教材を見て、地球環境に対する理解を深めてほしい」 と話している。 映像は4月から日本科学協会のホームページで公開する。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 9, 2013 06:11:46 PM
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