カテゴリ:科学技術に驚く
ヘリウムが枯渇、ですと?
遊園地の風船につかわれるヘリウムが、どうやって製造されているか。 考えてみたこともなかった。あ痛っ! 空気中から抽出するわけはないから、ヘリウムの化合物を掘り出して炉で熱して気体のヘリウムを分離するのかな、とアホなことを考えた。 正解は、三宅常之さんが Tech-On! (登録無料閲覧サイト) 平成25年2月14日に書いた記事をお読みください: http://techon.jp/article/COLUMN/20130213/265511/?ref=ML 一部、引用してご紹介しましょう: ≪ヘリウム枯渇 東京ディズニーランドも風船販売を中止 (三宅 常之) ヘリウム (He) が足りない状況が続いている。2012年11月に東京ディズニーランドがヘリウムを詰めた風船の販売を中止したほか、ガス販売会社が相次いでヘリウムの供給を一時停止する事態に追い込まれた。 いずれもヘリウムの安定調達が難しくなったことによる。≫ たしかに、東京ディズニーランドのサイトを見ると、 「【バルーン販売休止のお知らせ】 現在、バルーンの中に入れている原料が調達困難なため、11月21日 (水) より販売を休止しております。販売再開については未定です。再開の見通しについて分かり次第、このページにてお知らせをいたします」 とありますね。 ≪ヘリウムの埋蔵量は、既存技術によって生産可能な範囲で約70億m3。現在のペースで消費を続ければ25年後に枯渇する。 消費量を大幅に減らすとともに、枯渇するまでに新しい生産技術を確立しなければ、近いうちに使えなくなる日が訪れる。ヘリウムについて調べた。 ■ 光ファイバや半導体の製造に利用 ■ ヘリウムの工業原料としての特徴は、特異な性質のために代替が難しい用途が数多くあること、供給源が限られていることにある。 この意味で、水素 (H) に次ぎ2番目に多い元素であるにもかかわらず、レアアースと同じ供給問題を抱えるリスクがある。 特異な性質の一つは、沸点が約 -269℃と元素の中で最低であること。比熱が大きく熱伝導率が高い特徴もあって、冷却用途に適している。 光ファイバの製造工程において、溶融して成形したガラスの冷却、半導体製造のスパッタリング工程で高温になったシリコンウエハーの冷却などに使える。≫ あぁ、そういうことだったのか。たくさんあるけど貴重な元素。 ≪さらに直径が小さいため気密性の検査に利用されている。肺に吸い込んで話すと、甲高い 「ドナルドダッグ・ボイス」 になるのは、音が空気中よりも速く進む性質による。≫ え!? これも知らなかった。 ドナルドダック・ボイスで検索したら、「雑学大陸 ~命どぅ宝~」 というサイトに 「ヘリウムは血液に溶けにくく、人体への影響は少ないので安心して使えます。 が、純粋なヘリウムのみを吸うと、呼吸困難になり、最悪の場合死に至ることがあります。 パーティ用のヘリウムガスのような、酸素との混合気体になっているものではないと危険です」 とありました。これが正しいか、確かめようとするとキリがないので、三宅さんの本論に戻ります。 ≪冷却だけを目的とする用途では窒素 (N)、不活性だけを生かす場合はアルゴン (Ar) など、代替元素は存在する。しかし、複数の特徴を生かした光ファイバや半導体の製造などの用途ではヘリウムを代替することは難しいという。 ■ 空気からは採取できない ■ ヘリウムの生産は、比較的高い比率で含む天然ガスから採取することで行う。 天然ガス田は数多くあるが、供給元は大きく増えない傾向にある。ヘリウムを採算に合うコストで取り出せるガス田が限られているためだ。 最近採掘が進んでいるシェール・ガス田からはヘリウムを採取できていない。また、これまで市場へ潤沢に放出されてきた在庫が底をつき始めている。≫ これはたいへんなことになりました。 ≪主な生産国である米国は、1960年代に軍用の戦略物資として大量に備蓄、その後に方針を転換し1990年代からは民間へ継続的に放出したが、この放出が2015年に終わる。 代替が難しいために安定的な需要があり、新興国での需要が増えている一方、供給が限られる状態が続いたことで特に2000年代後半から、構造的に需給が引き締まった状況に陥っている。 こうした中、2012年11~12月に極めて深刻なヘリウム不足に陥ったのは、主力生産工場での定期修理が長引いたことによる。この時期までにシェール・ガスの採掘が増えたことなどで天然ガス需要が低迷したことも影響した。 直近の平均輸入価格は、2000年代前半までの需給が比較的安定していた時期と比べて2倍になった。 ただし2013年後半には、少なくとも日本では深刻なヘリウム不足は解消へ向かう見込みである。調達先を米国以外に広げる動きが出てきたためである。≫ あんまり引用しすぎて申し訳ないので、ここから先は Tech-on! でお読みください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 15, 2013 07:54:06 AM
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