「ピーターの法則 (the Peter's Principle)」 をあるサイトで読んで、つくづく自分と自分の勤務先に当てはまっていると思った。
Wikipediaを見たら、まったく同じ文章が載っていた。 日本語版はきれいな3箇条にまとめてあるけれど、英語版はそういう六法全書ふうではなかった。日本語版の用字をちょっと直し、英語版の該当部分を添えてみると、こんな具合。 1. 能力主義の階層社会において、人間は能力の極限まで出世する。すると有能な平(ひら)構成員も無能な中間管理職になる。 Employees tend to be given more authority until they cannot continue to work competently. 2. 時が経つにつれて人はことごとく出世していく。無能な平(ひら)構成員はそのまま平構成員の地位に落ち着き、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。かくして、各階層は無能な人間で埋めつくされる。 In time, every post tends to be occupied by an employee who is incompetent to carry out its duties. 3. その組織の仕事は、まだ出世の余地のある、無能レベルに達していない人間によって遂行される。 Work is accomplished by those employees who have not yet reached their level of incompetence. ぼくは、部門の役員が主張すること ほぼことごとくに、反対意見を周囲に言いふらしてきた。 ぼくの主張。(これを書くのが、社秘の開示には当たるまい。) ・ 太陽光・太陽熱は時期尚早。儲かるものがあれば ちょぼちょぼやればいいが、経済原理に反したプロジェクトには、必ずムリが露呈する。 ・ 排出権取引の人員は大幅に縮小すべき。 ・ リチウム電池は撤退するか、他企業との合従連衡(がっしょうれんこう)に参加するかだ。現状の枠組みではダメ。 ……などなど。 役員室に談判しに行く、みたいなことは もちろんしないわけだけど、こういうことは自ずと伝わるから、いわゆる社内の出世からは外れてしまった。 次長とかチームリーダーとか肩書はついているけれど、自分がいまやっていることは他部ではせいぜい40代前半のひとがやっていることである。 直属の部下はいない。アシスタントの女性はいるけれどね。 おかげで、会社の仕事は目をつぶっていてもできる感じで、ラクである。でも、手は抜かない。 部のなかの、個々のプロジェクトに関わらない仕事のすべて (多くは社内対応の内向きの仕事) を、自分の手を動かしてこなしている。若い人たちが、こういうクソおもしろくもない仕事に時間を使わずに、最前線に出て働けるように、とね。 すねたらつまらないから、仕事は明るくやる。 割り切っているから、昼休みは画廊めぐりに ぷいと出かけ、夜は6時早々に劇場へ向かう。 出世しないおかげで、役員や、役員べったりの人々との接点も少なく、だからストレスが少ない。寿命を縮めずに済んだと思う。 かりに出世して会社の役に立ったかというと、さてさて、上司に迎合するのは大嫌いときていて、自分の正論はいずれにせよ通らず、実務からは離れてしまい手持ち無沙汰。 要すれば 「無能な上級管理職」 になり、引続きピーターの法則を証明することになりそうだ。 ちなみに、上に赤字で書いた持論が正論であったことは、事実が着々と証明しつつある。(これ以上は社秘の開示にあたるので、書けない。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 17, 2013 09:43:10 AM
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