土器の用途の中心は、まず煮炊きだろう。お湯を沸かす。食べ物を煮る。
ところが学者諸氏の通説は 「氷河期を乗り越えるため食料の貯蔵などに使っていた」 というものだという。(日経、平成25年4月11日38面) 縄文人が土器で鮭などの魚を煮炊きしたらしいというのが “大発見” としてニュースになったのには、こちらがビックリさせられた。 縄文土器の焦げ跡に魚の脂質が含まれていたのが、学者にとっては大発見だという。 穀物や木の実などの貯蔵には、草木の繊維を編んでつくったザルや袋を使うのが合理的だ。そういうものは朽ちるまで使われ、最後には燃料として燃やされたろうから、残らない。 いっぽう土器は、作るのにたいそう手間がかかるし、倒せば割れる。穀物や木の実の貯蔵には向かない。 お宅で、お米を瀬戸物の入れ物に入れて保管してますか? ありえない! 紙の米袋かプラスチックの容器 (=古代ならザルやカゴですな) か、木箱に入れるのが自然ではないか。 つくるのに手間のかかる土器でなにをやるかといえば、草木の繊維でつくった容器ではできないことをやるのである。 それって、煮炊きに決まってるじゃないの。 学者諸君は、古代人が鮭などの魚をどうやって食べていたと思っていたのだろう。 ひたすらナマで食べていたと思っていたのか? 焚き火の脇に串刺しの魚を立てて焼き魚にすることしか古代人は思いつかなかったと思っていたのか? 土器を作れる古代人が、土器で湯を沸かすことを思いつかなかったはずがない。 湯があれば、それでもって魚や野原の葉っぱをゆでてみるだろう。 食べやすく、保存しやすくなるから、そういう知恵はまたたく間に広まり伝承される。 それがあたりまえだと思う感覚がない学者諸君って、どういう頭をしてるんだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Apr 12, 2013 08:14:36 AM
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