カテゴリ:科学技術に驚く
二酸化炭素が地球温暖化の主犯と決めつけられて、そのため 「二酸化炭素を減らすため」という無味乾燥な目的のために巨額のカネが使われている。
そのカネを教育や文化活動支援、あるいは飢餓対策のために使えれば、人類はもっとずっと しあわせになれると思うが。 わたしが かねてより どうにも疑問に思っているプロジェクトが、二酸化炭素 「回収貯留」、英語でいうcarbon dioxide capture and storage (CCS) だ。 火力発電所で石炭などを燃やしてできる二酸化炭素が煙突から排出される前に、二酸化炭素を溶剤に溶け込ませるなどして回収し、最終的に地下の巨大な穴に貯め込もうというもの。 初期投資と運転電力を喰う二酸化炭素貯留システムをセットにすると、火力発電所は えらくコスト高になるし、全体として見た発電効率が激減する。 最新の研究では、二酸化炭素を水素と反応させることで燃料メタンガスと水を作る技術が開発されつつあるという。 「貯留」 ではなく 「再燃料化」 するのであれば、まだしも救いがある。 「日本経済新聞」 平成26年4月1日16面 ≪CO2をメタンに JAXAと富山大 効率合成する技術 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) と富山大学の阿部孝之教授らは、火力発電所や工場から出る二酸化炭素 (CO2) を燃料のメタンに効率よく変える技術を開発した。 石油や天然ガスの代わりになる燃料を確保し、地球温暖化対策にも役立つ。数年後に実用化する予定だ。 メタンは天然ガスの主成分で、メタンから作るメタノールはプラスチックや合成繊維の原料になる。 CO2 はすでに一部で工業原料として使われているが、特殊な条件や多量のエネルギーが必要だ。コスト面でも間題がある。 合成反応を促す触媒として、レアメタル (希少金属) のルテニウムを直径2~3ナノメートル (ナノは10億分の1) の微粒子にし、酸化チタンの表面に付けたものを使う。 火力発電所や工場から出る CO2 を効率的に分離して濃縮。セ氏150度に熱してから水素と反応させると、メタンと水ができた。CO2はほぼ全てが合成反応に使われていた。 従来はセ氏400度以上に加熱する必要があった。ルテニウムの粒子を微細にすることで、合成反応が進む温度が大きく下がり、実用的な水準になった。 火力発電所や製鉄所、工場から出る廃熱や水蒸気から、反応を進めるために必要な熱や水素を取り出して使える。将来は、JAXA が宇宙船に搭載し、宇宙飛行士の呼気に含まれる CO2 の処理に使うことも検討している。≫ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Apr 4, 2014 07:56:08 AM
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