カテゴリ:ぼくの食堂
うなぎパイは、固く焼けているのに表面にてらっとしたひと味があって、好きだ。
週末に静岡に行った女性社員がおみやげに職場で配ってくれて、久しぶりに食べた。 パイを包んだ小袋に書いてある文字も昔のままなのだが、時代が変わったからだろう、ドキッとしてしまった。 おもて ≪夜のお菓子 うなぎパイ 浜名湖名産≫ うら ≪うなぎパイは…… フレッシュバターを豊富に入れたパイに、うなぎの粉、夜の調味料ガーリックを配合し、日本茶にも、コーヒー、紅茶にも合い、あなたの暮しに微笑みのひとときを与えるお菓子です。≫ このお菓子、男のぼくは職場で配れないなぁと思ってしまった。とくに女性たちに対しては。あまりに意味深(しん)で。 セクハラということばさえ存在せず、生命保険会社の勧誘員が年末に配ってくれる卓上ヌードカレンダーが職場の机にあった昭和末期~平成1桁には、まったく自然な「にやり」感だったろう。 ところが、保険会社が子犬の卓上カレンダーに切り替えて久しい平成26年になってみると、これらのことばがタイムカプセルから取り出したような感じがする。 お菓子の製造元の春華堂のホームページを見ると、 ≪夜のお菓子とは家族団らんのひとときに召し上がってもらいたいという意味です。 命名者は当社二代目社長の山崎幸一です。 うなぎパイが誕生した昭和36年は高度経済成長の真っ只中。その成長期において女性も社会に働きに出るようになり、子供たちも学校・塾など……皆が家にいる時間が少なくなりはじめていたようです。 そんな中、夜の夕食だけは家族の集まる団らんのひとときとして大切にされていた時間でした。そんなひとときに「うなぎパイ」を囲んで楽しいひとときをすごしてもらいたいと命名されたのが「夜のお菓子」です。ただ、実際には違う解釈もして買っていく方も多いようです。≫ あぁ、そういうことでしたか。まさしく「夜のお菓子」はタイムカプセルだったわけだ。 わが家など、夜の団欒のひとときという概念が結婚時点からほとんどない。いちばんの元凶は、激務のころにぼくの帰りが遅かったから。今や夜の団欒は実現可能だが、娘たちは好き勝手な時間に食事することに慣れきっていて、「ご飯だよ~」と声をかけてもなかなか集まらない。責められない。ぼくが悪いのだから。 うなぎパイにおかれては、これからも時代を超えた「にやり」を振りまいてほしいものです。 * ところで、ふつうの うなぎパイ(ニンニクが入っていると言われても、ニンニクはほとんど感じられないが)に加えて、「山椒味」のうなぎパイを食べてみたいと思うのは、ぼくだけだろうか。 うなぎといえば山椒だから、春華堂さんも当然ながら真っ先に試作し、結果が散々だったから商品化されなかったのだろう。 スパイシーなものを消費者が求める世の中だし、調味エッセンスも格段に進歩しているから、ぜひもう一度、山椒味うなぎパイの開発をしてもらいたいものです。プレーンと山椒味を10本ずつ入れた20本セットとか、どうですかね。 いまのところ うなぎパイの変わり味は、アーモンド風味の「うなぎパイ ナッツ入り」と、ブランデーとマカダミアナッツ風味の「うなぎパイ V.S.O.P」だけらしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Nov 11, 2014 11:34:17 PM
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