カテゴリ:美術館・画廊メモ
銀座三丁目のNiche Galleryで上田暁子(あきこ)個展「絵空事から生えるあし」開催中。明日2月1日が最終日で、午後4時まで。
上田さんの作品は平成25年3月の個展で「冬毛の上」という小品を購入した。人物の影が躍動する具象幻想。そこに、色彩乱舞の抽象が適度にからむ。いいセンスをしている。 上田作品を初めて見たのは平成23年3月のVOCA展。そのときのぼくのブログ評にいわく: ≪◆ 上田暁子(あきこ)「あふれて入口、あふれて出口」 「とある熱を通り抜ける」 ヌードも電車もないけれど、ぼくの好きなポール・デルヴォーを感じてしまった。絵がコンコンと脳のドアをノックして、ストーリーを紡ごうよぉと誘う。 暗い紺色や焦げ茶が基調をつくっているが、光はあくまで鮮明な白で、闇に囲まれたなかで色あざやかなモノたちが自分の存在を存分に主張する。≫ うん、いいじゃないか。いま読んでも、はずれてないな。 今回の個展の作品を見ていこう。まずは個展標題作から。 上田暁子「絵空事から生えるあし」 パネル2枚をつかった大型作品。これは作家から物語を聞きたいものだ。 そこに美しく乱舞する影少女たちが、ぼくは好きだ。 上田暁子「絵空事から生えるあし」部分 とくに左上の影少女が好きだな。 さて、もうひとつの大作「生れようか」。 上田暁子「生れようか」 絵の上部の光の少女をご覧ください。 上田暁子「生れようか」部分 さて、気になった小品もご紹介します。 上田暁子「知り過ぎた青虫」 これまたどんなストーリーが隠れているのか。作家から謎解きを聞きたいところだ。謎解き全部ではなく、ヒントを少しくらい。 上田暁子「秘密を迎えに来る羽」 これも光と闇の配合のセンスがいい。画筆の勢いが爽快だ。影少女は、何をしてるところかな。 上田暁子「ヤーチャイカ」 この絵の配色と勢い、好き。売れていなかったら、買ったと思う。 “ヤー チャイカ”はロシア語で「わたしはカモメ」。ソ連の女性宇宙飛行士テレシコワさんの詩的なつぶやきとばかり思っていたら、じつはテレシコワ飛行士のコールサインがチャイカ(カモメ)だったから「こちらカモメ」と自然体で無線連絡しただけのことらしい。 * Niche Galleryの主宰・西村冨彌さんによれば、上田暁子さんのことは大原美術館館長の高階秀爾さんも高く評価なさって作品を買い上げており(大原コレクションの最年少作家)、同美術館で上田さんは滞在制作も行った。上田さんはしばらくパリで修行して戻って来たのだけど、今度はチェコに行ってさらに美術の世界を深めるそうだ。 上田さん、ご活躍を! そのうちまた作品を買わせていただきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jan 31, 2015 10:12:06 PM
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