カテゴリ:科学技術に驚く
核融合による発電についてわたしの最大の疑問は、1億度以上の桁はずれの高温の熱源をどう取り扱うのかということ。
最終的には熱交換器で700~800度の水蒸気をつくり、蒸気タービン・発電機を回して発電するのだろうと想像する。 1億度の熱源からの熱は、熱交換器が輻射熱の形で受けるのだろうけど、受けた温度が1千万度、100万度、いや10万度、いや1万度としても、すべての物質が瞬時にとけてしまう。 どういう物質をつかって熱交換器を作るのか、何を読んでもまったく書かれていない。 書いてあるのはもっぱら、1億度のプラズマをいかにして長持ちさせるかということだけだ。 * 2月20日まで無料で読める「日経エレクトロニクス」平成27年2月号の記事がある。 「核融合発電、再燃する開発競争: “地上”の太陽にあと一歩、2020年代前半にも実用化か」 わたしの長年の疑問への答えは、この記事にも書いてないが、注目したのは開発コストについての記述だ。 国際熱核融合実験炉(ITER)の開発には、すでに約2兆円かかっていて、最終的にはその数倍になるとの見通しもあるとのことだが、その過程では医療や送電に応用できる技術も開発されているし、比較論でいえば高コストとはいえないというもの。 「インターネットやiPhoneの開発には累計1兆米ドル=約120兆円規模の資金が投入されている。それに比べればずっと安い」(カナダの核融合ベンチャー企業General Fusion社創業者のMichel Laberge氏の言)も、もっともだと思う。 目下の原子力発電を停めたばかりに、毎年3兆円の余分な燃料代を払って天然ガス・石油・石炭の輸入を増やしている日本である。その燃料代に比べたら、核融合炉の開発にかけている費用(そのかなりの部分は技術者に支払う給料だ)は安い。 核融合技術を、発電にどうつなげていくのだろう。なっとくのいく絵姿を見せてもらえれば、世間の支持はもっと高まると思うが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Feb 16, 2015 08:29:28 AM
コメント(0) | コメントを書く
[科学技術に驚く] カテゴリの最新記事
|
|