カテゴリ:美術館・画廊メモ
絵もあでやかだが、Facebookでみる三鑰彩音(みかぎ・あやね)さん本人がたいへんきれいなかたで、かねて一度お会いしたいと思っていた。やっと願いがかないました。
三鑰さんは多摩美日本画を卒業予定で、来年度から多摩美の院で引続き日本画に取り組みます。 どちらも3月1日までですが、国立新美術館の五美大展と銀座二丁目・藤屋画廊の個展、見てきました。 三鑰彩音「歪(わい)」 五美大展2階の多摩美セクションの出口のところに展示されている装飾画。能の面が舞うように見える。仮面と生身(なまみ)のあいだを浮遊する存在としての女性。大学の制作室に3ヶ月、朝から晩までこもって描きあげたそうです。 近づいてみましょう。 三鑰彩音「歪(わい)」部分 さて、こちらは藤屋画廊さん(銀座二丁目6-5 2階)にて。同画廊は営業時間が午後6時まで。3月1日は午後5時まで。 三鑰彩音「0号室」 昭和前期のモダンを感じました。そう評したところ、三鑰さんもその時代のデザインが好きだと。 三鑰彩音「あなたにはわからない」 画題そのままの心情が出ています。 そしてこちらは個展のDMにも使われた大作。 三鑰彩音「潜水」 シェイクスピアの「ハムレット」のオフィーリアのイメージだそうです。 天空につながる泡に包まれた姿は、人魚姫のこの世の最後の姿のようでもあります。 個展来訪者の反応のなかには、てっきり横置きの絵だと思って来たというひともいたそうです。では、やってみましょう。 三鑰彩音「潜水」 かりに横置きで 三鑰さん、ごめんなさい。この角度のほうが、すっと入っていけます。浮遊感が増して、動きが感じられます。 でもね、画像を何度も見ていると、やはり縦置きでなければならないという思いがしてきました。水底(みなぞこ)に沈潜する静謐がこの絵の主題とすれば、やはり縦置きでなければならない。 目の不思議ですが、横置きにして見ると、赤い唇が大きく目立ちすぎるようでもあります。縦置きだと、その違和感はありません。 画題は「潜水」でなく「水底」とか「川底」のほうがよかったかも。 三鑰彩音「前兆」 ステンドグラスのような、鉱物の顕微鏡写真のような美しさ。 この作風の絵はこれ1点でした。 院にあがってどういう世界を展開するのか、楽しみです。装飾画と人物写実のどちらに軸足を置くのかな。 あのルックスでこれだけの絵が描ければ、プロデューサーしだいではメディア上でブレイクする可能性もあると思いますが。 このブログの内容は、三鑰さんの個展会場での作家自身とのやりとりを記録したものであり、もちろん三鑰さんもご覧になっています。第三者のかたで なぜかこのブログの内容に憤慨するツイッターがウェブ上にありましたが、憤慨されるポイントがよくわかりません。そのかたは、おって評論を書かれるそうなので、期待しております。がんばってください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 22, 2015 06:45:37 AM
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