カテゴリ:美術館・画廊メモ
すてきな脱力感に満ちた(=ひょうきんな)パンダキャラが展開する原色世界。
作者・あごぱん さんは昭和54年、鹿児島生まれの鹿児島育ちで、はじめて会ったのはGallery Trinity(六本木ミッドタウン近くにあった、今はなき画廊)の個展でした。 240615 あごぱん個展「パンダ的解釈富嶽三十六景」(~6/16)@ Gallery Trinity(赤坂九丁目) (北斎版画を原色ドローイングに換骨奪胎。おもしろいのだけど、絵のなかに文字を書きすぎだ。) 絵のなかに「絵解き説明」を意図して文字を入れすぎると、ノイズ(雑音)になってしまうわけですね。浮世絵版画にはたくさん文字が入ってるじゃないかと言われるかもしれないけど。 個展のたびに「絵に文字を入れるな!」と苦言を伝え続けてきた。これに応えて あごぱん さんが完全に画中絵解き文字を捨て、みごとに進化した姿を見せてくれた今回の個展。 あごぱんさんに不可欠のキャラであるパンダくんたちは益々元気。花札や浮世絵の伝統意匠をちりばめて、換骨奪胎のあごぱん藝術が開花した。 お祝いと景気づけに、2点購入しました。「激流オセロ」と「こいこい」。 あごぱん「激流オセロ」 パンダくんがオセロのコマになった。滝流れで軽快な動きがつきました。 あごぱん「こいこい」 花札意匠だ! 花札デザインにはもっと脚光を当てるべきですよね。「こいこい」とは、花札の遊び方のひとつなのだそうで。 ちなみに、ぼくの娘も美大にいるときパロディ花札のカードセット(ほんとに遊べるもの)を烏天狗堂のブランドで制作しましたよ。こちらに作品写真あり: 烏天狗堂「古今東西東方花札」 あごぱん「激流桶狭間」 鎧(よろい)姿のパンダがオートバイに乗って激流を下る。個展 DM にもこれが使われています。売れてなければ、これも買いたかったなぁ。 でも画題は「激流桶狭間」というより「激流鵯越(ひよどりごえ)」だよね。 あごぱん「パンダ歌舞伎座登竜門之図」 これは贅沢! 葛飾北斎の滝に、歌川豊国の芝居小屋だ。おカネがあれば、買いたかったです。 あごぱん「くじらサーカス」 こちらは縦長フォーマットのシリーズ。リズミカルです。下にいる黒いくじらくんも、いいキャラです。 あごぱん「流れとシャボン玉」 これはもっとリズミカル。好きです。線はほとんど波型定規で描いた由。そういうのも、いいんじゃないですか。 あごぱん「運だめしの激流」 こちらは小品で展開したハプニングをどっさり詰め込んだ総集編。右上の天狗の鼻先からスタートして、双六のようにポーンポーンとパンダくんが場面移動すると、最後は左上の樽からスポーン! という構成になっております。 あごぱん「運だめしの激流」部分 あごぱん「運だめしの激流」部分 個展は、六本木七丁目6-5、ビル3階のShonandai MY Galleryで3月15日まで開催です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Mar 11, 2015 08:07:26 AM
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