カテゴリ:美術館・画廊メモ
アートにのめり込みだして、気がついたら5年が過ぎました。
有名な現代アートコレクター山本冬彦さんに声を掛けていただき、銀座中央通りに面した画廊で開催の「コレクターたちの饗宴展」にわたしも参加することになりました。今週火曜から始まります。 このビルです。銀座一丁目7-5 中央通りビル 会場のギャラリーゴトウは7階にあります 秋山功さん、渡辺茂昭さん、山本冬彦さん、そしてわたし泉ユキヲの4名がコレクションを披露する展覧会です。 泉ユキヲのコーナー「注文画の世界」 わたしは3人の若い女性たちに注文して描いていただいた絵を披露する小特集を企画しました。 口上、以下の如し: ≪およそ絵画は古来から、王侯貴族が画家に発注することで成り立ってきました。「国宝」や「重要文化財」の絵画は全て注文画にちがいありません。 ところが印象派の勃興以来、妙な思い込みが世界をおおって 「絵とは、画家が自らの感興に応じて描くべきものであり、他人の注文に応じて絵を描くのは邪道だ」 などという議論が 時として まかり通るのであります。 コレクターが画家の資質を見抜き 的確適切なお題を出し、画家の側は 売れないリスクなしに作品を仕上げる。じつは 注 文 画 は古典的なウィン・ウィンの世界なのです。≫ 外田千賀「すべて試して知り尽くしたい」 外田千賀作品との出会いは、銀座ギャラリーフォレスト(銀座一丁目)。 繊細可憐なひとです。とてもいい絵が売約済で、一旦はあきらめて帰ったものの、どうしても作品が欲しくなった。そうだ、自画像を描いてもらおう! ぼくにとって、はじめての注文画でした。 お菓子がいっぱいの自画像ができあがってビックリです。古雅な仕上がりのマチエールが、きらきらした女ごころを引き立てています。 外田千賀 東京藝術大学油画専攻 卒業制作作品三部作 外田千賀さんの東京藝術大学卒業制作作品です。原画はコンピューターの中にしか存在しない。CG作品なのです。外田さんが発表したときは大サイズのプリントでした。コレクターとして、お手頃サイズのプリントを特注したのが今回展示する三部作です。 ジクレー版画なわけですが、特注オリジナルでもある。こういう楽しみ方があってもいいのではないでしょうか。 松川朋奈 自画像(ラフスケッチと本画) 部屋の隅のどこか傷ついた女性靴をハイパーリアリズムで描いた巨大な絵。松川朋奈作品を初めて見たのはシェル美術賞展です。基本的に人物画は描かない松川さんですが、あえて自画像をお願いしました。とてもきれいなひとなのです。 メールでもらったラフスケッチ画像を見て、描いた角度に驚きました。 「こう来たか!」 ピアスの花は濃い臙脂(えんじ)色を想像していましたが、本画を見てまた驚きました。そういう こころよい驚きの連続も、注文画の楽しみです。 吉敷麻里亜作品の展示 吉敷麻里亜(きしき・まりあ)作品との出会いは ギャラリーなつか でした。美人画が得意な作家さんです。ミュージカル女優・笹本玲奈(ささもと・れな)さんを描いていただけないかとお願いしました。 まず最初の作品は「ミー&マイガール」のサリー役の笹本さん。演劇パンフレットの写真をもとに2枚描いてもらいました。うち1枚をジクレープリントして額装し、吉敷さんとわたしが女優本人に手渡しました。 つぎは「ジキル&ハイド」のエマ役の笹本さん。作家の吉敷さんには日生劇場でのミュージカル公演も見てもらい、いきいきした笹本玲奈さんに仕上がりました。これもジクレープリントを女優本人に手渡しました。 笹本さん所属プロダクションのホリプロに 「江戸時代の浮世絵は、役者絵が重要ジャンルだった。ぜひ笹本玲奈さんの役者絵プリントを販売なさいませんか」 とお声掛けしたのですが、う~ん、ダメでした。残念! 笹本玲奈さんの絵は肖像権の問題から鮮明画像をウェブ上に発表できないので、遠くから撮った写真で雰囲気だけのご紹介です。ぜひギャラリーゴトウで実物をご覧になってください。 吉敷麻里亜「岸田茜 熱風」 3枚目は別の女優さん。岸田 茜(きしだ・あかね)さんです。東南アジアのホテルの一室で起きる出来事を描いた「熱風」公演の一場面です。 吉敷さんには舞台公演を観てもらい、女優とともに会食もし、この一作を心をこめて描いてもらいました。これもジクレープリントを女優本人に手渡しました。 ジクレープリントは、作家・吉敷麻里亜さんのサイト marian’s shop で購入可。岸田さんサイン入りの絵葉書つきで、21,000円+送料での販売です! さて、ほかの3名のコレクターの皆さんの展示もご紹介しておきます。 渡辺茂昭さんのコーナー 渡辺さんは、作品を購入した個展のDM葉書も一緒に展示なさっています。作品に寄せるコレクターとしての愛情が伝わってきます。 渡辺茂昭さんのコーナー 秋山さんのコーナーでは、2人の作家の作品をじっくりと味わえます。 秋山 功さんのコーナー 澤田文一作品の展示 秋山 功さんのコーナー わたなべゆう作品の展示 そして、山本冬彦さんのコーナー。豊富なコレクションの中から、今回はちょっとダークな小品をいくつか。 山本冬彦さんのコーナー ギャラリーゴトウは、銀座一丁目7-5 中央通りビル7階。日頃はおもに抽象画の企画展を行っている画廊です。 今回の「コレクターたちの饗宴展」は3月17日(火)~22日(日)。火曜~土曜は11時半~18時半。最終日の22日は11時半~16時です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Mar 16, 2015 12:29:50 AM
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