カテゴリ:美術館・画廊メモ
若いアートの殿堂 ACT で、ここだけ西武か三越かという感じの、銀座かわうそ画廊企画。
ハイレベルの8人展です。きょう6月14日6時まで開催。 柳田補(やなぎだ・たすく)さんの写実人物画など、文句のつけようのない すばらしい出来で、このかたが仮に順当に名門美大を出て画壇の階段を上がっていたなら、まったく同じ作品に100倍の値段がついていたでしょう。 わたしの郷里・愛媛県の砥部町のご出身、昭和23年生まれのかたです。 わたしが買わせていただいたのは、川邊りえさんの「こんぷれっくす」シリーズの1枚。 川邊りえ 「こんぷれっくす」 普遍的なテーマのアダムとイブの林檎と蛇を軽くもてあそぶ、生き人形の少女。 人形、とくに西洋人形は、ぽつんとしたオブジェとして描かれることが多いものですが、このお人形さんはなまじっかな人物画の人物以上に情念を発散させています。 こういう人物画がほしいのですよ。 いっぽう、怪奇魔術師となった人形ちゃんの、こちらの作品。ミュージカル「オペラ座の怪人」の続篇である「ラブ・ネバー・ダイ」の1場面と言ってもよいでしょう。 川邊りえ 「こんぷれっくす」 絵の題は、おなじく「こんぷれっくす」。人形ちゃんの着衣もセクシーだし、吹き上がる幽霊たちにも躍動があるし、装飾的な蝶もしっかり生きている。 人形ちゃんの表情に陰があるのも魅力です。 よほど買いたいと思ったのですが、このところの緊縮財政で断念しております。でも川邊りえ作品は きっとまた買うことになるなと思った一作でした。 川邊りえ 「こんぷれっくす」 こちらは DM に使われた作品。黒猫を抱える人形ちゃんも白猫になっていて、ミュージカルでいえば「キャッツ」がモチーフですね。振り向きざまの人形ちゃんの表情がじつに劇的。 ご紹介した3点、どれも「こんぷれっくす」というお題。全部自分のものにすればいいようなものだったのですが。またいつの日か! 川邊りえさんは、昭和37年生まれ、筑波大 藝術専門学群卒、独立美術協会準会員です。 銀座かわうそ画廊・二宮真理子企画“Sante”展は The Artcoplex Center of Tokyo, ACT 1 (新宿区大京町12-9) で6月14日6時まで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jun 14, 2015 04:26:06 PM
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