テーマ:政治について(19982)
カテゴリ:日本の政治
終戦70年を迎えるにあたっての「内閣総理大臣談話」は、注目すべき新たな視点が盛り込まれている。
第1は、現在の中国をいさめていること。いままさに「国際秩序への挑戦者」として領土・領海の拡張(=侵略)をはかり、株式市場にまで露骨に国家介入する中国をいさめていることだ。 ≪私たちは、国際秩序への挑戦者となってしまった過去を、この胸に刻み続けます。だからこそ、我が国は、自由、民主主義、人権といった基本的価値を揺るぎないものとして堅持し、その価値を共有する国々と手を携えて……≫ 「自由」「民主主義」「人権」は、いずれも中国共産党政権が正面切って否定する価値観である。その価値を共有しない中国とは手を携えることができないと、終戦70年のいま改めて宣言したものだ。 第2に、「深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たち」を広い概念でとらえなおす契機となるであろうこと。 日本人が多数を占めた戦時娼婦(=婉曲語法でいう「慰安婦」)もさることながら、談話中の2ヶ所に言及された「女性たち」には、停戦・敗戦後に豹変した旧日本人やロシア兵や占領軍兵らの欲望の犠牲になった女性たちのことをも読み込むべきである。 第3に、中華人民共和国が1秒も支配したことのない台湾を、はっきりと中国とは区別して別出ししたこと。 ≪インドネシア、フィリピンはじめ東南アジアの国々、台湾、韓国、中国など隣人であるアジアの人々……≫ 北朝鮮は、「……など」に一括されてしまった。 英訳では、those in Southeast Asian countries such as Indonesia and the Philippines, and Taiwan, the Republic of Korea and China, among others となっている。 これには驚いた。安倍総理と事務方諸氏に御礼申し上げたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Aug 15, 2015 11:31:37 AM
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