テーマ:政治について(19975)
カテゴリ:世界を見る切り口
米国に対して「交渉してますよ」というポーズを取っているだけで、実際の合意などとてもできまいと思っていたので、「慰安婦」外相会談の妥結には驚いた。
おそらく今後も日本大使館前の慰安婦像は移設されないだろうし、韓国の次期政権はまた慰安婦問題を蒸し返すだろう。そのくらいのことは安倍首相も外務省も織り込み済のはずだ。 「軍の関与の下に」云々のあいまいな言い方も悔しい。 個々の老女らの名誉と尊厳を傷つけたのも日本国ではなく、彼女らを反日運動の材料として全世界のさらし者にした運動家らやメディアのほうだ。 しかし冷静に考えれば、今回の妥結で得たものは大きい。苦渋の内容を考えれば安倍外交の「勝利」とまでは言えないが、堂々の及第点だ。 ■「金額で決裂」だけは、まずい ■ 韓国側が20億円を要求してきたときは、金額で決裂したらまずいなと思った。なにしろ相手は 「ウェノム(倭奴)どもは銭カネ惜しさで韓国側の誠意を踏みにじりました」 と、またまた全世界に触れて回る人たちだ。 決裂するとすれば、銭カネ以外の本質的なところでなければならない。となれば当然「文書化するかどうか」が争点になるべきだ。 ところが韓国は、日韓基本条約の有効性についてすら半世紀後にイチャモンをつけてくる、とんでもない国だ。 今回の外相会談の妥結内容を文書化することにこだわったところで、どれほどの意味があるのか。交渉にたずさわる外交官たちに、そんな空虚な思いが去来したとしても不思議でない。 むしろ外相会談の直後に、宗主国の米国から「合意の遵守」を求めるコメントを出させたほうが千倍有効だろう。外交の方法は、相手の成熟度合を見て変えなければならないこともある。 今回の展開はそういうことだ。 ■ 諸外国も「飛び火」は勘弁してくれと ■ はっきり言って、韓国人らがどう騒ごうが、もうどうでもいい。 朴槿恵(ぼく・きんけい)の次の大統領、たぶんあの連合国組織のナスビのような事務総長が、「性奴隷」問題を触れて回ろうとも諸外国がこう言い返してくれればいいわけである。 「最終的で不可逆的な解決があったのでしょ」 「性奴隷でなく“日本軍慰安婦被害者”なのでしょ」 軍隊による女性狩りがあったのなら、言い逃れできない犯罪行為だ。 しかし多方面の研究で今や明らかになっている。「慰安婦」問題とは詰まるところ、「軍人の風俗業利用のための便宜供与や業者監督等の諸施策」だった。 たしかに小・中学生に向かって全容は語れない。確かなことは21世紀の今日もなお、このレベルで語るなら真っ白けの大国は皆無だろうということだ。 まして米国のように奴隷制度のあった国は、本当の意味で「性奴隷」がいた。 白人の主人のために性の奴隷として無償奉仕させられた有色の女性たち。白人と黒人の結婚が禁止されていたにもかかわらず米国に存在する多数の混血者たちこそ、性奴隷の歴史を象徴する「歩く銅像」だ。 小学校の優等生のような朴槿恵が無邪気に騒ぎ立てた慰安婦問題は、諸外国にとって、飛び火されては困る論点なのである。 ■ もっとだいじなことがある ■ だから中国と北朝鮮を除く諸外国は「最終的で不可逆的な解決」を歓迎するだろう。 その構図を破綻させるためには、日本の大臣級が失言することが必要だ。だから朝日新聞や共同通信は新しい大臣が就任するたびに、慰安婦について失言をさせるべく、挑発的な質問をするだろう。 そんなものは「想定問答集」どおりに打っちゃればよいのだ。 日本には、憲法改正という、もっともっとだいじなことがある。安部内閣が目指す大きな目標を、わたしは強く支持する。 ◆◆ 後記 ◆ ◆ いくつかのブログを拝見しましたが、以下のものに注目しました: 「え? 安倍さんが韓国に譲歩? 敗北? んなわけないでしょ(笑)」 http://ameblo.jp/tokyo-kouhatsu-bando/entry-12111421307.html このかたの予想は、韓国側による蒸し返しは極めて困難だろうというもの。 わたしの予想は、それでもやっぱり蒸し返して、本性をさらしてしまうだろうというものです。 「【従軍慰安婦】韓国政府と挺対協とハルモニ」 http://ameblo.jp/free-and-obligation/entry-12111159991.html いまや慰安婦問題は純粋に韓国の国内問題へと変質した、というもの。 観点は正しいですね。でも慰安婦の前の「従軍」は余分だな。 * 「慰安婦」を a sex slave と呼ばないことを韓国政府も公式に認めたわけですから、文春新書『英語学習の極意』152~155頁に書いたとおり、旺文社『オーレックス和英辞典』は「従軍慰安婦問題」の訳語を早急に改めてもらいたいです。 「安倍外交は堂々の及第点だ」は、12月29日に無料配信したコラムです。 登録読者数は約 6,000名。あなたもメルマガ「国際派時事コラム」の読者になりませんか。 ↓ こちらでアドレス登録ができます。 http://www.mag2.com/m/0000063858.html お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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