テーマ:英語のお勉強日記(8035)
カテゴリ:英語 la angla lingvo
拙著『英語学習の極意』(文春新書)は、帯に
≪リスニング強化には高速音読法が効く!≫ と銘打ってある。典型的語学教材のような ゆっくりモードではなく、ニュースのアナウンサーのような速度で音読練習をバシバシやることを勧めている。 横山カズさんの新刊も「パワー音読」と称して同じことを勧めている。同志が増えるのはいいことだ。 横山カズ 『英語に好かれるとっておきの方法 4技能を身につける』 (岩波ジュニア新書、平成28年刊) 行き着く先は同じなのだけど、パワー音読の途中過程で目新しいのは次の2点だ。 【ささやき音読】 ≪10メートル先に立っている友達に全力で内緒話をする感じです。声を使わずに、息だけで強く口に出します。要するに子音しか使えない状態を作り、全力でやればすべての子音が一気に強化できるということなんです。≫ (79頁) 英語の発音はとりわけ、子音が際立つというか「粒立つ」。子音をはっきり発音するのは、英語の発音でとてもだいじなのだけど、その練習法として「ささやき音読」は確実に効くはずだ。 【和訳音読 ⇒ 感情音読】 ≪英文の内容を和訳して日本語で読みます。直訳でなくても、少し自分でアレンジした日本語でかまいません。「自分だったら日本語でこう言うだろうな」と想像しているとよいでしょう。自分らしい日本語で読めば、当然 感情や思いが格段に乗せやすくなります。≫ ≪「和訳音読」で感情をこめて読んだ文を、今度は英語で読みます。すでに自分の感情と文を一致させて日本語で読んでいますから、その気持ちを今度は英文にこめて読みます。≫ (80頁) 音読練習をするにしても、英文が機械的な棒読みになってしまっては実戦力につながりにくい。自分自身の英語に感情をこめるのは、英語国に行って英語環境に身を置けば自然にできることだけど、日本にいながらこの境地に達するのはむずかしいことかもしれない。 それを乗り越えるために、和訳音読という迂遠(うえん)な道をあえて経由しようというもの。 自分はそんなこと、さらさらやるつもりはないから、ひとにも勧められないのだけど、方法論としては的を射ているね。 横山カズさんは『CD-ROM付 最強の英語独習メソッド パワー音読入門 英語を話す筋力と反射神経を鍛える』という本を平成27年6月に上梓している。 * * * あともうひとつ感心するのが「途切れなく話すための “ ,(カンマ) which” 」というくだり。日本人が苦手とする関係代名詞を自分のモノにするための、とてもいい方法だ。 ≪ “,which” は「そしてそれが」もしくは「そしてそれを」という和訳で最初は覚えておきましょう。短い文をどんどんつぎ足しながら途切れなく話すことができるようになります。≫ (99頁) たしかに、これも効く。「 “,which” のトレーニング」として著者の横山カズさんが挙げているのが、こんな文だ。 ≪I went to Kobe the other day and met my old friends, which was a great time because we had such a nice conversation, which I want to do again sometime soon, which could be pretty difficult though as my job usually doesn’t allow me to do it, which I hate.≫ (99~100頁) 横山カズさんは本書前半では身の上話をいろいろ書いている。この辺も『英語学習の極意』の同志だね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Aug 15, 2016 04:15:32 PM
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