カテゴリ:美術館・画廊メモ
夏の恒例、マイコレ展。今年は The Artcomplex Center of Tokyo(最寄駅: 信濃町、四谷三丁目) で8月22日(火)~27日(日)の開催です。
詳細は「第26回美樂舎マイ・コレクション展」をご覧ください。 最終日27日は午後3時から講演会(日影 眩「アメリカのアートの現状と日本人作家たち」)も予定されています。 さて、今回 泉ユキヲが出展したコレクション2点は、これです。 服部新一郎 “Angel-06” (平成27年作品、パステル、紙 40 × 28.5 cm) 銀座一丁目の万(よろず)画廊のはす向かいにある Gallery Stage-1 で買ったものです。 心おどるだまし絵。どこまでが 描き手のいる「こちら側」の世界で、どこから向こう側の世界(=絵そのもの)なのかが、ふいに不分明になる。この絵を見ている自分自身まで絵のなかに引き込まれそうになる。 手馴れた筆致のパステル画の作家は昭和37年生まれ、広告制作会社でイラストレーターとして勤務。パステル画のみならず油彩でも水彩でもパワフルに魅惑の世界を繰り広げるひと。おカネができたら何点か買いたいと思っているアーティストのひとりです。 Ki Yoon Ko (平成26年作品、油彩、パネル、50 × 50 cm) 海外作家の作品紹介に積極的な Hiromart Gallery(文京区関口)で購入したものです。 かかえられた少女の服装は東欧の衣装でしょうか。南米先住民の少女かもしれません。男の赤い筒型の帽子とだぶだぶのズボンは、いかなる民族なのか。 何かのできごとがあったにちがいなく、それはおそらく寒冷なる森でのできごとでしょう。 背後にものすごい量のストーリーがありそうで、それを作家から聞ければどんなにいいでしょう。絵のタイトルが何かを示唆していないでしょうか…… あれ? 作品のタイトルは? タイトルは無いそうです。 タイトルなしの作品に Untitled ないし「無題」というタイトルをつけて良いか? つけたら untitled でも無題でもなくなってしまうではないか! そもそもわたしはね、絵にタイトルをつけるのも画家の仕事のうちだと思っておるのですがね。とくにこの絵のような意味深な作品には。 さて、この絵の作家 Ki Yoon Ko はドイツ・ハンブルク在住の韓国人。 San Francisco Art Institute(サンフランシスコ)で絵画、Pratt Institute(ニューヨーク州ブルックリン)でイラストレーション、Virginia Commonwealth大学(ヴァージニア州)で絵画と版画を学び、平成12年にサンフランシスコで初個展を行っております。 美樂舎の他の会員諸氏の出展作品を見てみましょう。 <左の作品> 富樫 梢 「レーゼ ―laze―」(平成16年作品、油彩、マニキュア、コラージュほか、キャンバス、 90.9 × 72.7 cm) この左側の絵を見て、青木 繁「わだつみのいろこの宮」を思い出しました。青木繁が描いたのは山幸彦ですが、山幸彦と張り合う海幸彦がじつは女だった! というストーリーなどいかが? 富樫作品「レーゼ」を見ながら、ぼくにはそんな想念が浮かんだのでした。 では女神の上半身をアップにしてみます。 斜め方向からになりますが、こんなトリミングはいかがでしょう。 作家の富樫 梢(とがし・こずえ)さんは昭和58年生まれ。きらびやかなコラージュ作品の大作を制作する美大生として10年前には注目を集めており、『美術の窓』誌の「今月の隠し玉」(平成19年6・7月号)で取り上げられたほど。 華々しくスター街道を歩むかと思われていたのに、美大卒業と同時に ぱったりと作品を発表しなくなり、いま どうしているのか まったくわからない、とは 本作品の購入者にして出展者の丹 伸巨(たん・のぶお)さんの辯(べん)であります。 以下、美樂舎「マイ・コレクション展」の展示風景写真です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Aug 23, 2017 04:04:02 PM
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