【訂正】 上海語の “一、六、七、八、十” の読み方 @ 『英語学習の極意』176頁
『英語学習の極意』176頁に「主な東アジア言語の漢字音」と題して、日本語・客家(ハッカ)語・朝鮮語・タイ語・広東語・上海語・北京語の発音比較表を載せたのですが、残念ながら上海語の項に3ヶ所、まちがいがあったので訂正します。一: イッ → イェッ七: チッ → チエッ十: チェッ → サッこのくだりの趣旨は、北京語に隠された悲劇の歴史をひも解いたものでした。漢人の言語にもともと存在した -k, -t, -p で終わる音が、広東語や上海語には残っているけれど北京語からは失われている。その理由は、唐朝の崩壊後に北方民族が揚子江以北の平原に波状攻撃的になだれ込んで、言語音を変えてしまったからだ、という趣旨でした。北京語には存在しない「音節末の促音」が上海語には残っていることを示したもので、趣旨は合っているのですが、発音のカタカナ表記がまちがっていました。これは誤植ではなく、わたしの原稿のまちがいです。問題の発音一覧表は、平成17年に出版した『中国人に会う前に読もう』162頁のためにわたしが作成したものを転載したのですが、今回『英語学習の極意』が刷り上ってから、念のためと思いCDつきの上海語教材を4冊買って確かめたところ、遅ればせながら間違いと知りました。もともとわたしは上海語を学んだことがなく、一覧表の上海語音はウィキペディア日本語版の「上海語」の項で “一、六、七、八、十” を ih, loh, tsih, pah, zeh と表記してあったものをカタカナにしたのでした。(zeh を「チェッ」と書いたのは、ze の音が北京語の “這 zhe” に近い音であろうと推測したから。)じつに軽率でした。音声教材が書店ですぐ買えるのだから、CDを聴いて確認すべきでした。反省しております。なお、ウィキペディアの ih, loh, tsih, pah, zeh という発音転写法そのものに問題はありません。上海語のローマ字表記法はいろいろな流儀があり、ウィキペディアはそのうちの ある流儀を採用したにすぎません。