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カテゴリ:本
『ちいさな人形とちいさな奇跡』
レイチェル・フィールド著 名前はヒティ。100年前に行商のおじいさんが、幸せを呼ぶナナカマドの木から作った小さなお人形。今、だれもいないアンティークショップでそっと羽ペンを手にこれまでの大冒険を語りだす・・・ カバー裏の解説より抜粋 小さな人形が人から人へ場所や時代を渡っていく、その数奇な運命を回想する児童文学。 100年前・・・1900年代?20世紀の幕開けの時代に作られた人形?? ところがそうではない。 この物語が書かれたのが1920年頃。ここで既に100年近く経ってる。 このお人形はそれよりさらに100年以上前、となると、アメリカ独立戦争の後くらいに生まれたお人形らしい。 ヒティの最初のご主人はフィービという7歳の女の子。捕鯨船(いま声高に捕鯨反対を唱えてるアメリカはかつては捕鯨大国だったのよ)の船長と供に捕鯨船に乗り込む事となった。そこから地球を半周する旅をして、驚くような体験や多くの出会いを重ねていく。 この物語、子供の頃に読めば単純にヒティの冒険にワクワクしただけかもしれないけど この歳になって読むと18世紀末から20世紀初頭までの人々の暮らしの移り変わり、文明の発達などの方が面白い。 最初は馬車で移動していたのに、機関車が現れ最後には飛行機が登場する。 その時その時の持ち主の経済状態でヒティの扱いは変わる。同時にその時代のその階級の暮らしぶりも良く分かる。 いろんな読み方のできる興味深い1冊です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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