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カテゴリ:本
『銃とチョコレート』
乙一 著 内容(「BOOK」データベースより) 少年リンツの住む国で富豪の家から金貨や宝石が盗まれる事件が多発。現場に残されているカードに書かれていた“GODIVA”の文字は泥棒の名前として国民に定着した。その怪盗ゴディバに挑戦する探偵ロイズは子どもたちのヒーローだ。ある日リンツは、父の形見の聖書の中から古びた手書きの地図を見つける。その後、新聞記者見習いマルコリーニから、「“GODIVA”カードの裏には風車小屋の絵がえがかれている。」という極秘情報を教えてもらったリンツは、自分が持っている地図が怪盗ゴディバ事件の鍵をにぎるものだと確信する。地図の裏にも風車小屋が描かれていたのだ。リンツは「怪盗の情報に懸賞金!」を出すという探偵ロイズに知らせるべく手紙を出したが…。 ミステリは中身は絶対知りたくない!と言う方はここまでに。 犯人が誰か、なんて野暮な事はしませんが、真っ白で読んだ方が楽しめますよ。 怪盗ゴディバと名探偵ロイズ、、これで頭に浮かぶのは、モリアーティ教授とホームズ。 さらにはルパンとガニマール。ルパン三世と銭形警部も忘れちゃいけない。 本作はこの2人に少年リンツが加わるので怪人二十面相と明智小五郎と少年探偵団だと。 ホームズもルパンも二十面相も、小学校高学年から中学にかけて全て読破しまして、 当時の熱中振りを思い出しワクワクしちゃいましたよ。 ここから内容に触れますからね、ご注意下さいね。 これ、単なる義賊と名探偵の知恵比べと侮ってはいけない。 児童書コーナーにならんでるミステリの多くは子供が人殺しなんてしない。 名探偵、あるいは名探偵の助手役は正義感に溢れた機敏な頭の切れる少年少女と相場は決まってる。 ところが、この本の真の名探偵は乱暴者で意地が悪くて自分の事しか考えないどーしようもなく悪い子、その推理力は名探偵をも出し抜いてしまうほど。 ロイズの捜査に協力するリンツ少年は正義感はあるものの、真の名探偵に苛められ乱暴され、彼に振り回されてる。 ミステリーランドのシリーズは大人が読んでも子どもが読んでも良いよう企画されてます。 この本は「児童書における、名探偵は正義の人」との思い込みを打ち砕いてくれた1冊です。 面白くて一気に読めました。お薦めです。 銃とチョコレート お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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