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カテゴリ:本
『ハリー・ポッターと死の秘宝』
J.K.ローリング著 月31日、17歳の誕生日に、母親の血の護りが消える。「不死鳥の騎士団」に護衛されて飛び立つハリー、そして続くロンとハーマイオニー。ダンブルドアの遺品を手がかりに、彼らの旅が続く。その先にある戦いは…。 ストーリーは期待以上でも以下でもない、まずまずの作品ではないかと思われます。 最終巻を読み終わって「何故このシリーズはこんなに読み難いのか」と思って検索かけると 出て来る出て来る誤訳問題に日本語の選び方の問題。 誤訳か否かに関しては、私に語るだけの英語力はありませんが、翻訳物を多々読んで来た身としては、読み難い、分かり難いという点でこのシリーズはワーストのランキング上位です。 第1巻「賢者の石」を読み始めた時、これが現代の話だとは思えなかったんです。 舞台は19世紀か20世紀も初頭の話だと思ってました。言い回しが古臭いし、時折出て来る単語が既に死語となってるものだし。 始めて「旅籠」という単語を目にした時、これが直ぐに旅館・ホテル等の宿泊施設と分かった子供がどれくらいいるんだろうかと思ったし、同じように普段は使わない言葉であふれてます。 今回も意味不明な箇所は多くありましたが、一番インパクトがあったのがハーマイオニーが言った「マーリンの猿股」。前後の文章からののしる言葉だろうと推測してますが、英語の相手を貶める表現にこんなのがあって、それを直訳されたんでしょうか。 「マーリンの猿股」・・・どの程度の怒りを表してるのかがまったく分からない言葉で、次のロンのセリフで相当怒ってるらしいと思うものの、17歳の女の子の口から「猿股」なんて言葉が出て来る事に違和感があります。 英語版を見てないので推測なんですが、元は"Merlin's pants"とでも書かれてたんでしょうか。 追記 気になってあちこち探してみるとローリングさんの造語で、オーマイガッ!!に相当する言葉のようです。それもストレートにではなく、その前のロンのセリフを受けてハーマイオニーがアレンジしてるらしい。こうなるともう何の事やらです。2人の関係を表す微妙なニュアンスはこれでは伝わらないですね。 日本語に不自然な所があってもここまで読ませてしまうって事は原作は相当優れてるんでしょう。ハリーと仲間たちの成長や冒険や大人の事情など、物語としては良く出来てますからね。 外国語を日本語に訳すのは難しいと思いますが、原作をゆがめる事無く、日本語としても読みやすい物にして欲しいですね。 ハリー・ポッターと死の秘宝 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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