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2009年02月04日
テーマ：本日の１冊(3695)
カテゴリ：本
『凍りのくじら』
辻村 深月 著 内容（「BOOK」データベースより） 藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年。高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。そして同じ頃に始まった不思議な警告。皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき―。 少女の成長物語・・・うわっ、一言ですかっ！！！（笑） 先が気になって一気に読んでしまったという意味では大変面白い作品でしたが、 こんなに居心地の悪い本も珍しいです。 その居心地の悪さの原因は理帆子の性格の悪さ（笑） 理帆子は高校生だった頃の私に重なり過ぎてます。 頭でっかちで、自分以外の人を見下していて、誰とも本気で対峙しない。 自分はみんなとは違うのよという根拠の無い自信、数え上げればきりが無いです。 恥ずかしいほどの未熟な自分の姿を「これでもか！」と見せ付けられてる気分でした。 私は特別じゃない、思い切り普通なんだと認識したのはいつ頃だったろう。 平凡だと分かった頃から、忘れたいという強い思いもないまま 恥ずかしい自分は過去となったのに、 「あんたはこんなに鼻持ちならない娘だったんだぞ」と暴かれた気分。 理帆子は特別でもなんでもないただの女の子なんだけどね。 皆似たような事を思ってるのにそれを表に出さないので、 見えてるまんまが相手の全人格ぐらいに思ってしまってる。 ちょっと考えれば、相手だっていろんな思いを隠してると気が付きそうなもんなんだけどな。 そこまで出来ないのが思春期なんだろう。 この本は読み手の年齢によって感じ方がまったく違ったものになりそうです。  凍りのくじら お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
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