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テーマ:本のある暮らし(3286)
カテゴリ:本・コミック
お店で売られているお菓子の餡子はとても苦手です。
甘さで喉のまわりがどうにもかゆくなります。 最中、アンマン、大福餅。 最中などは最高ですね。外側の皮だけがはがれると、薄皮半枚残してあとはたっぷりと餡子だけ! あれは餡子だけの重み。 たい焼きの尻尾まで餡が詰まっているのがうれしい、なんて私にはもってのほかで・・・。 大福の皮だけ・たい焼きの皮だけならわりと食べますが、その食べ方を見つかるとまるで「人でなしか」くらいに嘆かれることも。そうでしょうとも。 でもアズキから煮て自分ちで作ったものは、妙に好きです。 「妙に」って・・・普通よりあんまり甘くないからでしょうね。アズキの風味の自己主張が激しいし。 畠中恵の「しゃばけ」。 昔読んだことがあります。 主人公である病弱な大店(おおだな)の若だんなを取り巻く環境は、鳥取砂丘の砂が全部粉砂糖であると聞いても驚かないほど甘いです。文中でも注釈のようにたびたび出てくる表現を借りて言えば、周囲の人間(と妖)が若だんなにそそぐ気持ちは、砂糖を餡子でくるんで黒蜜をかけたようなえもいわれぬ甘さ。 そうとう変。若だんなの病気がちな性質への心配や気遣いを割り引いても、甘さは度を越してます(と思う)。 それに、両親はまだしもなぜそこまであやかし共が若だんなに甘くなるのか今ひとつ強い理由がわからない・・・と思ってしまいました。 畠中恵の最初の本はモヤッと消化不良のまま読み終え、次の本は読まなくていい、と思いました。 でもここ何ヶ月かになって検索したり通販本屋さんサイトのレビューなどを見てみたら、「畠中恵好き」「現代物は面白い」「しゃばけシリーズ楽しみにしている」、そんな声を目にするにつけ人によって感じ方は違うけどあれは面白かったんだろうか、本当は面白いんだろうか、現代物?と、「しゃばけ」がシリーズ化されているのも知らなかった段階から、何となくちょっと気になる気持ちに変わってきました。(そもそも検索などをしている時点でけっこう・・・) 文中の但し書きではまだ生ぬるい。誰か一人でも、作中で「ツッコミ」を入れてくれる人物があの集団の周りに欲しかった。 と思ったのですが・・・。 餡子の例があります。ふと私は悟りました。そして・・・ 「だから何でそうなるのー」「ありえないから!」 歯の浮く甘さに自分でツッコミ入れつつ、「ぬしさまへ」を読んでいます。 「ぬしさまへ」は1章完結のシリーズ短編集で、若だんなの二人の兄やのうち、仁吉(霊力の強い大妖 白沢)の「若だんな大事」の理由につながるようなエピソードも描かれていたし、「空のビードロ」では・・・泣けました。く~~っ。松之助は、本作以降も出てくるのでしょうか? それとも若だんなたちとは関わりの無い、どこかのお店(おたな)でまた奉公に精を出しているのでしょうか。 いや、面白いです。最近の楽しみにもなっています。 現在「しゃばけ」シリーズは、「しゃばけ」「ぬしさまへ」「ねこのばば」「おまけのこ」「うそうそ」の5作が出ているようです。 そうそう、あとは「百万の手」こわい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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