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テーマ:本のある暮らし(3315)
カテゴリ:BOOKS
読んだ本の覚書
『使いきる。』 有元葉子:著
◆持っている服は同じ服ばかり Tシャツもセーターも、私がもっているのは同じものばかり。 クルーネックかVネックの開きで、からだにピッタっとしすぎず、ダボっとしすぎない、ほどよいシルエットのものです。 ・・・ 自分が「着るか・着ないか」を、家に持ち込む(買う)前に判断しているわけですから。 ・・・ 靴を一足買ったら、きちんと手入れして(手入れすること自体も楽しんで)、底が破れるまで履く。破れたら捨てる(捨てても惜しくないくらい、使いきる)。衣類でも寝具でも台所用具でもなんでも、自分に本当に合うものって、そんなに多くないです。 その限られたものを最後までとことん使いきる。自分自身も同じ。自分を使い切って、人生をさよならするときは、笑って「はい、さようなら」って言いたいね、そう思っています。 こんな考え方で、ものと付き合おうとすれば・・・自然にものが淘汰されるはず。 家の中が過剰なもので溢れることはないと思うのです。 ◆片付けは片っ端から! わりとなんでも段取りよくやるほうなのですが、いくつかの仕事が重なったり、大急ぎでやらなければならないことが終わると、たとえば台所の台の上などがすごい状態になっていることがあります。そういうときにはもう、片っ端から片付ける。文字通り片っ端から片付けるのです。これ、よくできた言葉だと思います。 パーっといろんなものが散らかっているとき、見ていると、「あれとこれはこっちにまとめて」というふうに、散らかっているものを分類しようとする人がいる。そんなことをしていたら、いつまでたっても片付けは終わりません。 分類はいっさいせず、こっとの端からガーっと片付ける。本当にそれが一番早いです。台なら台の片っ端から、散らかっていたものをひとつずつ片付ける。真ん中からじゃダメなんですよ。片っ端から順番に片づけていくと、片づいたところが空いてくる。片づいたことが目で見えてくる。そうすると、ここまで何分かかったから、あと何分で終わるとわかる。目安がついてやる気も出るんです。 ◆スペースの「空き」はこのときのため 冷蔵庫の中も戸棚の中も、ものをできるだけ減らして、「空き」を作っておく。 ・・・ 空間はものを「納める」ためだけではなく、ものが「動く」ためにある、ということです。 その日の献立を決めたら、食器棚から器を出して、テーブルの上に並べてみて、コーディネートを考えます。 そうして使う器を選んだら、人数分を戸棚の空きスペースに入れておくんです。 お皿だけではなく、箸やナイフ&フォークまども小さなツールスタンドに入れて、棚の中に入れておきます。 使うナプキンも、お敷きも。 使うものを丸ごと納めておきます。 こうしておくと何がいいって、慌てないのです。 頭の中でいくらしっかり組立ても、いざ動き始めると、何かを忘れたり、段取りを間違えたりしがちです。 ところが、器をあらかじめ用意しておくだけで、その日に自分が台所でやることが明快になる。 心に余裕ができる。 使う器が頭の中にあれば、切りものをするときも、材料を切る大きさやサイズがとっさに浮かびます。 だから「人間って面白いな」と思うんですよ。 こんなちょっとしたことで、時間や体や神経の使い方が違ってくる。落ち着いて仕事ができ、家事がスムーズに流れてくれる。本当に大きな違いです。 ◆いらないものをなくして、きれいにしておく とってもシンプルなことなんです。台所も、戸棚の中も、冷蔵庫の中も、クロゼットの中も、車の中も、頭の中も、体の中も、全部一緒です。 いらないものをなくして、きれいにしておく―。 それが、私たちが快適に生きるための答えです。 「片づけ」や「整理整頓」は、いつかやろうと思っていて、できものではありません。今やらなければいけない、その理由をお話ししましょう。 家が狭いから、好きな空間じゃないから、時間がないから今はできない(あるいは「したくない」かな?)。でも、できるようになったらやろう・・・という考えだと、いつまでたっても快適な暮らしは手に入りません。誰だって同じだと思うのです。自分が本当に望んだ通りの住空間が与えられているわけではない。でも、それでも、今あるこの空間を自分なりに精一杯美しく使っていると、より良い空間が次に待っている―。 これね、本当なんです。ちょっと不思議な話だけれど、そういう経験をしてきて、私自身がびっくりしているのです。 別にそれを望んでやってきたわけじゃないんです。ただ、一所懸命暮らしてきたんですね、私はどの年代どの時代も。狭い空間だったり、たとえ気に入っていない環境だったとしても、そこに住んでいるときは、「これ以上できません」っていうぐらい、自分なりに美しさや快適さを追求する。その空間を充分に使いきる。するとなぜか自然に、次の良いものが待っている。私の場合はそうでした。 ですから、あきらめないでください。たとえ今、家が散らかっていてもたとしても。いらないものを「片付け」て、ものの「整理整頓」をしましょう。収納場所や収納方法を「これがベストかな」と考えてみましょう。ものの置き場所は、すぐに決まるものではないです。私も試しに鍋をいつもと違う棚に入れてみたりして、それで「やっぱり、こっちのほうがいいわね」と元に戻すようなことをしているんです。日々、“快適”を更新中。それでいいのです。 そうして「片づけ」がすんだら、次は家事の流れを作ります。 つづく・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.04.18 22:16:40
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