いい歌は具体的な言葉で描写されてある
格闘技を見て大晦日の夜をすごすのがここ数年つづいている。猪木ボンバイエ(?)はなくなったもののK1とプライドは健在である。戦うフリーター所クンのやぶれかぶれ戦法が一番よかった。ところが小3の長女がいっちょまえに紅白を見たいという。紅白なんかよりも大晦日は格闘技なのだ、と言っても譲らない。しまいには小1の次女が応戦し私からリモコンをうばった。さすが姉妹(しまい)である。仕方なく紅白・K1・プライドのはしごをする。紅白なんぞ、と思っていたが、ああいなあとじっくり聴いた歌が3曲あった。先日みにいった映画「あらしのよるに」の主題歌、aikoの「スター」を聞いていると、「メ~イ」「カブー」と思わず親子で叫んでしまった。石川さゆりの「天城越え」と森進一の「おふくろさん」に聞き惚れてしまう。唄はもちろん歌詞がいいのだ。字幕を見つつ、歌詞をていねいに聴くとその情景が浮かんでくる。いい歌は歌詞がいい。先日読んだ『要約力』に次の言葉がある。「具体的な言葉で描写する」(161頁)「天城越え」も「おふくろさん」も実に見事に「具体的な言葉で描写」されてあるのだ。読んでいただく文章を書くときは「具体的な言葉で描写する」を意識して書こう。