炭と塩と靴下に教えられる
おととい東京のホテルで洗濯をした。洗濯といってもシャワー浴びつつの足踏み洗濯である。旅先ではいつもこうして足踏み洗濯をしている。石けんとお湯でゴシゴシ洗う。ところが一昨日のホテルには石けんがなかった。代わりにあったのが液体の「ボディーソープ」。こういった洗浄液には保存料や合成界面活性剤が入っているのが多い。経皮毒の恐れがあるため使わないようにしている代物だ。仕方なくお湯だけでゴシゴシ洗った。まずまずではあったが、靴下の臭いが少し残った。今日はたまたま私が家で洗濯をすることになった。よ~しそれなら、と炭を探した。あった。硬い備長炭である。たたくと鉄琴のような金属音がして心地よい。この備長炭を例の靴下に入れて洗濯ばさみで封をする。これと塩少々を洗濯機に入れ洗濯開始。粉石けん無しで炭と塩だけで洗ってみたのだ。洗い水は風呂の残り湯を使うのは当たり前。すすぎは水道水で1回きり。脱水時間は3分に設定した。果たしてこれだけで洗濯できるのか。洗濯機から洗濯物取り出す。見た目は、通常の洗濯と代わらない。問題は臭いである。例の靴下を手に取り鼻に近づける。クンクン。臭わない。不思議なくらい全く臭わないのだ。水くささも何もない。へー、大したもんだ、と思い炭を見た。炭にはもともと消臭効果がある。冷蔵庫に入れる消臭剤には活性炭が使われていたのを思い出した。炭と塩で洗濯できる。排水には合成界面活性剤など生態系をおかすものはない。しかもすすぎは1回だから節水・節電の省エネだ。こんなに簡単で素晴らしいことをなぜ今までやらなかったのだ。炭洗濯。知ったのはもう10年以上も前の話。新聞記事で読んで感心してそれっきりであった。それから数年後、当の新聞記事の牧野裕子さんにもお会いした。松本英揮さん・パント末吉さんにも教えてもらっていた。なのに知ってるだけで炭洗濯をしなかった。これではいけない。いいことは知っているだけでなく即実行する。炭と塩、それに靴下に教えられたのだ。