雪あられで1時間
新千歳空港に着陸できない場合、「神戸空港に引き返すこともあります」「ん……」「どうされますか」「……行きましょう」神戸空港でそんなやりとりをしたのが2日前。そして本日の新千歳空港。「ひょっとして欠航になるかもしれません」「はい」「その場合はJALにお問い合わせください」「はい、わかりました」近ツーの方とそんなやりとりをする。私はいたって冷静であった。「新千歳空港の除雪能力は最高水準」「そう何回も欠航になることはない」こういう情報を北海道滞在中に知った。それに今は雪も降っていない。薄曇りの空模様である。出発40分前の案内板。本州行きの便に欠航の文字はない。旅行会社としては、「念のためそういうこともありますよ」という気持ちで言ってくれたのであろう。だから私は寛大な気持ちで冷静に対処したのであった。10:55。予定より5分遅れて飛行機の扉が閉まった。窓から外を見る。空模様は薄曇りのまま。ほら、やっぱり大丈夫。そう思い持ってきた本を読む。11:00。飛行機は止まったまま。動く気配がない。ん……。しばらくすると機長からの放送。「雪あられのため当機は出発を見合わせております」15分後にようやく動き滑走路へと向かう。ああよかった。やはり大丈夫であった。ところが滑走路前で順番をまっていると、「当機、出発の予定でしたが、雪あられのため再度空港にて待機いたします」機長さんが申し訳なさそうにそう話した。機内では客室乗務員さんが申し訳なさそうに飴を配ってくれた。5分間だけ携帯電話の使用許可も出た。それから40分ほど機内待機。3回目の機長放送。「当機、只今から出発の準備を開始します」エンジン音が響き渡りわれわれ乗客はホッと安堵する。行きは青森上空で1時間の機内待機。帰りは滑走路横で1時間の機内待機。どちらも何とか欠航をまぬかれた。貴重な体験ができ思い出深い北海道旅行となった。