決定不能性
『〈ポストモダン〉とは何だったのか』を読んでいる。(本上まもる著、PHP研究所、2007年)100頁にある「『存在論的、郵便的』の要約」を読み、ああそうやなあとしみじみ思う。言葉には2つの違った意味に解釈することができる。「文字通りの意味」と「特定の状況に応じた意味」である。前者は「世界を記述する=事実確認的用法をコンスタティブ」という。後者は「世界に働きかける=行為遂行的用法をパフォーマティブ」という。言葉というのはどちらの意味にも取れてしまう。「それはどうしようもないことなのだ」。こうした事態を哲学的には「決定不能性」というらしい。言葉を慎重に選んでも「決定不能性」は機能するならば、…。やはり「沈黙は金」なのか。