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関本洋司のblog

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関本洋司

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2004年11月15日
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テーマ:戦争反対(1190)
カテゴリ:カテゴリ未分類
 この掲示板で同じ質問を繰り返す人達が指し示すフェティシズムに関しては、「子供と軍人」で指摘した僕の理論を証明する素材を提供しているだけだと思います。
 ただし、僕はこうした一般的な症状に関して、その症状を告発するだけでなく、処方箋も指し示しています。
 以下、10/07の日記より引用。

///////////////

処方箋A

 なぜ、現代日本においてフェティシズムが蔓延するのかという問題に関して精神分析をさせていただくならば、広島・長崎への原爆投下の謝罪がアメリカからなされていないからだ、と僕は考えます。
 逆らい難い抑圧の中で、現実から眼を背けようとするとき、人は自分自身を欺き 芥川が言うような「ぼんやりとした不安」の中にあり続けることになります。
 原爆は戦争抑止という美名の陰でその非対称的所有の欺瞞性すら言説化されておらず、これによって現代人には歴史上かつてない恐怖政治が敷かれているのです。
 全体から切り離された細部に代補対象を求めるフェティシズムはそこからの無意識による逃避であり、また代償行為です。
 大江健三郎はノーベル賞受賞記念講演の中で、在日韓国人の被爆者について語りました。これは重要なポイントで、反原爆運動は、国民ではなく市民という立場で語ることではじめて俗に言う原爆ナショナリズムを避けることができるのです。
 実際、原爆実験や原発事故や劣化ウラン弾、その他の事象を考えれば、被爆者は日本人だけではありません。
 ただし、その謝罪を米国に正式に求めるという人間としての(あるいは世界市民としての)義務が現代の日本人にあると僕は考えます。

////////////

また、柄谷行人はフロイトに即して以下のような指摘をしています。

「カントが言う自律----自ら立法したものに自ら従う----がいかなるものかを見事に示す例がある。それはフロイトが例にとった、母親の不在という苦痛を反復的な遊びによって克服する子供に他ならない。『自律』とは、自我の二重化----自我と超自我----によって可能なのである。」(『ネーションと美学』p106)

 反復というものにもいろいろあって、反復という行為を自覚的に捉えるならば、人間が超越論的に超自我を造るプロセスとして評価できると言うことです。
 ちなみに超越論とは何よりも反復なのです。
 しかし、僕は彼らの母親にはとてもなれませんし、今の段階ではネット空間を一種の母胎として捉えることはとても出来ないでしょう・・・





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最終更新日  2004年11月16日 20時26分20秒


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