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2008年06月30日
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テーマ:相撲(1784)
カテゴリ:スポーツ
元小結・板井圭介氏による八百長相撲暴露&懺悔本です。「なかぼん」と読みます。副題に「私が見続けた国技・大相撲の“深奥”」とあります。中盆とは、八百長相撲の仲介・工作人のことを指します。

出版は2000年8月で、それに先立ち2000年1月には板井氏は日本外国特派員協会で記者会見を行い、八百長相撲の告発を行っています。会見の内容は、当然のことながら海外メディアにも発信されています。

昨年2007年初場所直後に週刊現代が朝青龍の八百長を告発したのは記憶に新しいですが、板井氏が告発した当時は八百長相撲といえば週刊ポストの独壇場でした。

八百長の隠語とされる「注射」という専門用語を私が初めて知ったのも、週刊ポストでした。おかげで今では「注射」と聞くと、私はお医者さんではなく真っ先に相撲を連想してしまうようになりました・・・。

週刊ポストの報道から発展して出版された本が、この「中盆」を含め3冊あります。今では公共の図書館にも置かれるようになりました。改めて紹介します(出版順)。

1.元大鳴戸親方著「八百長 相撲協会一刀両断」鹿砦社
2.週刊ポスト編集部・編「週刊ポストは「八百長」をこう報じてきた」小学館文庫
3.元小結板井圭介著「中盆」小学館

これらを私は「八百長三部作」と名付けたいと思います。

さらに、
別冊宝島1509「大相撲タブー事件史」宝島社
も読破すれば、あなたはもう立派な注射通でしょう。

さてこの「中盆」ですが、読んでみて受けた印象としては、作り話にしてはあまりにも具体的すぎる内容でした。

例えば、八百長には大きく貸し借りと買取の2種類あって、貸し借りの場合は基本的に先に依頼した側が相手に“骨折り料”として20万円払うそうです。また横綱や大関など、星を返すことのできない立場の力士は星を買い取ることになるのですが、その相場は70万円だそうです。

さらには、星の貸し借りの場合、1対1で成立させる場合は単純ですが、A,B,Cの3人が、例えばAがBに負け、BがCに負け、CがAに負け、3人が1勝1敗ずつで星を回し合うこともあるといいます。

これが5人、6人、いやもっと大勢で複雑に星を回し合っていたのが実態のようです。なのでいったん八百長に手を染めてしまうと、そこから抜け出すのは容易なことではないと書かれています。

また、こういった複雑なことをやっているので、誰が誰に星を貸しているのかわからなくなってしまうこともあるようです。対戦する両力士が、今度は自分が負ける番だとお互いに思い込んで土俵に上がってしまい、本気で勝負を決めにいかないためなかなか決着がつかず、はたから見ると両力士土俵狭しと動き回る大熱戦となった“迷勝負”もあったようです。その時は結局、先に疲れた方が負けたようですが。

八百長の代金の精算はたいてい巡業などの花相撲(すなわち公式戦以外の時)に行われるとも書かれています。その精算に使われるのが番付表を郵送する時に使う、普通のサイズよりちょっと大きめの封筒だそうです。この封筒を使うと、100万円の束がちょうどすっぽり隠れるとも書かれています。実際に経験した者でないとわからない、かなり具体的な供述と思います。

この本で興味深いのは、八百長をする力士が決して弱いわけではない、と言っている点です。

力士はそもそも他人の星勘定など考えるゆとりがないので、ガチンコで勝てる自信のある相手にわざわざ八百長で負けたりはしないそうです。どうせまともにやっても勝てないなら金をもらって転んだ方が得だ、と相手に思わせるだけの強さがないと、八百長はなかなか成立しないと書かれています。

ですので、たとえ八百長があっても、番付というのはそれなりに実力を反映したものになっている、というようにこの本では主張されています。

さて、こうした八百長告発がある度に、相撲協会は完全否定をする、というパターンをこれまで何度も繰り返していますが、これらの告発本の記載内容と比べて、相撲協会の主張には主観的な内容が多く、具体性にやや欠けているのではと思えてしまいます。

名指しされた力士全員に事情聴取して全員が否定した、だから八百長はない、というだけではちょっと弱いような気がします。物理的に八百長は不可能な環境にある、ということを何か示す必要があろうかと思います。

しかしながら、名古屋場所か九州場所か忘れましたが、東西の支度部屋の入り口が隣り合わせだったり、あるいは離れていても旭天山などのように関取の付け人が自由に東西の支度部屋を行ったり来たりできるような状況では、八百長をやろうと思えばできるんじゃないかと思われても反論は難しいと思います。脇が甘いと言われても仕方がないでしょう。





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Last updated  2008年07月01日 22時04分12秒
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