おはようございます
先日、
詩人で評論家の寺田操さんの
お話を聞く機会に恵まれました
いろんな詩のパターンを
紹介していただいたのですが
その中で
茨木のり子さんの詩に
強烈に魅了されました
資料によると
「1926~2006年の教科書に掲載」と
なっているので
きっと、ご存知の方も多いでしょう
でも残念ながら
私の使用した教科書ではなかったようで
初めて
すごい衝撃を受けました
今まで私は
自分の感性だけで書いてきて
特別、詩の勉強というものもしていないし
どこかの詩会に所属してる訳でもない
こういう話を聞くのも、初めての経験なので
今回の事で
もっと、もっと
詩人と呼ばれる人の作品を
読んでみたい
そう思っています
彼女の魂は
確実に
私の中のなにかと共鳴しているのです
わたしが一番きれいだったとき
わたしが一番きれいだったとき
街々はがらがら崩れていって
とんでもないところから
青空なんかが見えたりした
わたしが一番きれいだったとき
まわりの人達が沢山死んだ
工場で 海で 名もない島で
わたしはおしゃれのきっかけを落してしまった
わたしが一番きれいだったとき
だれもやさしい贈物を捧げてはくれなかった
男たちは挙手の礼しか知らなくて
きれいな眼差だけを残し皆発っていった
わたしが一番きれいだったとき
わたしの頭はからっぽで
わたしの心はかたくなで
手足ばかりが栗色に光った
わたしが一番きれいだったとき
わたしの国は戦争で負けた
そんな馬鹿なことってあるものか
ブラウスの腕をまくり卑屈な町をのし歩いた
わたしが一番きれいだったとき
ラジオからはジャズが溢れた
禁煙を破ったときのようにくらくらしながら
わたしは異国の甘い音楽をむさぼった
わたしが一番きれいだったとき
わたしはとてもふしあわせ
わたしはとてもとんちんかん
わたしはめっぽうさびしかった
だから決めた できれば長生きすることに
年取ってから凄く美しい絵を描いた
フランスのルオー爺さんのように
ね