|
カテゴリ:BOOK REVIEW
44年ぶりの帰国。二度と日本に戻ることはないだろう。仏教の誕生の地でありながら、ヒンズー教が大半を占めるインド。インド仏教の頂点が日本人。どのような人物かを知りたくなって、かつて「男一代菩薩道」という本を読んだことがあったが、仏教というよりは、不可触民の解放者というイメージが強かった。本書を読み、佐々井氏について今まで以上に理解できたと思う。自殺を3度試みたことがあり、太宰の「人間失格」を読んで影響を受けていたとは驚き。 日本において仏教に闘うという言葉は似合わない。日本仏教に批判的な佐々井氏は、沈黙によって何も行動をとらないならば、平和を壊すことに加担しているのと同じだと述べる。瞑想や座禅で座っているのではなく、大乗や小乗、宗派にこだわっている場合ではない、「さあ、立ち上がってください!」と叫ぶ。 闘う仏教という題名に違和感を感じていたが、インド社会における最前線で佐々井氏は、不義不正と闘っている。本書を読むと宗教は違うけれども、不義不正に挑んだキング牧師を思い出した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年11月02日 08時50分00秒
[BOOK REVIEW] カテゴリの最新記事
|