新着記事一覧 | さみどり短歌

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無題

自転車なら５分とかからないのに、ずいぶんと会っていませんでした。つい先日、友達と噂話をしたばかりで、電話でもしてみようかと思っていた矢先に届いた彼女の訃報。中学校時代からの親友でした。同級生の死はこたえます。一昨日の朝、「とにかく怪我だけはしないでよね」と合宿へ送り出した息子ですが、「また怪我をしました」という顧問からの電話にに思わず謝ってしまいました。眼蓋を８針縫ったというので、さぞかし腫れ上がっているでしょう。ったく・・・出掛ける朝になんだか嫌な予感がしたのですが、やれやれ、当たってしまうとは。本人は帰らないというし、先生も「ラグビーに怪我はつきものですし、やってもらうこともありますから。」とにかく明日、行って様子をみましょう。嫌なことは重なるものですね。もう何も無いといいな。今夜は彼女や懐かしい友人との悲しい再会となってしまいました。また信じられない気持ちです。この夏は、明日から家族旅行の予定でした。「ちょっとお、最後くらい会おうよね」とぎりぎりの今日にしてくれた彼女の声が聞こえるようです。カーテンにちろちろ踊る木漏れ陽を窓を開けて入れてやりたり／浜　守＊題詠マラソン2004 こころに残った歌079:整形水須ゆき子 2004年08月05日 (木) 11時21分九十九里ホーム整形外科病棟　米の重さの娘を抱く019:沸岩崎一恵 2004年08月06日 (金) 00時08分いつかわたしを裏切るだろう子のために今夜も煮沸する哺乳瓶060:とかげ上村昭廣 2004年08月07日 (土) 18時33分春浅き公園のベンチに憩ふればとかげ並びて陽を浴びてをり083:皮篠田　美也 2004年08月07日 (土) 22時30分こんなにも蜜したたらす白桃の剥かるる皮の抵抗のなさ051:痛渡部光一郎 2004年08月07日 (土) 23時31分黒焦げの眼鏡の弦よ痛ければ痛いほど黙りこむということ014:オルゴール久野はすみ 2004年08月08日 (日) 07時49分なめらかでなくてもいいよ手回しのオルゴールから「愛の挨拶」075:あさがお上村昭廣 2004年08月08日 (日) 09時56分あさがおがふたつ咲いたと子らの声に起こされてをり日曜の朝087:混沌村本希理子 2004年08月08日 (日) 22時14分混沌が金輪際の仲間ならいつそ楽かと鍋の火を消す

Aug 12, 2004

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『こころ』

夏休みの宿題らしいです。漱石の『こころ』がリビングに放り出してありました。懐かしいなあとつい手に取って、あらら・・・昨日は家事をいつも以上にさぼりました。今読むとまた違うものですね。息子はどう読んでいるのでしょう。「・・・・私の答は、思想界の奥へ突き進んで行こうとするあなたに取って物足りなかったかもしれません。けれども私にはあれが生きた答でした。現に私は興奮していたではありませんか。私は冷かな頭で新しい事を口にするよりも、熱した舌で平凡な説を述べる方が生きていると信じています。血の力で体が動くからです。言葉が空気に波動を伝えるばかりでなく、もっと強い物にもっと強く働き掛ける事が出来るからです。」この辺り、今の息子達は「熱すぎ」とか言いそうですが、ふと思い出したのが魔女の宅急便のキキの台詞。「うん、血で飛ぶの」魔女は魔法ではなく「血」で空を飛ぶという。私にはどんな血が流れているのかわかりませんが、今の私へたどり着くまでの血の流れに思いがゆきました。息子はいい国語の先生に出会えたようです。成績はひどいものですが。。「おい、くるみ。それだから太宰　治に嫌らしいと言われるんだぞ」何のことかと思ったら、『畜犬談』。私も読み返して、くるみを見て笑いました。何も分からずに尻尾を振っているので、思わずぎゅうと抱きしめたら、遊びだと思ってはしゃぎ始めました。「ねえ、くるみ～♪」ミスチルを聞こうか。あ、やっぱりマッキーがいいね。こころざしもたざることをすこやかにこころざすべく照り透る夏／村木道彦＊題詠マラソン2004 こころに残った歌　　（こはくさん、ゴールおめでとうございます）080　縫い目浦好 2004年07月30日 (金) 08時36分皮膚移植の縫い目痛々しくあれど晒せり土門拳を信じて027:天国池　まさよ 2004年07月31日 (土) 00時35分天国へ見に行きましょう天国をこの空の下（もと）マグリット展070:にせもの飛永京 2004年08月01日 (日) 02時15分にたものだってにせものだってみせものだってみんなみんな生きているんだ043:濃内田誠 2004年08月01日 (日) 16時33分2Ｈの濃淡だけではじめから描かれたようなわたしの自画像058:八大辻隆弘 2004年08月01日 (日) 23時38分八月の敗者となりて見た空は背後あまりに音楽だつた001:空兎原なおこ 2004年08月03日 (火) 16時50分ふるものはしろくつめたくあたたかいおくゆきのない銀鼠の空014:オルゴール林　ゆみ 2004年08月04日 (水) 00時34分どうしよう今度の恋はオルゴールバージョンで聴くサザンみたいだ016:乱林　ゆみ 2004年08月04日 (水) 00時39分助手席にわざとピアスを落としてる「乱乱乱」と呪文唱えて

Aug 7, 2004

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些細なこと

ちゃんと覚えていたのに、急にくるみがトイレを忘れてしまいました。あわてて運んでも、もうあとの祭り。何故だろう、私の教え方が悪いのかな。息子が携帯を落としてしまいました。台風の雨風の中、自転車で探し回りました。たまたま私が外出していて、停止するまでに時間が出来てしまったので、大丈夫かな。息子はしょんぼり、主人はカンカン。主人が肩の痛みを訴えて、やっと病院で検査を受けたら、頸椎の変形らしいです。今月末に再検査。どうなるのかな。きっとみんな数ヶ月後、あるいは人生の最後にはたいしたことのない些細なことになるかもしれないけれど、＜今＞の自分の胸を占めるには十分な事柄。客観的に書けば、・犬のトイレ・息子の携帯・夫の健康　　たったこれだけの、平凡な人生の些細な出来事です。後になったら笑えるのだろうと思いつつも、今はやはり気にかかります。気になりながらも、今年の五月二十二日に逝かれてしまった歌人、春日井　建さんの一首が、ふとよぎって行きました。あとさきと言へ限りある命にて秋分の日の日裏日表／春日井　建すごい歌です。自分の死後を見透かしているような。潔く生きたいと思いながら、現実はじたばたと些細なことに振り回される日日。けれど、これが幸せというものなのでしょうね。＊題詠マラソン2004 こころに残った歌061:高台飛永京 2004年07月22日 (木) 07時00分指先で三日月高台そろそろと辿れば伯母の微笑みがある031:肌石川美南 2004年07月22日 (木) 12時14分海の肌かすかに荒れている午後よ投げやりな絵手紙を七通040:ねずみ紅茶硝子 2004年07月23日 (金) 02時17分愛・未来・冒険・魔法・夢・その他。埋立地ではねずみが踊る。038:連中西のぞみ 2004年07月23日 (金) 21時08分連立方程式は「私を連れてって」とうるさく聞こえるので嫌いだ086:チョークこはく 2004年07月25日 (日) 00時36分いま何か思いついたね先生のチョーク持つ手の筆圧ゆるむ067:ビデオ阿部定一郎 2004年07月25日 (日) 07時23分巻き戻し＞＞停止□再生＞早送り＞＞神のつもりでビデオをいじる007:数学久野はすみ 2004年07月25日 (日) 18時24分夏空にとぎれとぎれの虹が立ち消え去るまでの淡き数学049　潮騒浦好 2004年07月27日 (火) 14時20分一晩中ドポーンドボーンと眠られぬこれも潮騒なんだろうけど　 010:チーズ林　ゆみ 2004年07月28日 (水) 14時59分振ったって出てきやしないパルメザンチーズ深夜のファミレスの隅035:二重渡辺百絵 2004年07月28日 (水) 18時17分特技ですか　たのしいですか　いい加減　私の前でやめて二重飛び038:連落合和男 2004年07月29日 (木) 00時13分葉が閉じて別の葉とじてまた閉じて合歓の眠りの連鎖反応

Aug 2, 2004

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ひとこと

「言葉がメロディーを運んでくるんです」この一言、参りましたね。むふふ、マッキーです。久しぶりにＴ．Ｖ．で話していたマッキー。ああ、やっぱり言葉が先だったんだなあと、ほっとするやら納得するやら。メロディーが先に生まれても、よいものはよいのでしょうが、字幕が出ないと意味の分からないカラオケ状態で歌番組を見ている近頃の私。元気に復活したマッキーのおかげで、優しい歌が聞こえてきます。今度こそ行こう！　ライブ！！ちょっとだけお願いしたいのは、それ以上太っちゃうと健康に悪いですよ。それから、前歯・・・んー綺麗に治るんだけどなあ。。。治して欲しいなあ。これも健康のために。マッキーの飼っている、フレンチブルドッグと黒バグちゃんの写真があまりに可愛いので騒いでいたら、くるみがびっくりして吠えたのがおかしいです。８月１１日発売のアルバムを、早速Tsutayaで予約してしまいました。ささやかに嬉しい。＊題詠マラソン2004　　こころに残った歌０２２：上野稲村一弘 2004年07月21日 (水) 09時42分上野駅　朝な夕なの五十年いつも何処かで工事してゐる033:半内田誠 2004年07月18日 (日) 14時51分半分も使われないで仕舞われた色えんぴつがぬり残したもの053:墨　翔子 2004年07月15日 (木) 11時59分悲しみは薄墨で書くしきたりに深く頷く夕顔の花046:練立花るつ 2004年07月14日 (水) 22時42分練習をせずに終わるか練習で人生終わるか、まだ迷ってる049:潮騒矢野伎理子 2004年07月14日 (水) 22時37分ポケットの中の潮騒ひとつかみ部屋に放てばもっとさみしい051:痛飛永京 2004年07月14日 (水) 21時27分濁音が甘美に響くバグダッド痛点のようにモスクは光り097:曖昧如月佳 2004年07月14日 (水) 04時32分『テーブルの上の寓話（ファーブル）』曖昧にえんぴつ削るのみに日は過ぐ021:胃田中槐 2004年07月13日 (火) 14時40分お別れは宴のあとによく似てる胃薬を飲む朝のさみしさ071:追こはく 2004年07月10日 (土) 22時16分乱れなく聞こえる葉擦れ　追伸の多い手紙を書こうと思う065:水色水須ゆき子 2004年07月10日 (土) 09時30分水色の水泳帽の干すときのけだるさ　誰も帰って来るな025:怪談ひぐらしひなつ 2004年07月10日 (土) 09時27分花のようにほころびながら夏帯のあなたが語る四谷怪談046:練翔子 2004年07月09日 (金) 15時55分もういいようんとまずいのもういいよ練り上げた薬水に流そう044:ダンス翔子 2004年07月09日 (金) 15時52分病む犬を抱いていつもの道行けばダンスするごと伸びし雑草029:太鼓内田誠 2004年07月08日 (木) 11時47分この夏にいちばん深く傷ついた人を励ますような太鼓だ

Jul 27, 2004

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白い百日紅

暑いです。東京湾の海風を高層ビルが遮り、サーモグラフィに映った都心は真っ赤。道路はまるで血管のようです。恐ろしい画像でした。くるみの散歩も夜です。７時半頃家をでると、だいたい同じワンちゃんに出会います。皆さん暑くて、この時間になってしまうのでしょうね。本当は早朝がよいのだけれど、家族を起こしてしまうので夜にしました。沢山あったキャベツ畑も近頃は家、家、家。道路側の室外機から暑い風が吹き出しています。昨日は細い細い三日月でした。陽が落ちるにつれて白からだんだんと輝きだしてくる。くるみは反対にだんだんと白が目立ってきます。今年は公園の白い百日紅がわっと咲きました。今までこんなに咲いたことがなかったし、まったく目立たない木だったので少し驚いています。沈んでいく色、見えてくる色、夕暮れ時の散歩は不思議な景色です。それにしても昼間の暑さのすごいこと。口を半開きにしてやってきた雀が、小皿の水を飲んでいるのを見ると、少し嬉しくなります。暑い地球にしちゃってごめんね。＊題詠マラソン2004　　こころに残った歌主催されている五十嵐きよみさんがゴールされました。五十嵐さんは今年は百首の連作。以前から私は五十嵐さんの連作とても好きでした。物語性があります。次はどんな歌なのかと楽しみでしたが、最後は「100:ネット」に向かって飛翔してゆくような展開でした。　092:家族五十嵐きよみ 2004年06月30日 (水) 22時36分本棚の本を家族として今日はウィリアム・サローヤンと親しい093:列五十嵐きよみ 2004年07月05日 (月) 23時06分一列にならぶ鉄塔また夏がめぐりきて背の伸びゆくような094:遠五十嵐きよみ 2004年07月07日 (水) 22時01分思い出すすべての夏の道の果て入道雲は近くて遠い096:類五十嵐きよみ 2004年07月07日 (水) 23時26分水平線日がな一日ながめても海にも空にも分類できず097:曖昧五十嵐きよみ 2004年07月07日 (水) 23時26分どのように生きたい私だったのか曖昧になる眉の輪郭098:溺五十嵐きよみ 2004年07月07日 (水) 23時27分いちめんのひかりの記憶　はてしないひかりの記憶　溺レテシマウ099:絶唱五十嵐きよみ 2004年07月07日 (水) 23時27分太陽にとどかず墜ちてきたひとり沈めてのちの海の絶唱100:ネット五十嵐きよみ 2004年07月07日 (水) 23時28分イカロスという名をネットに閉じ込めて100首の話をおしまいにする

Jul 22, 2004

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歯がポロリ

くるみが口をくちゃくちゃしているので、どうしたのかと思ったら、もう乳歯が抜け始めていました。おもちゃのひっぱりっこをしていて、ポロ。餌を食べたあとにポロ。ゲームをしている息子の目の前で、手品のようにポロ。あっという間に標本が出来そうです。すでにしたから永久歯の頭がでていますが、犬歯のない犬って変な顔ですね。　犬はこんなに成長が早かったのかと、今更ながら思います。ポリーが小犬の時は子供達も小さかったので、ゆっくりと成長を見る余裕もなく、がちゃがちゃとまとめて大きくなってしまいました。昨日出来なかったことが、今日突然出来たりするくるみを見ていると、まるで早送りで子供の成長を見ているようです。まだ生まれて５ヶ月なのになあ。翔子さんのココちゃんが亡くなられてしまい、もらい泣き。今頃ポリーと遊んでいるでしょうか。別の友人のわんちゃんも、もう１５歳で介護状態。くるみもあっという間に成犬となり、いつかは別れなければなりません。そう思うと、ポロリと落ちた５ヶ月しか使っていない乳歯は、宝石のように綺麗に見えます。掌のちいさな雲が眠りより覚めてふはりと小犬となりぬ／蓬＊題詠マラソン2004 こころに残った歌083:皮原田　町 2004年07月05日 (月) 16時38分皮肉屋のイワン・フョードロヴィッチ「人間は遠いものしか愛せない」062:胸元水須ゆき子 2004年07月04日 (日) 22時19分三日月はさみしい弦を弛ませてほくろひとつぶ光る胸元075:あさがお水島修 2004年07月04日 (日) 11時02分なつごろも薄き縹のあさがおの花弁の寂こそ胸に染みつれ099:絶唱紫峯 2004年07月03日 (土) 13時55分絶唱はフィルムの中に残されて嗚呼戦場のカメラマン死す043:濃多喜エリ 2004年07月03日 (土) 01時19分濃淡の動きばかりで作られた世界だ　犬がじっと見ている072:海老水島修 2004年07月01日 (木) 12時59分ていねいに海老の背わたをむく夕べかくして吾等老境に入（い）る061:高台　森　妙子 2004年07月01日 (木) 02時24分高台の窓から見える碧い海マダムバタフライ影絵となりぬ056:磨（再投稿）篠田　美也 2004年06月30日 (水) 21時14分磨かざることの言ひ訳かぞへつつ背もたれ深く片ひざを抱く

Jul 16, 2004

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近作紹介

雨期を待つ青空を見たこともない鶏の卵であらう朝のオムレツ生協のチラシをめくる音乾き離れ住む子の好物さがす孵化すればこの文様の羽なのか鶉の卵に尋ねてみても利用者のほとんどゐない橋に似て一羽の蝶に華やぐベランダまたひとつキャベツ畑は消えてゆき見知らぬ人の傍に住みをり曖昧に返された会釈の主を知人リストの欄外へ移す自転車は押して歩かう前籠の卵よ五月の空にそまれよああ青葉むくむく茂るその下はやがて日陰となるものなのに雨期を待つ花のにほひす中年の我が誕生日にはドクダミの花『眩』第五十九号　　　2004・7＊題詠マラソン2004 こころに残った歌023:望田丸まひる 2004年06月28日 (月) 20時20分望みならあります、あります、ありすぎて頬づえなんてもうつけません059:矛盾高崎れい子 2004年06月28日 (月) 14時29分若者は足と矛盾を折りたたみ昆虫のごと原付に乗る052:部屋高崎れい子 2004年06月28日 (月) 14時24分病床に数年ありし義父なれど部屋の隅には新車のカタログ039:モザイク長谷川と茂古 2004年06月28日 (月) 10時27分報復・怒り・勝負・悲しみ・命・・モザイクなせるイラクの瓦礫006:土河童 2004年06月27日 (日) 22時28分木も土も雨もまきこんでしまおう私と一緒に海へ帰ろう087:混沌五十嵐きよみ 2004年06月27日 (日) 18時08分長雨があがるのを待つ週末に豆のスープは混沌として086:チョーク五十嵐きよみ 2004年06月27日 (日) 18時08分あけがたの教室に来て少年がチョークで綴るこの世との不和048:熱門哉彗遥 2004年06月27日 (日) 00時13分ネラレヘン　熱の置き場が見つからん箪笥抱きしめ更けて行くんか024:ミニ野田　薫 2004年06月26日 (土) 23時28分後味が残ってしまう口癖をミニストップのガムに預ける050:おんな飛永京 2004年06月26日 (土) 23時12分ヒマラヤで修行してきたせいでしょう毛深いですが雪おんなです048:熱飛永京 2004年06月26日 (土) 23時12分恋人の熱伝導が悪いから唇に塗るシリコングリス100:ネット足立尚彦 2004年06月26日 (土) 22時00分生ごみをネットで受けて捨てる朝ネットの上の言葉繚乱099:絶唱足立尚彦 2004年06月26日 (土) 21時41分絶唱は後に誰かがきづくものだから宣言出来ぬ本人036:流　森　妙子 2004年06月26日 (土) 11時19分流し雛整ひすぎるその顔に暗い翳見ゆ波揺るるとき017:免許武下奈々子 2004年06月25日 (金) 16時14分人間が人間であるそのための免許が欲しき六月国会090:木琴足立尚彦 2004年06月25日 (金) 11時33分音を出す木の運命よ　木琴にまづのせられる木といふ文字は081:イラク足立尚彦 2004年06月24日 (木) 10時25分オイラクノコイ、はたまたコイヘルペス・・・風が生むのは風だけなのに

Jul 2, 2004

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ごめんなさい。

人生に何回恥をかいたら気がすむのか、このひとつ前の日記、読み返して穴があったら飛び込みたい。けれど戴いたコメントが嬉しくて、このまま恥をさらします。まるで子供だ。ドヨ～～～ン。。。こんなこと書いてる暇があったら、一首でも詠みなさいとばかりに、師匠は題詠マラソン、ゴール！！時々遊びに来てくださったひろかたさんは、結社の賞をみごと受賞！　ほんとに恥ずかしい。ご褒美をねだっている幼児だな、私は。なんだかわかりませんが、短歌の神様ごめんなさい。またゼロからスタートします。本日は反省日記でした。ねころんでいいのは十五歳までさ　笑ひてあゆむ木来方の春／寺松滋文補助線つひに見つけしときのよろこびのかかる純粋に遠くさかりぬ＊題詠マラソン2004 こころに残った歌012:裸足宵闇 2004年06月23日 (水) 22時53分張り詰めた弦に裸足で絡まれば怪我するまでの折れ線グラフ 022:上野ひぐらしひなつ 2004年06月23日 (水) 17時09分ゆうぐれの上野の森を運ばれる一枚の絵のむかしのひかり058:八水須ゆき子 2004年06月23日 (水) 14時08分八人目の王子転生して死にき沙羅双樹とは淡き花の木077:坩堝足立尚彦 2004年06月23日 (水) 10時50分自殺した教授のゐないこのラボで坩堝よ割れるまでは頑張れ012:裸足星川郁乃 2004年06月22日 (火) 00時57分裸足では行けないような場所ならば眺めてすごす性格でした087:混沌紫峯 2004年06月21日 (月) 00時01分しっとりとこの手の中の無花果の水呼ぶ重さ混沌として

Jun 28, 2004

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私性と詩性と姿勢

『短歌ＷＷＷを走る』が発売されてから二ヶ月近くなる。家族で楽しんで読まれたり、子供や夫が批評してくれた等、そんな日記や掲示板の反響を拝見しながらとても羨ましかった。正直な話、夫も子供たちも私の短歌にはほとんど無関心。いや、これは短歌に限ったことだけでなく、私が夢中になることに対しては大方冷淡な態度をとる。だからと言って家族が不和という訳ではけっしてない。妻として、母としての「私」以外の「私」に対する、照れなのかもしれない。円満な家庭です。人によって様々であろうが、平凡な一主婦が自分の世界を保ち続けるということは、なかなか難しい点がある。　で、夫も子供も、届いた歌集に大喜びする私の横でテレビを見ていた。「ねえ、この本売れるかな。ベストセラーになったりしてね」夫はパラパラと捲り、「俺だったら買わないな」（ぶん殴りたい！）あ・・・失礼しました。こういうひとです。悪気はありません。父に一冊プレゼントした。父は丁寧に読んでくれたが、「まったく私の知らないお前がいて、なんだか遠くに行ったみたいで寂しい感じがしたな」「え？歌は日記じゃないよ。表現であってすべて本当のことじゃないんだよ」「それでも、どこかにお前がいるわけだから、こういう考えもあったのかと正直驚いた。」「う・・・ん。そっかなあ。。」「今の短歌は私らの時代とは違うな。いろんな種類があるんだな」母は家族詠以外はまったく分からないと言う。まあ、読んでくれただけありがたい、とそれ以上考えないことにしたが、たまたま友人から電話があり、「どうしてる？」からこの歌集の話になった。すると意外や意外、「えー！！すごいじゃない！出版社どこよ。こっちの本屋さんにも売ってる？」と大喜びしてくれ、たちまち連絡網が回った。「よもぎーよかったね。昔から一つのこと頑張てったもんね。あんなに好きだった日舞の先生やめちゃって心配してたんだよ」「買うからサインしてよ。死んだら値がでるかも。あはは」「○○にも話したよ。すっごく喜んでたよ。私達さーお互いの今の環境分かるじゃない。何かをやるのがどんだけ大変なことか、よくわかるよ」　鼻水が出てきた。。。後日、手元にあった一冊を持って友人たちと会った。もちろんトンチンカンなことを言う。「ねーよもぎの名前って、宝塚みたい。でも他の人も面白いね。これ素敵！」「005:音　梅一輪ほころび始めいづこかでストップウォッチの動きだす音　　へえー、息子のマラソン大会の練習でもつきあったの？偉いねえ」「あ・このひとの歌分かる分かる、いいね。でも季語ってなくてもいいの？」「え？よもぎ恋人いるの？水くさい、教えてよ。バレたらどうすんのよ」頭の中がぐちゃぐちゃになってしまったが、高校時代からの友人たちがこんなに喜んでくれて、私はまた詠いたいと心から思った。投稿したり賞に応募する時、勉強だと言いながらも、本心は家族に認めさせたいという野心があったと思う。けれど、短歌はそんなものじゃない。そんなものじゃなかった。分かっていると自分では思いながら、分かっていなかった。いや、おそらく、まだなんにもわかっていない。けれど、たったひとつ分かっているのは「短歌が好き」だ。読むのも、詠むのも。気がついたら昨日でこのＨＰも丸二年。始まりは一日一首のつもりだったが。。。続いただけよかったかな。ふわふわと海月や風船のように、波風を友達にしながら自分の世界を楽しんで行こうと思う。私性と詩性をほどよくブレンドして、姿勢だけはまっすぐと前へ向けて。丸まつて床にころんとしてゐたら触れるなよこの団子虫には／蓬＊題詠マラソン2004　こころに残った歌091:埋我妻俊樹 2004年06月19日 (土) 04時28分道なりにゆく埋立地うめたての海の気配をこわがりながら062:胸元水島修 2004年06月18日 (金) 00時54分胸元をのぞかせお前のふき掃除六月水無月まだしあわせかい005:名前森川有 2004年06月17日 (木) 22時56分植物の病の名前えんえんとアルトで唱える学生一人010:チーズ星川郁乃 2004年06月17日 (木) 01時03分責めないと決めたけれども喉元に熟成される酸っぱいチーズ005:名前久野はすみ 2004年06月16日 (水) 23時55分ゆっくりと雲が動いて享年と名前を載せた朝刊もゆく066:鋼足立尚彦 2004年06月16日 (水) 22時44分不純なるゆゑに鋼は逞しく不純なるまま加工されをり042:映画飛永京 2004年06月16日 (水) 06時23分続よりももっといかんな続々は　父の文句が聞こえる映画026:芝ハル 2004年06月15日 (火) 22時48分あたたかな芝生のうえで語るとき病む人の目は許されている022:上野紅茶硝子 2004年06月15日 (火) 21時37分手解きをお願いします。日本一愛され上手な上野のパンダ。072:海老佐藤理江 2004年06月15日 (火) 00時45分本当に無理なことなどないものと泳ぐ姿の海老から学ぶ062:胸元こはく 2004年06月13日 (日) 17時25分わけへだてなく胸元に白濁の風を吹かせて紫陽花が咲く003:運（再投稿）阿部としこ 2004年06月12日 (土) 19時58分衣擦れのおとなひ父を運びゆくナースは小さきくるぶしを持つ002:安心（再投稿）阿部としこ 2004年06月12日 (土) 19時57分ひょろひょろとゼラニウムの茎伸びだして散りたるのちの安心に酔ふ080:縫い目紫峯 2004年06月12日 (土) 11時14分夏姿　背中の縫い目一本に全人生をさらりと掛ける005:名前久保寛容 2004年06月12日 (土) 02時56分ストーンウォール・インその夜やさしき鬼たちが名前を捜して闘っていた082:軟五十嵐きよみ 2004年06月10日 (木) 22時37分軟らかな土に残した足跡が化石になるころ会う約束を051:痛水須ゆき子 2004年06月09日 (水) 09時01分痛まないことも痛みのひとつにて元恋人とお茶を愉しむ073:廊村本希理子 2004年06月08日 (火) 16時22分回廊の角を曲がつたとこあたり？戦争がいま立つてゐるのは

Jun 25, 2004

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『ザ・太宰　治』

　全小説全１５３篇一冊というこの本を見つけた時は、いささか大げさですが狂喜乱舞でした。前書き・後書き・余計なものは一切なし。まるで電話帳のような厚さで、お世辞にもよいとは言えない紙質。しかし原文のまま、つまり旧仮名遣いはまるで発表当時を彷彿とさせてくれます。この旧仮名遣いにはずいぶんと苦労していますが、近頃はしみじみとよいなあと思います。そう、彼は旧かなで作品を書いていた。初めて出会った教科書や、その後読んだ全集もすべて現代仮名遣いと当用漢字になっていますから、厳密に言えばやっと本当に読めたといえるのかもしれません。　　けふ桜桃忌。太宰さま、一緒に誕生日を祝ひませう。あなたの亡くなつた歳はとつくに追ひ抜いてしまひましたが、誕生日が同じといふのも何かのご縁。もし同じ時代に生まれてゐたなら、きつとあなたに恋をしてゐたと思ひます。でも入水はしませんよ。気持ちのよいお天気です。今頃三鷹で大勢のひとに囲まれてゐることでせう。私も沢山あたたかいお祝ひのこころを戴きました。幸せです。誕生日とは感謝の日ですね。しみじみときうかなづかひの雨は降り桜桃忌われは我が死後知らず／蓬＊題詠マラソン2004　こころに残った歌055:日記近藤かすみ 2004年06月08日 (火) 01時00分だれにでも裸体をさらすマネキンのやうな日記をまた読みに行く046:練水島修 2004年06月07日 (月) 16時35分宿酔を遣らんとふふむ練り梅は祖母のほどよき小言のごとし005:名前朔田みあ 2004年06月07日 (月) 00時16分名前などとうに失くして私たち西日の色で眠り続ける004:ぬくもり朔田みあ 2004年06月06日 (日) 23時52分ぬくもりがぬくもりとして甦るレコード針のうねりの中で081:イラク五十嵐きよみ 2004年06月05日 (土) 17時11分イラクサは風に仲立ちされて咲く花と知ってもひとりとひとり096:類素人 2004年06月05日 (土) 16時39分類焼を免れし家ぽつねんと仲間はずれの子の立つ如し072:海老紫峯 2004年06月05日 (土) 11時23分アーモンド海老とぶどうとにんにくとなんと不思議な哀しい絵画064:イニシャル足立尚彦 2004年06月04日 (金) 09時54分イニシャルもその他のデータも要らないよ　あなたはいつも冬　明日は春030:捨て台詞遠山那由 2004年06月03日 (木) 09時04分どうすれば身軽になれる仮面捨て台詞捨てても重力はある052:部屋近藤かすみ 2004年06月03日 (木) 01時05分新しきメガネを買ひてこの部屋にまたひとりわれを招き入れたり024:ミニ遠山那由 2004年06月02日 (水) 21時38分ミニカーは静かに走れ崖の上二度と戻らぬ海を目指して75:あさがお常盤義昌 2004年06月02日 (水) 18時00分うすれゆく愛情に似て抱擁のかたちのままに朽ちるあさがほ071:追紫峯 2004年06月01日 (火) 23時19分ピクルスの甘酢っぱさよ鬼ごっこ追って追われてまた追いかける032:薬新田瑛 2004年06月01日 (火) 20時18分たましいが弱った日には風邪薬を飲んで風邪でもひきたいものだ

Jun 19, 2004

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あるがままに

くるみが我が家へやって来てから二ヶ月ほどたちましたが、まだそんなものかと思うほど、目に見えて成長し、すっかり家族の一員となりました。不思議なのは、ポリーに段々似てきたこと。夫がボソリと「おい、お前はポリーの子供か？」と話しかけているのを聞いて、やはり同じように感じているのだと思いました。少し足を崩して座る癖。尾の巻き具合。あまり大きくない体型。表情や我慢強い性格。くるみはくるみだと尊重してあげようと意識もしますが、ポリーはポリーでまだ私には生きています。たった二ヶ月で名前も、トイレも、お座り、待ても覚えてしまいました。賢いものです。私の後をいつも追ってきて、台所でちんまりとお座りをして見上げていたり、うっかり寝てしまうと、いつのまにか横で一緒に寝息をたてています。外で飼うことが夫との約束だったのですが、あーーその日の来るのが嫌だなあ。。寂しくなるなあ。段ボール箱で遊んだり、うっかりするとティッシュをバラバラにしてしまうのは子供たちの小さい頃にそっくり。段ボール箱は、お家やお風呂になったり、車、飛行機に変身する子供たち大好きなおもちゃでした。子供も犬も、ちっとも変わりはありません。ちゃんと気持ちよく過ごせるように食事と清潔な環境を整えてあげて、感情に流されない我が家のルールをきちんと守りながら愛してあげれば、それでいい。あとは健康でいてくれればもうそれで私は最高に幸せです。。　柴犬の性格で、あまりべたべたはしてきませんが、本を読んでいたりしてふと顔をあげると、じっと私を見ていることがあり、なんだか胸が熱くなります。私を信頼してくれているのだなあ。。。ありがとうね、くるみ。私も大好きだよ。　最近、恩師の病気や、親しい友人のお父様の不幸などが重なり、ちょっとパソコンに向かうゆとりがありませんでしたが、二度目の蕾を沢山つけてくれたベランダのミニ薔薇や、朝の雀たち、そして子犬に癒されます。無欲というものでしょうか、飾らないあるがままの正直な自然の姿というのでしょうか。美しいなあと思います。　しばらくは名もなく眠れ犬はいつ人に飼はるる寂しさを知る／蓬＊題詠マラソン2004　　こころに残った歌038:連渡部光一郎 2004年05月31日 (月) 19時46分雪の日はよく思います連山のむこうにあなたが暮らしていると038:連翔子 2004年05月31日 (月) 13時31分言い訳を連ねて終わるこの生涯頬をさしだす銀の雨へと016:乱ひぐらしひなつ 2004年05月31日 (月) 12時14分乱数のようなあなただ、真夜中にとどくメールにみどりが芽吹く093:列ゑつ子 2004年05月31日 (月) 07時51分はつなつの羊歯群落のざわめきをよそに一列春蘭の生う040:ねずみ上村昭廣 2004年05月30日 (日) 15時57分机から小さきねずみの飛び出してどよめきの起く事務所の移転036:流飛永京 2004年05月30日 (日) 00時14分縦書きは天から地へと横書きは人から人へ流れゆき033:半飛永京 2004年05月30日 (日) 00時13分紫陽花の花柄半球ひえびえと手のひらに咲く水の惑星093:列中村悦子 2004年05月29日 (土) 23時18分列柱の影の沈黙　裏表へだてるものがなさすぎる夜023:望村上きわみ 2004年05月29日 (土) 15時44分望まれて、雲雀になって、黄金の、どうしようもないわたくしである019:沸村上きわみ 2004年05月29日 (土) 15時42分湯を沸かし待っております　はつなつのこむらがえりのような恋です065:水色常盤義昌 2004年05月29日 (土) 15時18分水色の風ふいてゐる初夏のそら　今日も誰かの命日である063:雷常盤義昌 2004年05月29日 (土) 15時16分さみだれに痩身寒きくろがねの魚雷よ眠れ　海を忘れて058:八常盤義昌 2004年05月29日 (土) 15時11分八月の街の熊蝉わしわしと話聞かざる男らの宴056:磨常盤義昌 2004年05月29日 (土) 15時09分存在が斥力となる通勤に少しづつ磨耗してゆくスーツ074:キリン五十嵐きよみ 2004年05月28日 (金) 23時12分この朝のどこかでキリンが水を飲む気配のうちに秋は近づく

Jun 9, 2004

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雛鳥

今年も雀の雛たちがやって来ました。無条件に可愛いです。首の埋もれてぼってりとした丸み、短い羽と尾、小さな黄色いくちばし。「ぼたっ」という音が聞こえてくるような胴体着陸。親鳥は自分の雛以外には決して餌を与えないのですが、雛は親がまだわからないらしく、そばへくるものへはかまわず寄ってゆき、大口を開けて鳴きます。雛同士がお互いに向き合って餌をねだっている姿には大笑いでした。　こんな可愛らしい姿を見ることができるのも短い間で、一週間もするともう親と区別がつかない位になってしまいますが、それでもたまに餌をもらっているどこかの息子に似たのもいます。今私が見ている親雀は、去年来た雛なのかもしれないなと思うと、つい餌を何回も置いたり、ふんぱつして雛用のむき粟なんて買ってきたりしてしまいました。甘いなあ。昨年見つけたツバメの巣もちゃんと来ていました。卵をあたためているようです。鳥たちの季節もおだやかに巡って、丸丸とした雛の可愛らしさと、痩せている親鳥の懸命さに、私は毎年励まされます。おそらく全部は育たないだろうし、寿命だって人間よりずっと短いけれど、鳥は鳥であることに疑いを持っていないから、あんなに誇らしく飛ぶことができるんでしょうね。　くるみも最近少しづつ外へ出しています。誰にでも喜んでいるので、はたして番犬になるのか疑ってしまいますが、雀も犬も、私には聞こえない音を聞き、見えないものを見ることが出来るので、ゆっくり大きくなあれと心の中で願っています。＊題詠マラソン2004 こころに残った歌037:愛嬌渡部光一郎 2004年05月27日 (木) 01時29分俺にない愛嬌までもふりまわし、いったいどこまでゆくか鬼百合 092:家族中村悦子 2004年05月24日 (月) 17時48分家族とは円になろうともがいてるｎ角形か　かーごめかごめ039:モザイク高崎れい子 2004年05月23日 (日) 16時13分君のゐた過去にかけやうモザイクを念入りにもつと念入りに032:薬和良珠子 2004年05月21日 (金) 23時22分どこまでもねむい　毒にも薬にもならぬ男が爪弾くギターは072:海老五十嵐きよみ 2004年05月20日 (木) 20時26分海老になってしまったふたりどうやって真正面から抱き合えばいい024:ミニ伴風花 2004年05月20日 (木) 00時28分愛される方法ばかりさがしてて覚えたミニーマウスの動き052:部屋足立尚彦 2004年05月18日 (火) 11時10分壁際においで　地球はまるいから部屋の中ならここしかないよ022:上野長瀬大 2004年05月16日 (日) 21時40分おやすみの日には働くどうぶつを見るため上野まで出かけます039:モザイク水須ゆき子 2004年05月16日 (日) 00時03分使用済みティッシュは薔薇のかたちなりボーイズラブ系モザイク画の床064:イニシャル村本希理子 2004年05月15日 (土) 18時08分イニシャルのやうな名前の銀行に口座開きてはつなつの鬱026:芝武田ますみ 2004年05月14日 (金) 08時46分初芝のホームランこそかなしけれがらんとライトスタンド　空白

May 27, 2004

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薔薇の歌束

「みづからの光のごとき明るさをささげて咲けりくれなゐの薔薇・・・略・・秀れた先人のこの歌があるために、私は紅薔薇をうたい切ることがなかなかできない。・・略・・いきおい私はせめて野茨をうたうことが多くなる。が、蕪村の句に、愁ひつつ岡にのぼれば花いばら　があり、これがまたすばらしい句で、私は野茨さえもうたい切れない始末である。（１２日付朝日新聞夕刊文化欄、尾崎左永子『薔薇の記憶』より抜粋）」これを読んで何とも言えない深深とした感覚におそわれました。師である佐藤左太郎のこの歌はもちろんすばらしいが、私は負けないくらい好きな尾崎左永子の薔薇の歌があります。ためらひもなく花季（はなどき）となる黄薔薇何を怖れつ吾は生き来し黄がなんとみごとなことだろう。この歌はいつでも私の励みです。薔薇は花の数だけ様々な名をもっていて、薔薇に魅せられた人々の想いの数とも言えましょう。そして薔薇の名歌は、言葉だけでありありと薔薇の色も形も香りも感触も与えてくれます。くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる／正岡子規花びらをかさねて淡き薔薇のいろゆらば消ゆがに色さし匂ふ／今井邦子あ！と驚愕した薔薇はこちらの薔薇パソコンの横にバイオの薔薇は咲き日々しろがねの水を欲るなり／栗木京子いろいろにいろはにほへどちりぬるを薔薇は薔薇であつてあくまでも薔薇／紀野　恵たそがれにひとひたすらにあゆむとき朱なる色素をバラというなり／村木道彦私はどんな薔薇を詠えばよいのか、もう、くらくらとしてきて薔薇園の中で迷子になったような気持ちになってしまう。陽の下にわれを待ちゐし長身は薔薇の芽嗅ぐと不意にかがみぬ／河野祐子薔薇はほんとうに切ない花です。　今日、抱えるほどの赤い薔薇をいただきました。公園の前のお宅Ｎさんから。「あのね、いつでしたかバスタオルにくるんだピクリとも動かないワンちゃんを抱いて、最後のお散歩している貴方が、洗濯を干していて見えたのですよ。玄関をでたのですが、あなたの表情を見たら、もう声をかけられなくなってしまって。ごめんなさいね。こんど新しいワンちゃんが来たとお聞きして、安心しました。」Ｎさんと二人で泣いてしまいましたが、今、玄関も、リビングもＮさんの薔薇の香りに溢れています。ポリーも嗅いだ薔薇のかおり。ほんとうに薔薇は切なくて、そして、愛という字が最も似合う花ですね。*題詠マラソン2004 　こころに残ったうた　（天晴娘々さん、一時間少しで完走されてしまいました。圧巻です。五首選させていただきました。イラクの歌がとくに素晴らしいと思いました。）098:溺天晴娘々 2004年05月13日 (木) 22時10分溺愛をしたことありますあの人を通して寂しいわたしのことを081:イラク天晴娘々 2004年05月13日 (木) 22時01分いつ･どこで･だれの元へ､も選べない誕生わたしの隣はイラク070:にせもの天晴娘々 2004年05月13日 (木) 21時56分哀しみがどんどん濁つてゆくやうで時が生み出すにせものの色039:モザイク天晴娘々 2004年05月13日 (木) 21時41分モザイクのやうにだんだん美化される記憶やりきれないつてかういふのだらう001:空天晴娘々 2004年05月13日 (木) 21時21分これ以上ないほどちひさくうずくまる窓の向かうは空の隅つこ011:犬兵庫ユカ 2004年05月13日 (木) 00時53分咬んでも咬んでもさみしい犬を飼っているあなたのことを、犬ごと愛す 028:着芳井奏 2004年05月12日 (水) 09時05分落ち着きのないカメレオンゆっくりと眠れよ全て忘れてしまえ031:肌渡部光一郎 2004年05月12日 (水) 01時24分さざんかの人肌色に朽ちゆくもざわつきざわつくはるかぜのゆえ021:胃青山みのり 2004年05月12日 (水) 01時05分鶴の胃をさがしあぐねて色紙のすじ幾重にも刻まれてゆく048:熱大辻隆弘 2004年05月11日 (火) 00時14分熱心な機械だぼくは　ゆるやかにしなうあなたの弓を鳴らして065:水色五十嵐きよみ 2004年05月10日 (月) 23時12分後悔は洗い忘れたパレットの水色絵の具の手ざわりがする005:名前大江ケンジ 2004年05月10日 (月) 01時18分「あしたから名前を変えてみましょうか」西日さしこむ診察室で051:痛我妻俊樹 2004年05月10日 (月) 00時11分欠けているあと半分を痛がれば月のあかりのふりつもる皿

May 17, 2004

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くるみ

「春になったら子犬が来るよ」いつでしたか、夫のこの言葉に耳を疑いました。いくら私がポリーを亡くして落ち込んでいるとは言え、夫は動物も花も芸術もパス！好きなのは車と仕事、思い切り理数系的発想の人が・・・人間変われば変わるものです。　ポリーは生まれて三週間目に、私が事後承諾で勝手に連れてきてしまい、夫は怒りを通り越してもっと恐ろしい完全無視（汗）でしたっけ。。この変化は、１２年間いてくれたポリーのおかげですね。　子供たちは大賛成。私は今ひとつだったのですが、近くに住む大学生の甥が日光ワンニャン村まで２回も連れて行ってくれて、ついに、本当に、この春、子犬が我が家にやってきました。白いけれど、柴犬です。名前は「くるみ」　逆さに読めば「みるく」　小さな命が、我が家にまた新しい明かりを灯してくれました。気がつくと私は笑っています。食事やもろもろの世話で、また子育てが始まったようですが、人間よりなんと楽なことか。毎日、くるみと遊んだり、お昼寝したり。もう少し大きくなってお庭へ行くまで、くるみのそばで母親犬になっていよう。雀はちっぽけな子犬をちっとも怖がらないし、くるみも雀がまだ何なのかわからない。ガラス一枚隔てて向かい合って、お互いに首を傾げているのは、平和そのものです。天国のポリー、ありがとう。息子がくるみに話しかけていました。「くるみー。お前は長生きしろよ。お前が死んだら哀しいからな」＊題詠マラソン2004 こころに残ったうた088:句いさな 2004年05月09日 (日) 00時04分句読点つけるところを間違えて取り戻せない　明日からヒトリ023:望玲はる名 2004年05月07日 (金) 22時51分光陰のコントラバスよ　調律は老父のしろい手が望ましい028:着荻原裕幸 2004年05月06日 (木) 12時28分新緑を着て新緑のなかを行くどこにもゐないひととして行く023:望佐藤理江 2004年05月05日 (水) 16時39分恋人が見えてどうする音もせぬ望遠鏡の視野の狭さに013:彩多喜エリ 2004年05月04日 (火) 00時17分気になってばかり　貴方はたくさんの果実となって園を彩る 019.沸岡村知昭 2004年05月03日 (月) 23時33分日本語の歌をやむなく聞いている菜の花色の湯を沸かしつつ035:二重冨樫由美子 2004年05月03日 (月) 09時10分わたくしの二重螺旋のかいだんで踊るひいひいおばあちやんたち

May 10, 2004

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ふわふわと五月

爽やかな五月になりました。マッキーも親友も五月生まれ。単純に五月は好きです。先月はほとんど歌が詠めませんでした。あるんですよね、急に自転車に乗れなくなってしまうようなこと。結社誌が届くとうきうきしますが、それでも歌が詠めない。恥を暴露しますが、私は歌以前の問題、なんと「題名」を何回も添削されています。これは本当に恥ずかしいです。多分結社の中でも私ぐらいでしょう。この「日記のタイトル」も、何気ないようですがじつは悩んで、それで書くのをやめてしまったこともある笑い話。みんな上手いなあと感心ばかりしている。これは私の決定的弱点なのだと思います。他の歌会の場でも「題の逆選王」ですから。言葉のセンスを思うと、致命的弱点だな。結社では先生の選を受けます。今回は「題名」だけでなく、その題名を取った歌、つまり自分ではメインの歌が選をはずされていました。これはうーーんと唸ってしまい、何故だろう何故かしら状態。今日師匠のＨＰを読んで、やっと分かりました。本当にまだまだですねえ。。。自分がいいと思う歌ほど、だめなもの。自分の歌については、しょっちゅうふらふら状態で、無責任なものです。何かつかんだような気がしても、次の日には色褪せてしまい、長い目でみようと思ったり、刹那の命を思ったり。たぶん、これからもふわふわしながら歌っていくんだろうな・・・最終的には自分の生き方の問題なんですけどね。題詠マラソンも読むばかり。これも無責任に「こころに残った歌」なんて勝手に載せてしまい、今になってなんだか申し訳ないような気持ちになって来ました。不快に思われたかたがいたらすみません。読みが浅くて、他のかたが取り上げているいい歌を眼にして、しまった！というのもしょっちゅうです。いつも作者名は見ないで、まず歌だけ拝見しているのですが、なぜか同じ作者が重なっているのは、私の感性とその作者の感性が引き合ってしまうのかもしれません。それでも毎日、川の流れのように生まれてくる歌を見詰めています。そしてふわふわと「私は何を詠いたいんだ？」なんてことを考えたりもしています。そうして先日は、鍋をまた焦がしました。＊題詠マラソン2004　　こころに残った歌051:痛五十嵐きよみ 2004年05月02日 (日) 11時43分そこらじゅう光まみれの八月に聴くシャンソンは痛々しくて 041:血近藤かすみ 2004年05月02日 (日) 10時26分われに血を授けし母の命日の夜にひとり観る雷蔵シネマ 020:遊高崎れい子 2004年05月01日 (土) 16時07分公園の深夜の遊具は鈍色に光りて拒む鈴の音さへも 009:圏外常盤義昌 2004年04月30日 (金) 02時39分納骨の後にはじめて携帯電話（けいたい）の圏外に寝る過労の父よ055:日記みうらしんじ 2004年04月29日 (木) 21時21分ああ今日もわたしは生きていましたと書いた日記にひきこもる日々100:ネット櫂未知子 2004年04月29日 (木) 14時25分繰り返すネット検索いづこにも父の白鳥一羽もあらず094:遠 sei 2004年04月28日 (水) 23時39分遠浅の海は嫌いだなまぬるい言葉が体にまとわりついて043:濃足立尚彦 2004年04月28日 (水) 09時33分はつ夏の大淀川のあをの濃き淡きにまぎれ我がわかさあり004:ぬくもり久野はすみ 2004年04月27日 (火) 21時14分フェルメールの窓にもたれてぬくもりはぬくもりとして受けたきものを

May 2, 2004

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近作紹介「明日ひらく花」

明日ひらく花乾電池ひとつなければ動かない目覚まし時計に朝を託して占ひも昨夜の夢もたちまちに消えて始まるけふのゴミ出し不燃ゴミが生き埋めとなるその先を思へど自分の明日も分からずふたたびは同じ姿で出会へぬが雲の言葉は変はらずにあるお茶の葉をゆるく咲かせて注ぐとき母の母より届くさみどりよく話しよく笑ひよく食べてゐたセーラー服を着てゐた頃もよく噛んでお食べと祖母の声聞こゆあちらは閏の二月であらう明日開く花のかをりが来たやうでぼつてりとしたカーテン洗ふ『眩』第五十八号　 2004.5 ＊題詠マラソン2004 こころに残った歌007:数学石川美南 2004年04月15日 (木) 15時43分ガラス戸に無限の桜ちりかかる四月しづかな数学書フェア012:裸足荻原裕幸 2004年04月16日 (金) 20時29分かの国の緊迫をかたりあひながら裸足で雲をふむやうな思惟076:降桜井凛香 2004年04月17日 (土) 22時54分寄る辺なき身に降り刺さる氷雨　独身オンナは有罪デスカ072:海老萱野芙蓉 2004年04月18日 (日) 23時42分この星に生(あ)れし最初の波おもふ海老の卵の青を透して017:免許吉野亜矢 2004年04月19日 (月) 00時21分公安とわれとの淡き関わりの運転免許証　冬生まれ005:名前兵庫ユカ 2004年04月19日 (月) 00時38分名前には柔らかい根が生えている　明日、わたしがいなくなっても 014:オルゴール荻原裕幸 2004年04月19日 (月) 04時34分不穏きはまる日々のなごりに名曲の一音欠けてオルゴール鳴る 013:彩加藤苑三 2004年04月20日 (火) 21時24分極彩色のかなしみゼリー　そういえばわたしは恋をしたことがない013:彩なかはられいこ 2004年04月20日 (火) 23時40分言わなくていいよとだれか水彩のうっすら青い声でささやく013:彩伊勢谷小枝子 2004年04月21日 (水) 22時43分彩りをなるべく地味にしておけばやさしく思い出せると思う

Apr 27, 2004

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花水木

正直、苦手なんです。どうも人見知りで、口べたで、出不精なこの性格。今日は息子の保護者会。最後まで迷っていました。役員やるなら今年かな。来年は受験だし。今まで出会ったいろんなお母さんのことを思い出しながら、新緑のキャンパスを歩きました。八重桜がまだ咲いていて、風が吹くと名残惜しそうに花を散らしてきます。緑豊かなこの学校へ、一年間通ってみるのもいいかな。たいしたことは出来ないけれど、沢山の木や花をみることが出来るし。。息子の机の中にはぐちゃぐちゃなんか入ってる。あーあ、相変わらずだなあ。担任の先生はスポーツマンでけっこう熱いかたでした。戴いたプリントを読んで、あれ？＜伸びる人に、共通することが２つあります。１つは、「今の状態から脱出したい」という気持ちがあること。・・・中略・・・そしてもう１つが「当たり前のことを当たり前にやること！」これが出来る人のことを“天才”と人は呼ぶのだそうです。＞これ、どこかで聞いたことがあるなあ「当たり前のことを当たり前に・・・」そうそう、今オリックスの伊原監督が、「全力」と一緒によく言っていたような。「当たり前のことを当たり前にやれば、優勝できますよ」と言って、西武ライオンズ優勝しちゃった。この先生も野球好きで広島ファンだという。お母さん達はあまり興味なさそうだったけれど、私はちょっと嬉しかった。ほんの少しでも目を外へ向けてみると、教わることは沢山ある。桜が終ると花水木。本来は外来種のこの花が、なぜか今の季節にとてもいい。枝と枝、葉と葉に隙間のある花水木を見上げると、その向こうに空があって、自然と顔が上を向く。身の丈分だけ頑張ってみよう。伸びそうもない息子には目をつぶって。。。青空と笑い合ってる花水木　私のなかで風も遊ぶよ／よもぎ＊題詠マラソン2004　こころに残った歌044:ダンス杉山理紀 2004年04月11日 (日) 13時35分その先へ指をのばしてもっともっとそれがダンスと言われて　もっと005:名前荻原裕幸 2004年04月12日 (月) 12時13分ぼくがあなたの名前になつて翻るこのうららかなまひるがすべて060:とかげ桜井凛香 2004年04月12日 (月) 23時56分銀色のとかげがくるくるまわってた君の時計はいま何時頃007:数学月読亭羽音 2004年04月13日 (火) 20時47分数学で君を偲べばどの式も近似値ばかりで…≪何を知ってた?!≫010:チーズ田中槐 2004年04月13日 (火) 12時37分やり直す術はもうない　紙皿に「切れてるチーズ」二枚乾いて011:犬なかはられいこ 2004年04月14日 (水) 01時44分とおくまで行ってしまった犬のため夜明けの空に真綿を詰める084:抱き枕やそおとめ 2004年04月14日 (水) 00時04分白鳥の長き首型抱き枕からまるやうに翼に眠れ053:墨杉山理紀 2004年04月15日 (木) 00時41分ゆめのつづきと嘘のつづきは同じ場所　うす墨いろに逃がしてあげる０９５油亀田佳子 2004年04月15日 (木) 12時10分丸髷の鬢付け油香り顕つあれこれ匂う母の姿は 001:空青山みのり 2004年04月15日 (木) 12時56分花びらのゆくえを追えば初めてのＹシャツを着た子の空がある 022:上野玲はる名 2004年04月15日 (木) 13時29分ためらわず、決めたんだろう？　咲いて好し　上野の鳩で終わるのも好し

Apr 17, 2004

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記憶

041:血大辻隆弘 2004年04月10日 (土) 00時47分流したる血の色さへも単色に映されて殺されむ彼らは　（題詠マラソン2004 より）本当ですね。暑さも寒さも凌げる部屋の中で、餓えることも命を脅かされることもなく、ただ映像にこころを痛めることしか出来ません。いったい何人の血が流れたことでしょう。幼い頃、祖父は寝る前によくお話しをしてくれました。一番好きだったのは孫悟空の冒険。一夜づつ連載です。少し大きくなってからは、戦争体験も話してくれました。万里の長城の下で眠ったこと。食べ物で苦労したこと。おそらく、子供が怖がらないようにと配慮しながら話してくれたと今は分かるのですが、それでも胸がドキドキしました。最も鮮明に覚えているのは、死体を埋葬したということ。「おじいちゃん、死んだ人こわくなかったの？」「いや、毎日死んだ人間がごろごろしていると、もう慣れっこになっちまって、なんにも感じなくなってしまうんだな」「そうしてどうしたの？」「毎日穴を掘ってな、毎日埋めるんだ。あるとき、夏だったかなあ、ひとりがこう足を持って、じいちゃんは手を持ったんだ。そうしたらな、手の皮がズルっと剥けて、手袋みたいに取れちまったことがあるんだ」「えー、ほんとう？気持ち悪いよ！」「それでもな、仕方がないんだ。黙って埋めてやるしかないんだよ」「夜になってな、突然、敵におそわれた時は、その穴に飛び込んで隠れたこともあんだぞ」「たった今、隣で話をしていた友達が、急に静かになったっけ、月の明かりでようくみたら、もう死んでいる。」「怖くなかったの？」「そうだなあ・・・怖いとか、哀しいとか、そういうのはなかったな。平和な時とはまったく違うんだよ。」そしていつでも話の終わりに、必ず同じ言葉を繰り返していたのを覚えています。「戦争とはな、そういうものなんだな。そういうものなんだ。さあ、寝っぺ」もし今祖父がいたなら、いったいどのような思いを語ってくれるかと、ニュースを見ながら思いました。大辻隆弘さんの同日四首、あわせて紹介させて戴きます。040:ねずみ　ねずみ色の映像のなかに震へつつ三邦人は拉致されたり042:映画　　震へつつ座せる者らを見くだしてゐるやうに撮る、映画ではなく043:濃　　　濃密な夜にふるへてゐるのだらう、拉致し拉致せられたる者らは044:ダンス　和ダンスのひきだしの奥にしまはれて出征の日のうつしゑの祖父＊題詠マラソン2004　　こころに残った歌018:ロビー水須ゆき子 2004年04月04日 (日) 00時02分「ロビーにてお待ち下さい」内線を切られるたびに鳴る寒い風 010:チーズ鳴井有葉 2004年04月04日 (日) 05時00分中心にチーズがチーズと交じり合うチーズの混沌(カオス)があるらしチーズ 074:キリン斉藤そよ 2004年04月05日 (月) 01時24分くちべたな恋するキリン話したいことはいくつもわきいでてきて074:キリン村田まゆ子 2004年04月06日 (火) 02時22分こぼれだすキリンのまだら集めてる小さい手だねおまえは今も005:名前コメット 2004年04月07日 (水) 00時22分傷ついた翼で北へ帰るのか小鳥の名前の着信履歴011:犬悠嘉 2004年04月07日 (水) 12時56分飼い犬に手を噛まれたと言う程に面倒見てもいないけれどね 013:彩内田誠 2004年04月08日 (木) 01時43分あざやかな水彩えのぐを混ぜてゆくなにも描けない色になるまで069：奴隷雛鳥 2004年04月08日 (木) 10時21分三人が頂点作る三角の家庭は誰かが誰かの奴隷057:表情中村悦子 2004年04月09日 (金) 23時21分運命の表情筋が痙攣す　とんぼよとんぼ素直にお飛び 084:抱き枕斉藤そよ 2004年04月10日 (土) 09時44分やすっぽい悲しみに暮れる抱き枕だいて眠ってあげる　おやすみ

Apr 13, 2004

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Forget-me-not

マッキーの歌うこの一曲のために買ってしまいました。尾崎豊のトリビュート「ＢＬＵＥ」ところがところが、イイデス、他も。尾崎豊はリアルタイムでは知らぬまま、国語の教師にぼんやりとなりたかった私は、盗んだバイクにのったり、１５歳で煙草を覚えたり、授業を退屈だったりと歌うのを眉をひそめていた真面目な大人でした。それが、なんでおばさんになってからこんなに惹かれるのか不思議です。「ＢＬＵＥ」ではそれぞれのアーチスチトが個性的。自分の持っているもの全部で尾崎豊を歌い上げている。マッキーはやはり一番でしょう～♪そしてラストに１５歳になる息子さんが「１５の夜」。これはちょっと驚きました。声が似ている。しかし彼が表現したものは。。。息子から父への挑戦かな。あるいはメッセージなのか。これから聞かれるかたのために詳しくは書きませんが、ふうむ・・と考え込みました。そして先日は本物の尾崎豊のアルバムも購入。一人の時間はほとんど聞き暮らしている今日この頃です。004:ぬくもり池　まさよ 2004年03月31日 (水) 22時58分あの頃は百円で買えたぬくもりＯＺＡＫＩよ！自由って孤独だね題詠マラソンで発見！　若々しい歌です。そう、自由って孤独だと、家を離れた娘も言ってました。尾崎豊の詩は繊細ですね。バイクは盗んでも、やさしさと素直な愛に溢れたものでした。初めて君と出会った日　僕はビルのむこうの空をいつまでも　さがしてた君がおしえてくれた　花の名前は街にうもれそうな　小さなわすれなぐさ　　by　Forget-me-not煌めきながら短い人生を駆け抜けてしまうひとは、どこかでそれを無意識にわかっていたような気がします。何ひとつ語れずに　うずくまる人々の命が今日またひとつ　街に奪われたby 闇の告白自分の最後を予告しているようだと感じたのは私だけかな。うすみどりの野原に欠けた土器を抱く日　夭折という言葉を知りぬ／永井陽子くさむらへ草の影射す日のひかりとほからず死はすべてとならむ／小野茂樹ふと、この駆け抜けていってしまった大好きな歌人の歌を思いました。＊題詠マラソン2004 こころに残った歌016:乱玲はる名 2004年03月29日 (月) 09時14分どの弟子が気づいただろう圓生の仏壇前の扇子の乱れ003:運久野はすみ 2004年03月30日 (火) 20時53分旋律を生まない言葉、誠実なピアノ運搬業者のきみの042:映画阿部定一郎 2004年03月31日 (水) 01時07分音だけを消してニュースを見ていれば無声映画のようで許せる090:木琴春畑　茜 2004年03月31日 (水) 16時18分惚けたるひとりの影のさびしくて打たるるままに木琴は鳴る038:連五十嵐きよみ 2004年04月01日 (木) 00時06分連写するシャッターの音（あおぞらを撃つ音）街は硝煙くさい021：胃（再投稿）大辻隆弘 2004年04月01日 (木) 00時41分じんたいのほの暗がりに吊るされて胃は春の日を運ばれてゆく092:家族春畑　茜 2004年04月01日 (木) 14時45分未完なることうつくしくおそろしく月下に仰ぐ聖家族教会（サグラダ・ファミリア）059：矛盾雛鳥 2004年04月02日 (金) 07時38分「むちゃ矛盾！」そこだけ漢字の音で言う君の怒りは何色ですか？ 029:太鼓足立尚彦 2004年04月02日 (金) 09時11分「つ」で太鼓打てばどこまで悲しいかひさびさに読む中原中也 061:高台 sei 2004年04月02日 (金) 18時01分青空と海とが見える高台でヘルマンやしきはしずかに朽ちる026:芝立花るつ 2004年04月02日 (金) 17時29分病室の窓辺で林檎の皮剥けば青すぎる芝も巻きついてくる

Apr 4, 2004

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春蘭

今日のｊｉｑさんの日記に、玉川上水をイメージした句を詠んで戴きました。写真付き！朝、偶然に「心を写真で表現」というＮＨＫの番組を観て、写真というものに対して初めての感覚を持ったところでしたので、新鮮な驚きがあります。ＨＰでいろんな写真を拝見しますが、今まではそこに映っているものばかり見ていました。Ｊｉｑさんが寄せてくれた句と写真を目にした時、ｊｉｑさんの視線がありました。そこに自分の視線が重なって、ああ、写真ってこういう風に見るのかとわくわくしました。蘭という名がつきながら、控えめで静かな花の春蘭が好きです。自分から見ないと分らない花は沢山あるものですね。＊題詠マラソン2004 こころに残った歌009:圏外加藤苑三 2004年03月23日 (火) 01時31分ランキング圏外の空眺めてる　どこまで透きとおるのか、君。023:望ふらっと 2004年03月23日 (火) 07時25分はりつめた闇より光こぼれだす望月はただ夜のあなぼこ013:彩村本希理子 2004年03月23日 (火) 18時42分もうすでに彩度の失せし記憶からひとつ取り出し着色してゐる029：太鼓雛鳥 2004年03月24日 (水) 10時15分太鼓判押された地図があったってうっすらとした不安は消せない039：モザイク雛鳥 2004年03月25日 (木) 08時24分モザイクがかかったような君たちの顔見つめつつ"Repeat after me." 007:数学蝉丸 2004年03月25日 (木) 23時57分打算とか計算ずくということも数学なのか不得手でもない 098:溺南野耕平 2004年03月26日 (金) 22時32分液晶の海で溺れた言葉たち浮かんでは消え浮かんでは消え 022:上野櫂未知子 2004年03月26日 (金) 23時31分上野駅前食堂ジュラク父の手の食塩胡椒固まつてゐたな 014:オルゴール武田ますみ 2004年03月28日 (日) 11時19分おかえりを言う人もいないこの部屋のどこか遠くで鳴るオルゴール

Mar 28, 2004

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玉川上水緑道

　少し足をのばせば素敵な場所が沢山あるのに、根が出不精な私はこの歳まで玉川上水の緑道を歩いたことがありませんでした。先日、若い（笑）ということでサークルの吟行会の下見にとうとう出掛けました。玉川上水というと、かの太宰様が入水をした場所ですが、子供達にそれを話すと「あんなところで・・？！」と笑います。そこで私はやおらお宝の『太宰治　写真集』をひっぱりだして、昔の玉川上水を見せると、「へえ～、こんなすごい川だったの」と納得。私は満足。まだ草も花もなく、木の芽が少しと散り残った梅という寂しい景色でしたが、土の上を歩くというのは柔らかくて気持ちのよいものですね。スニーカー越しに土の暖かさを感じてちっとも疲れません。雨の少ないせいか、埃っぽくて微かな水音がするだけでしたが、四季折々を想像すると、ああ、素敵な道だなと大好きになりました。ジョギングやウォーキングを楽しむ人の姿。様々な名の付いた橋。こんなところを犬を連れて散歩出来たら、さぞ楽しいことでしょう。新緑の頃、サークルの仲間と再び訪れる予定です。どんな景色になっているのかな。その前にもう一度来ようか。あれから雨がずいぶん降ったので、川の様子も違っているかもしれない。そうそう、問題は歌です。わたしはどちらかというと閃き型ではなく、パソコンの前でウンウン唸りながらひねり出すタイプなので、吟行会は苦手。植物図鑑やら辞書やら持って、とにかく一首生まれることを願うだけ。まだまだですね。＊題詠マラソン2004 今日こころに残った歌009:圏外みうらしんじ 2004年03月12日 (金) 00時46分嘘をつくことができないあなたから逃れるための圏外へゆく013:彩 Name ：ベティ 2004年03月13日 (土) 18時21分喪に服す年月は過ぎなお涙極彩色の花は埋けない 015:蜜柑 Name ：足立尚彦 2004年03月13日 (土) 17時42分蜜柑とふ漢字は秘密めいてゐて仮名で書かれていよいよひみつ 005:名前森川菜月 2004年03月14日 (日) 00時14分その花の名前は声にせずに言うわれも声なき花のふりして003:運なかみずゆかり 2004年03月17日 (水) 16時54分空と海のあわいのような頼りなさ運命線の薄い手を持つ003:運海野蒼 2004年03月18日 (木) 22時31分運命を畳の上に転がして背中を丸め眠りに落ちる021:胃五十嵐きよみ 2004年03月18日 (木) 22時20分けだるさが抜けきらなくて胃の中にハーブが育つサプリメントを020:遊立花るつ 2004年03月22日 (月) 18時01分病室の窓から見える遊園地無声映画のようにかなしい

Mar 23, 2004

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色

不思議な「赤」を目にしました。遠くからはっと惹き付けられて、こんな色の絵がモネにあったのかと、近寄ってみました。モネといえば睡蓮、そして池、庭の花々、青・・それらがすでにインプットされている私の目が曇っていたのかもしれません。東京都美術館のパリ／マルモッタン美術館展。はじめてモリゾを見ることが出来たのも嬉しい。で、先ほどのモネの赤ですが、久しぶりに会った父の弟の叔父さんが教えてくれた言葉で納得。「この頃は白内障だったんだ。白内障の人の目にはこんな風に見えるらしい。」モネ晩年の作品「薔薇の庭から見た家」の薔薇の色は、モネにどのような色で映っていたのでしょうか。そうかあ、モネにこんな絵があったのか・・とその赤に感動していたところ、「乱視も入っているかもしれないよ」「・・・おじさーん・・・笑」この薔薇の赤の本当の色は、モネの眼を通してしか見ることが出来ないものなのかもしれません。それでも惹き付けられる赤でした。父は今度描く孫の肖像画をモリゾ風にするぞと張り切りだしました。叔父さんは、三月から復活した鈴本に寄って帰るということで別れました。私は密かに「パソコン叔父さん」とネーミングしています。父も変わっているけれど、叔父さんも面白い。どこか世捨て人のようなオーラを放ちつつ、スキー、パソコン、写真、絵、切り絵、それから一時期土をひねりまくっていた時期もありましたね。数え切れないお人形が並んでいて、ひとつ私に似ているのを貰い、今でも大切にしています。「沢山つくればひとつぐらい似てるのがある」と言われて吹き出しました。まるで羅漢様だ。。　そうか、私の多趣味癖はどうやら父方の遺伝なのかもしれません。６５歳以上は入館半額ですが、叔父さんは証明出来るものを持って来ていませんでした。「この顔でだめけ？」みごと半額でチケットを買えましたが、これっていいのか悪いのか・・・楽しい一日でした。あ、おじさーん、書いちゃってごめんなさい。鈴本の落語はどうでしたか？またお会いできるのを楽しみにしています。＊題詠マラソン2004 今日こころに残った歌019:沸深森未青 2004年03月09日 (火) 18時38分今宵また地球（テラ）は沸きなむささやかなほどこしの音にくにざかいの死に001:空田中槐 2004年03月09日 (火) 14時50分日盛りを過ぎし午後ゆえ空色のクレパスで塗る新しき紙004:ぬくもりかいり 2004年03月09日 (火) 12時42分やさしくてくるしいゆめのぬくもりを泳がせたままあらうお茶碗008:姫杉山理紀 2004年03月10日 (水) 22時18分お姫さまごっこの終わりはあやふやで抑揚のない週末がくる004:ぬくもり諏訪　幽穂 2004年03月11日 (木) 08時15分ぬくもりのメーターゼロとなるがたぴしの引き戸引き開け君に会はねば044:ダンス廣西昌也 2004年03月11日 (木) 14時47分（今思へば秋晴天の不可思議に中島みゆき「時代」でダンス）よばひ星数あまたなるかなしみに今も時代とダンスしてゐる

Mar 12, 2004

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夢ひとつ

「はい、よもぎさんの馬はこちら、ポルシェですよ」ポルシェと目が合いました。先日の体験レッスンでやったことを思い出しながら手綱を持ち、「ポルシェ、よろしくね」と首を撫でてやると鼻先をこすりつけて来くる。甘えん坊でちょっと弱虫らしい。先週末、乗馬の５級ライセンスに無謀にも挑戦。乗馬は幼い頃からの夢でした。カウボーイやインディアン、幌馬車のでてくるテレビを夢中になって見ていたと両親からよく聞きます。この春、大学も決まり暇になった姪を引っ張り出しました。妹の長女は私と似ていて何でもやりたがり屋。卒業と入学のお祝いに一緒にやらないかと誘ったら、「やる！」「決まり！」でこぼこコンビで馬場へ通い出しました。最初は馬の大きさに圧倒され、乗れば高さに驚き、予想外の動きに動揺の連続でしたが楽しい。とにかく楽しいです。乗馬、下馬の方法、手綱の持ち方、馬上体操、そして常足、軽早足、方向転換と沢山のことを学びました。筆記試験もあるので、最後の夜は睡魔との戦いでしたが、それもまた楽しい。・・が・・・一番驚いたのは、いざテストとなったら馬の動きがまったく違ったこと。馬はちゃんと全部分かっていた。何のことはありません、プロの馬に誘導してもらって、素人のお楽しみをちゃんと満足させてもらったようです。「先生、ポルシェは頭いいですね。先生が＜常足＞と言うと、私が指示する前に自分で速度を落としてしまうんですよ。」「そうなんですよ。あいつコースも覚えちゃってて（苦笑）」姪の乗った春汝（はるな）は逆におっとりとしてマイペースな性格だそうだ。何はともあれ、馬に助けられて二人無事ライセンスを取得。姪のよき進学記念にもなりました。乳飲み子の頃から可愛がった姪も、そのうちにもうおばさんとは遊ばなくなるでしょう。いい思い出も出来ました。競馬は分かりませんが、馬の走る姿は大好きです。ずっと続けるにはちょっと贅沢すぎて無理でしょうが、機会があったらまた馬場へ行こう。今日もポルシェは頑張って初心者を乗せて働いているんだなと思うと、不思議な元気が沸いてくる。ポルシェ、ありがとう。　子供の頃からの夢ひとつもらったよ。　＊題詠マラソン2004 今日私のこころに残った歌017:免許謎彦 2004年03月04日 (木) 00時21分無免許をつらぬくことも何らかの免許であらう翡翠（かはせみ）いろの003:運水須ゆき子 2004年03月05日 (金) 00時03分運命は目に見えなくてあの夏の自転車に乗る（荷台は痛い）001:空朔田みあ 2004年03月05日 (金) 23時20分順番が空から空へ渡されて今は北斗を遊ばせてゐる001:空兵庫ユカ 2004年03月07日 (日) 23時17分きえそうなひだまりの犬いつからかあのこは春の空を着ている001:空森川菜月 2004年03月07日 (日) 22時13分あれこれと桜の曲の流れあう領土領海領空に風087:混沌謎彦 2004年03月07日 (日) 22時05分硬骨魚シーラカンスは消化器のうちに希薄な混沌をうむ017:免許水島修 2004年03月07日 (日) 19時58分本籍は免許証に残されて吾と彼の島ほそくつながる035:二重春畑　茜 2004年03月07日 (日) 09時06分噂とは所詮他人の幸不幸　羽二重餅をつつきつつ聞く014:オルゴール深森未青 2004年03月06日 (土) 16時08分壊（く）ゑやすきからの器よオルゴール罪なきことも罪ではないか018:ロビー原田　町 2004年03月06日 (土) 09時32分ロビーにてお待ちくださいわたくしの人生いつも待たされている041:血謎彦 2004年03月06日 (土) 04時31分「皿」が「血」となりゆくゆくは「衆」となりほろびるまでの白亜紀だつた

Mar 8, 2004

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ピシャリ！　パート２

昨日外へ出る決心をしたので、早速実行。大好きなＫ街へ向かってママチャリをこぐ。４０分かかってしまった。息子はここを２０分で行ってしまう。ちょっと悔しいけれど、自転車のせいにして、いつもの美容院へ。思い切って短くと言ったのだけれど、珍しく美容師のＴさんが躊躇している。Ｔさんは櫛やブラシと同じ位、手を使ってくれる。髪に触れ、髪のコンディションをよく見てくれる。ほどよい会話と、「飴、いります？」と小さいカゴを差し出してくるタイミングのよさ。プロだなあ・・・と今までで一番思えた美容師さん。「よもぎさん、このままがいいですよ。長いほうが。。」「そうかなあ。」「そうですよ。」Ｔさんにしては珍しいなと思ったら、帰り際にやめてしまうことを聞いた。うーん、ショック！詳しいことは話せなかったけれど、また復帰したら連絡をくれるとのこと。ＴさんにはＴさんの道があるのは分かっているけれど、これからどうしよう。また、別れ。。。どうもこのところお別ればかり続いている。しょぼんとなりそうだったけれど、でもわざわざ階段のところまで来てＴさんが話してくれたということは、またきっと会えるからだと信じることにした。それまで、なんとかなるでしょう。　結社の掲示板歌会も只今進行中。パソコンを開いてびっくりした。「甘い！」という師匠の書き込みが目に飛び込んできて、再びのピシャリ！あ～師匠怒っている。。。でも当然かもしれない。先月私は無謀にも結社の先生に噛みついてしまい、今月はなんだか恥ずかしくて、遠慮がちな書き込みをしてしまった。再び生意気病が始まって、本音を書きまくる。先輩がたにはさぞや生意気に見えることでしょう。すみません、すみませんとこころの中で詫びつつも、送信。一番噛みつきたいのは自分の歌だった。。。ピシャリ！自分で自分のお尻を叩く。明日も朝日を浴びようと思う。そういえば今日はひな祭りだった。＊題詠マラソン2004　　今日こころに残った歌007:数学飛永京 2004年03月03日 (水) 06時04分夕暮れの風に消されるコーラムは女が描くゆるい数学009：圏外水島修 2004年03月03日 (水) 12時21分いくばくの安堵もありて地下街に降り行く時のケータイ圏外015:蜜柑春畑　茜 2004年03月03日 (水) 17時07分ふるさとの蜜柑をいつも送り来るひと箱ぶんの父のさみしさ

Mar 3, 2004

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ピシャリ！

今日も寒い。朝のゴミ出しが終るともう外へなんかでるもんかと、変な意地をはっている。読みかけの本を手にとった。友人が貸してくれた『３時間睡眠法』人間は寝過ぎると早く死んでしまう、３時間で睡眠時間は十分とか。詠みながらだんだんあほらしくなってきて、一気に読み下す。それと一緒に貸してくれたなんやら精神的面を鍛えるような内容の雑誌。彼女がこういうのを読む気持ちはとてもよく分かる。彼女の抱えている大きな問題を、彼女なりに自分でなんとかしようとしているのでしょう。偉いなあと思うけれども、私は元気だよ。なにしろお向かいだから、私が最近あまり外へでないのが気になるらしい。大丈夫、私は元気だよ。ただ外へ出たくないだけで。それとも変に見えるのかな・・？となんだか不安になってきたところへ、懐かしい友人から電話が来た。「よもぎらしくないよ」ピシャリと言われてしまった。答がでました。外へでよう！寒くても。それから、また落ちてしまったバイトのことも忘れようっと。＊題詠マラソン2004 今日こころに残った歌004:ぬくもり足立尚彦 2004年03月02日 (火) 12時59分とげをぬくもりをぬくぬくときに「ぬ」の文字はひつそり体温保つ 004:ぬくもり杉山理紀 2004年03月02日 (火) 21時41分ぬくもりを聞き返すようにふれてみた雨明け方の深い呼吸を008:姫津和　歌子 2004年03月02日 (火) 23時26分東京のひとに「姫路」としゃべらせて永遠によそもののアクセント

Mar 2, 2004

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マラソン・スタート

今日は題詠マラソン2004がスタートする日。今年は300人以上の参加となった。さぞやすごいスタートダッシュだろうと、パソコンを開けるのにもためらう。のこのこ午後になってから覗いてみた。う！・・3月１日00：00ジャストの投稿がある。その後怒濤の流れに乗って、一気に２名完走。そうかあ、すでにスタート前から始まっているひともいたんだな。100の題が発表になったのは直前だから、すごいことだ。ひたすら感服してしまう。すごい、すごいと感心しているうちに、私は今年は何を詠いたいのだろうと、今頃になって考えだした。去年は100首完走と、題をきちんと詠むことにひたすら専念。完走のみ実現出来た。今年ももちろん完走、のみ！・・・はちと甘いかな。このスタートを拝見したら、自分の背が３センチほど縮んでしまったような気がする。わぁ・師匠だ。。。友人の名もある。こんなとき不思議とほっとする。再び背が２センチ戻った。あ・雪だ。。。いつのまにか雪が雨に混ざって落ちてきた。きのうは桜が咲いてしまった暖かさだというのに。春・夏・秋と三つの季節を題詠マラソンは走ってゆく。私も自分を捜すために空へ向かって詠もう。001:空　からスタート。いい題ではじまるなあと感動した。生まれたての沢山の歌に、これから毎日出会える。悩んだり、迷ったり、喜んだり、苦しんだりしながら、今の自分の背丈の歌を100首詠めたら、それでいい。一緒に走ってくれるひとがいるから。*本日こころに残った歌 (001:空）001:空水須ゆき子 2004年03月01日 (月) 00時03分この星の誰の上にもある空へわれは腕（かいな）を子は背を伸ばす001:空キャサリン 2004年03月01日 (月) 00時16分どこまでも遠くに思え昼寝する子の産毛にも空は来ている001:空南野耕平 2004年03月01日 (月) 21時24分この空は見覚えがある　この空は君と出会ったあの日の僕だ

Mar 1, 2004

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近作紹介　「小春空」

小春空空つぽの犬小屋だけの庭先にきのふよりやや明るい万年青見過ごしてゐた花だけど南天の実の赤きこと誰に言はうかたしかあのあたりであつた季節などおかまいなしに植ゑた球根「しばらくは泣いてお暮らし」音のなき午後鳩時計の小窓が開くあすの雨を知らせに来たか覚えある犬のにほひが微かな風にもう何もしてやれぬからささやかに歌に残さう　愛犬ポリー限りある日日と知りつつ眠くなる境界線の位置をずらして　　　　　　　　『眩』第五十七号　2004.3

Feb 27, 2004

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かをり

未練がましく、夜に梅の香を探してしまいます。もう何年もこの時期にしていたことだから、自然と眠る前に花のかおりがほしくなる。残された一本がかろうじて届けてくれるけれど、やはり寂しいものです。　そういえば、梅の香を手にいれるすべは他にないようです。お香、アロマオイル、ポプリ。。梅の香をみたことがありません。探せばあるのだろうか。盆栽・・・ああ、そうか！　梅の盆栽を枕元に置いておけばいい。時期はずれかもしれないけれど、我ながらいい考え。探してみます、梅の盆栽。でも、少し可笑しいですね。こういう寝姿は。かおりはとても好きですが、トイレの芳香剤は苦手。一時お香にはまっていましたが、今はアロマオイルが好きです。花粉症にいいと聞き、ユーカリをあたためると、爽やかでいい感じ。先日白い電気のポットを見付けて、これもまた便利です。かわいい小鳥の絵が描かれていて、電球が綺麗。火だと、消したときに蝋燭の匂いが強くでて、それがどうも気になっていました。息子とふたりで鼻水じゅるじゅるしていたのですが、ユーカリ、やはり効果があったみたい。快適です。コアラは絶対花粉症にはならないな。好きなかおりに包まれると、ほあーっと優しい気持ちになって来ます。で、ちょっぴり眠くなる。。。梅開く節に生れたるひととゐて我のみぞ知る香のながれくる／蓬

Feb 26, 2004

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雀の予知能力？

昨日の朝、リビングのカーテンを開けたときに、何かいつもと違う感じがしました。私が起きるのを待って、向こうの梅の木、手前の雑木などに止まっているうるさい雀が1羽も来ていません。我が家の狭い庭の南側は、ありがたいことに農家のお屋敷の裏の雑木林。まさに借景ならぬ借庭です。「雀もたまには寝坊するんだな」などと暢気にしていた朝は、大間違いでした。家事を済ませ、「めざましＴＶ」の「今日のワンコ」を見終わっても、まだ1羽も来ない。なんだか変です。今までこのようなことはありませんでした。もしかしてトリ・インフルエンザのために、皆捕らえられてしまったのでは・・などと不安な気持ちでアイロンをかけていると、バリバリ！メリメリ！と嫌な音がしました。「え！？」そこには我が目を疑う光景。小型ブルドーザーを使って、満開の紅梅がメリメリと切られています。「え？え？え？・・・？」一番美しく咲いているこの時期に、なぜ？虫や病気とは思えないし、この梅がじゃまな位置にあるわけでもないし。もしやして、枝を払っているだけなのかもしれません。それを願って、カーテンを閉めました。私の庭の梅ではありませんから、何を言う権利も資格もありません。胸が苦しくなりました。夕方までに、あの美しかった紅梅は消えてしまいました。隣にある一回り小さいもう一本はよく見えない位置ですが、どうやら無事のようです。夜になってから縁側へでてみました。夜の梅は本当によい香りがします。深呼吸をすると、落とされた梅の花と、生木の香りが混ざって漂っていました。なんだか涙がこぼれて来ました。雀たちはこのことを先に知っていたに違いありません。今朝、カーテンを開ける時、少し手が震えました。紅梅のいた場所は、さんさんと陽の当たる空間となっていました。隣の小さい梅の花が風に散って、まるでいたわるようにそこへ流れていきます。その花びらを目で追っていたら、根こそぎ消えてしまっていたと思い込んでいる私の目に、三分の一ほど残された紅梅の幹が飛び込んで来ました。一本の枝もない痛ましい姿ですが、その切り口はなんと薄い紅色。。。ほかにも切られている木がありましたが、明らかに切り口の色が違います！紅梅は身の中まで紅かった。。。花の時期だからなのかどうかはわかりませんが、ここへ来てからずっと友達だった梅の木は、切られた姿になっても私に新しいことを教えてくれました。「私は大丈夫。ここからまた新しい芽がでてくるから、楽しみに待っていてください。」そう言っているようでした。今日は旧の節分。たぶんこの日に木を切られることはないでしょう。美しい紅梅が、その花の盛りの日に切られてしまった理由はわかりませんが、嘆いたり、恨んだり、惜しんだりする気持ちはなぜか消えました。この紅梅の切り口の色と昨夜の香りは一生忘れないと思いますが。紅梅の散り敷く土のくれないやひとのおわりは荘厳ならず／山田あき

Feb 22, 2004

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一日はいづみ

　珍しく家族で喧嘩したのが予兆だったのか、事故にあってしまいました。一泊の家族温泉旅行。１４日の行きは晴天でしたがその晩雪が降り続き、帰りは雪道。タイヤはもちろんスタッドレスにしていましたが、まもなく雪もなくなるだろうという緩やかな下り坂で悪夢はおこりました。　11時集合で部活の試合があるという息子の予定に、主人もややあせっていたのかもしれません。車はスピン。目の前は真っ白。助手席の私は、何もかもが真っ白なスローモーションに見えました。事故の時ってそうなのかな。山から落ちたらもうおしまいですが、なぜか冷静で「車に傷がつきませんように！」なんて祈っていた、不思議な私の神経。娘は「まだ死にたくない！」息子は「ぶつかるまで目が覚めなかった」主人「クソ。。。！・・・・・やっちゃったな」ガードレールに助けられましたが、車がその後動いたのと、誰も怪我をしなかったのが奇跡。まるで身代わりのように車はみごとに前面ペッチャンコでした。旅行の前日、宮崎の歌人伊藤一彦さんのエッセイ『青の国から』をちょうど読み終わり、そこにあった一文「自分が今日限りのいのちだと思い歌を作ってみてください・・中略・・一杯の目の前の水が、いや一滴の水が全世界として輝き始めないか。」にえらく感動しました。そうかあ、そうよね。締め切りだとか歌が出来ないとかそんなことは情けない話で、いったい何故自分が詠いたいのか。それは誰のためでもなく、自分の生きることに直結したからだったんだ・・なんて偉そうに開眼した気持ちでいましたが、まさかその直後に。　とりあえず、今こうして日記に書くことが出来ている幸せをかみしめています。家に着いてすぐにベランダをみたら、白梅の最初の一輪が開いていました。死はそこに抗ひがたく立つゆゑに生きてゐる一日（ひとひ）一日はいづみ／上田三四二

Feb 17, 2004

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いくつかの道

もともと物忘れはひどいし、そそっかしい。今までで一番ひどいのは、自分の子供を（どちらの子とは言えない）置いて帰りそうになった時かな。「では、失礼します」「よもぎさん・・・！赤ちゃん、赤ちゃん！！」「あ・・・！！！」乳飲み子はすやすやと眠って、しばし母にいい汗をかかせてくれた後の出来事でした。これは一生の恥だな。白い足袋を履いて、キュっと帯を締めて、稽古場に立つときの緊張感が好きでした。姉弟子たちが苦労して師範の資格まで取りながら、結婚すると皆やめてしまうのが分かりませんでした。私は絶対にやめない！ずっと踊り続ける。そんなふうに思っていましたが、ふと気が付くと今、踊りを諦めている自分。言い訳とも、現実とも、なんとでも言えますが、乳飲み子の存在を忘れてしまうようなものでも、それが一生のものではなかったのですね。　今はなぜか短歌に足をつっこんでしまっています。わからないものです。いくつかの道。何歳になっても道は曲がりくねっていて、登ったり降りたり。もしかして後戻りしているのかもと思っても、案外スイッチバックしながら登っているのかもしれません。　娘が帰って来て久しぶりに家族揃いましたが、夕食の席でさっそく口喧嘩。それぞれの主張があって、それぞれ自分が正しいと思い込んでいます。ふうむ。。。すでに距離を置くべき時節が来ているのでしょう。それなのに潔くないのが、人間の「家族」という概念。雀だったらとっくにお互い凛としているのにね。人間の親はしょうがない。それぞれの道を行くしかないのに。平等にひとつの心臓持ちながら空を飛ぶ鳥、地を歩むわれ／蓬

Feb 13, 2004

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春のストップウォッチ

　梅が今朝とうとう咲きました。一年のうちでこの日が一等好きです。暖かいのでもしやと思ったら、枝先の３つがいっぺんに開きました。あまりに嬉しくて親友へ写メールしたところ「春のストップウォッチ始動開始だね！」という返事。ああ、もしかしてあの歌のこと？。。。　ちょうど去年は２月から題詠マラソンが始まり、その時の私の歌を覚えていてくれた返事だったんです。梅一輪ほころび始めいづこかにストップウォッチの動きだす音一年早いねえなどとメールのやりとりをしながら、ぽかぽかと心の中が春になって来ました。あまり書くと彼女が照れるからやめますが、私は彼女に助けられてばかりです。ありがとう、ありがとう！　梅が咲くとメジロがやって来ます。その日が楽しみだなあと思っていたら、雀とは違う鳴き声。急いで梅の木を見ると、まるで咲いたのをちゃんと知って挨拶をしに来たように二羽のメジロがいました。一瞬で消えてしまいましたが、もう胸がどきどき。綺麗な色、お抹茶のようです。　　なぜか今年のベランダは鳥ラッシュ。今までは雀とたまにヒヨドリ（だと思う）だけが来ていたのですが、年明けからはシジュウカラまでやって来ました。もしかして庭にポリーがいなくなったせいかも知れません。ポリーはシジュウカラになったのかな。それともメジロかな。　ヒヨドリは食いしん坊で、悪いけど綺麗じゃなくて（ごめん！）雀を攻撃するので、最初のうち追い払っていました。ところが、ツガイでやって来て、１羽が食べているときはもう１羽は決して食べずに見守っているのです。雄雌わかりませんが、片方はうちの息子の髪の毛みたいにてっぺんがツンツン立っています。なんだか健気になってしまい、色々考えた末、餌の置き場を鉢の根元へ増やしてみました。なんとか最近鳥たちのルールが出来てきたようで、雀もちゃんと食べています。一安心。　シジュウカラは今年初めてのお客様なので、特等席。向日葵の種を一粒づつくわえては、美しい曲線を描いてサッと飛んで行きます。どうして鳥はこんなに美しいのかなあ。眺めていると飽きません。飛んでいる姿はもちろんですが、枝から枝へうつる時、ぱっと飛び立つ時、ややリラックスして、首を傾げながら鳴いている時等等。　　もちろん私にけっして油断しないところも好きです。私が見ていることはちゃんと分かっていて、たまに目が合うとおかしくなります。それでいいんだよ、人間に慣れちゃいけないよ、と呟きながら、鳥に元気をもらっている今日この頃です。掃除がちと大変ですが。。。鳥の言葉はどんなだろう。鳥と向かい合いながら、色々思うのですが、どうしてもまだわかりません。言葉に出来ない鳥の言葉はこんな歌にしかなりませんでした。「？」「　」「？」「　」「？」私はなにも出来ないよ小首傾げて窺ふ雀よ／蓬

Feb 9, 2004

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題詠マラソン2004

昨年参加させていただいた「題詠マラソン2003」今年も明日から始まります。怠け者の私には、とても勉強になりました。案内をペッタンコしておきますので、もしよろしかったら御一緒に。あ・私はたぶんジョギング・・いや、ウォーキングとなりそうですが、完走のみをめざして。。[題詠マラソン2004のご案内] 昨年の「題詠マラソン2003」に引き続き、今年も「題詠マラソン2004」を開催することになりました。概要は以下の通りです。どうぞ、ふるってご参加くださいませ。【内容】参加者全員が、１つのお題につき１首、合計100首の歌を、題の番号順に、１年間（正味８ヵ月）かけて詠んでいくという催し。昨年は162名の参加があり、121名が100首完走を達成しました。【日程】２月１日（日）～２月29日（日）正午：参加受付、お題決定３月１日（月）～10月31日（日）：参加者による100首題詠11月１日（月）～11月30日（火）：感想・反省会【場所】題詠マラソン2004本会場　給水所　参加受付と題詠は、本会場にて行いますが、１月中にご質問等がある場合は、給水所までお願いします。（給水所での参加申し込みは、受付けていませんので、２月１日までお待ちくださいね）【参加資格】特にありませんが、強いていえば、100首完走をめざす意気込みのある方。昨日短歌を始めたばかりという方でも、自由にご参加いただけます。昨年、惜しくも完走できなかった方のリベンジ（？）参加も大歓迎です。なお、参加申し込みの先着20名様には、お題の決定権（決定義務）が与えられますので、お題を決めたい方はお早めに、そうでない方は21番目以降に参加申し込みをお願いします。【題詠マラソン2004スタッフ】五十嵐きよみ　水須ゆき子　兵庫ユカ　荻原裕幸

Jan 31, 2004

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三つの宝物

　こういう気持ちを何と書いたらよいのでしょうか。ただただ涙が出るばかりで、まったく言葉が役に立ちません。　　昨年の秋に愛犬をなくしてから、次第次第に気持ちが沈んでしまい、本当のところずっとどん底でした。１２年間、子供たちと一緒に成長したポリー。幼い子供達と子犬の姿が重なります。そして昨年の春に娘は家をでました。家族でキャンプやスキーへ行った車も手放し、やっと娘がいない事にも慣れた頃突然いなくなってしまったポリー。朝、縁側を開けては涙。公園を見ては涙。一緒に買い物へ行っていたスーパーで、私を待っていた場所を見ても涙。お風呂へ入ると、出窓の下へ必ずやってきた足音を思い出しては涙、涙、涙。。。それだけでなく、なんでもないときにも突然牽制球のようにやってくる涙なんです。ポリーと散歩をしながら、四季も移り変って行きました。　あまりにも大きかった存在に、情けないほどだめになっていて、一歩も外へ出ることが出来ない日もあり、人に会うのも嫌でしたし、この日記を書くのもなかなかでした。　そして何をしていたかというと、ゲーム。笑われてしまうかもしれませんが、テレビゲームをしている間は余計なことを考えないで済むので楽でした。それまで私はテレビゲームは大嫌いだったのです。けれど自分がこういう経験をしてみると、バーチャルな世界へ逃げ込んでいる子供達の気持ちがわかるような気がします。　　おそらく家族や親しい友人がこれを読んだら驚くと思います。精一杯繕っていましたから。昔から弱いところを見せるのは苦手なで、やせ我慢をしてしまうのですね。「よもぎさんは悩みなんてないのでしょう」つい最近も言われたので「はい、悩みのないのが悩みです」と笑っている自分は、いったい何者だ。。。今日、白い封筒が届きました。誰かなと思ったら、地元の短歌の友人でした。友人といっても、母と同年代の大先輩です。先日ＮＨＫの全国短歌大会があり、２年連続で特選に輝いたかたです。実は私もちょこっとだけ賞をもらうことが出来たのですが、足元にも及びません。そのかたが、「よもぎさんだけにだから、内緒よ。受賞のお祝いに」と、私の歌を・・・ああもうだめ、・・涙です。。。パソコンで、自分で撮った画像と編集して美しい絵葉書にしてくださいました。父のことを詠んだものなので、どんなに父が喜ぶかと思ったら、私はなんて幸せなんだろう、短歌はどうしてこんなに私を助けてくれるのだろうと、先ほどから涙が止まりません。けっして自慢をしている訳ではないんです。ただ、ただ、嬉しくて胸がっぱいなんです。私なんかの歌を。。。。昨年、一枚の心のこもった色紙を、初めてあるかたから戴いたことがあります。私の歌ではないようでした。感激でした！その次に筆書きの短冊を別のかたから。そして今回は絵葉書と、私には短歌のおかげで三つもの宝物を得ることが出来ました。それぞれの歌はだめですが、宝物です。どんなにお金を積んでも手にはいらない、世界にふたつとない宝物。これは、妻でも母でも女でもない、春村　蓬という「わたし」の宝物です。トンネルの向こうに、暖かい光が仄かに見えて来たような気がします。ポリー、いつまでもごめんね。。。私は幸せなんだね。私にとって短歌とは、空の上からの励ましなのかもしれません。帰国（ダモイ）とう遠き言葉を持つ父の消ゆることなき氷の大地／蓬　　＊父は戦争で３年間ソ連軍の捕虜となりました。ダモイ（ロシア語で帰国）は希望の言葉だったそうです。

Jan 27, 2004

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尾崎豊と石川啄木

「ねえ、母。啄木の歌でなんかお城が出てくるの知ってる？」「んーと、あるある、むにゃむにゃ・・お城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心？（初句思い出せず）」「うん、それから授業をふける歌は？」「ひゃ。ちょっと待って・・」息子から思いがけず啄木の話などされて、久しぶりに歌集をひっぱりだして来ました。教室の窓より遁げてただ一人かの城址に寝に行きしかな不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心「尾崎豊は啄木の歌に影響うけたんだって」「へえ～～～？！」「１５の夜」のことでしょうか、息子の学校の国語の先生はかなりユニークで、よく面白いことを話してくれるようです。影響うんぬんは置いておくとして、啄木と尾崎豊。時代を超えた１５歳の少年の感性の不思議なものを改めて思いました。まもなくでるアルバムで、１４歳になった尾崎豊の息子さんが「１５の夜」を歌うそうですが、ゆっくりと聞いて、詩を読んでみたいな。たまにこんな話をしてくれる息子は、本日１６歳になりました。おめでと。しょうもない母親から生まれちゃったけれど、頑張ってね。大の字に天井を睨む少年の気配大人びて秋深まりぬ／よもぎ

Jan 20, 2004

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しりとりの「へ」

しりとり連句「花調べの巻」、名残の表第十句が最後の出番となりました。はじめは難しいかと思っていたのですが、しりとりという縛りがあることによって、逆に言葉の的を絞ることができて、題詠を詠む時のように楽しめました。＜表六句＞発句　　　　ゆきずりに口ずさむ歌花調べ／彩子　秋脇句　　　　ベッド抜け出し潤むペガサス／自休　秋第三　　　　スケジュール溢れ木の葉の散り敷きて／織姫　秋　　　　　　　　てるてる坊主は八面六臂／翔子　雑月の定座　　ピリオドを迷うことなく寒の月／蓬　冬表折端　　幾何学模様描く琴の音／萌野　雑　　　　　　　＜初折　裏十二句＞折立　　　　ネロのごと振る舞う君に猫の顔／friendly　雑　　　　　　オーデコロンはカモフラージュ／ととろ　雑　　　　　ジュ・トゥ・ヴとささやきみつめる万華鏡／青鷲　　雑　　　　　　狂気にも似た恋紅蓮花（ぐれんばな）／彩子　　夏・恋　　　　　　内蔵の防御装置が僕の敵／織姫雑・恋　　　　　　きらきら星の連弾演奏／蓬　雑・恋　　　月の定座　　うす衣抜け殻と化し月残る／ととろ　　　　　　　盧遮那仏おはす春日奥山／翔子　　　　　　マーラーの大地の歌を愛（かな）しべて／萌野　雑　　　　　　手を見て告ぐるその思いを／青鷲　雑　　　　　　　　　　花の定座　　おくびにも妻だと言わず花の宵／friendly　　折端　　　色を抑えど香たつ霞／櫻香春＜名残の表十二句＞折立　　　　水色の殺意で包む別れ霜／翔子　春　　　　　　モンテカルロに客死の佳人／彩子　　雑　　　　　　　　　　　　　　　　「んだんだ」と頷き返し洟啜る／蓬　　雑　　　　　　縷々降り積もる白銀の精／青鷲　　　　　　　韋駄天のお正も両性具有／自休　　　　　　　　　運と嘘こそ愛のテクニクス／戸々露　　　　　　　忍冬千切る香満ちて恋一夜／彩子　　　　　　　余裕とみせて嫉妬の蛍／friendly 　　　　　　留守電をおもむろに聞き銭湯へ／萌　　けっこう華やかな旅です。一番苦労したのは前回の「ん」でしたが、今回は「へ」・・・「へ」？萌野さんは銭湯へ行ってしまわれましたか。＞とくに、「規制措置」なしですが、次が「名残の月」ですので、秋風がふいてもいいですよ。というｊｉｑさんの捌きを頭に置いてあれやこれや。留守電をおもむろに聞き銭湯へ／萌平成の世を渡る秋風・・・少々堅苦しい？ヘリオトロープを運ぶ秋風・・・季重なりかな？へどもどとして風下に立つ・・・方代風？返歌も待たず秋風の立つ・・・これかな。平身低頭早や秋の風・・・おまけ。それではｊｉｑさん宅へ。。。

Jan 13, 2004

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Ｔｈｅ　ｆｉｒｓｔ　ｓｎｏｗ　ｏｆ　ｔｈｅ　ｓｅａｓｏｎ．

初雪朝影に輝き立てる霜柱かくばかり隠れをりしかな　水踏みしだく足裏（あうら）にたよりなき霜を選びてゆけり妻ならなくに初雪のひとひらだにも届けたきひとを心におもひゐる朝この春に生れし雀の頭には触れずもあらなむ　初雪こんこ夜すがらを眺めて飽かぬ三日月のほのかに淡きわがこひごころわれよりも君を濡らしし肩先の牡丹雪あれは朱鷺のまさざし『眩』第５１号　2003.3今年はどんな年になるのかな穏やかに静かに流れてゆくといいささやかな喜びと少しの涙移る季節と日常そこに吹くかすかな風の音をなんでもない時が重ねる永遠を感じられるようにしていたいそんなことを思った　しずかな元日でした明けましておめでとうございます嬉しい雪がひとりでも多くのひとに降りますように・・・・・・・・・・・・・・大事なことはいつも平凡な場所にうずくまって僕らに気づかれるのをずっと待ってるｂｙ「うん」槇原敬之

Jan 1, 2004

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