|
カテゴリ:カテゴリ未分類
先日、なぜか急にカレーうどんが食べたくなり、 家族を巻き込んでの昼食に行って来た。 夏ァ、やっぱりカレーだぁねぇ~ などと満悦に浸っていると、 4人のオバサマ軍団が入ってきた。 それまで緩やかな音楽と川のせせらぎ、 カコ────ンと風流な獅子おどしの音に和んでいた店内が、 途端にバーゲン会場のようになってしまった…。 オバサマ達はワイワイと席に着く。 暑いわネェ~! ちょっと冷房がゆるいんじゃない? などと好き勝手に言い合い、 一人がおもむろにカーデガンを脱ぎ出した。 はち切れそうなタンクトップから はち切れそうな腕がグリッと剥き出しになる。 ビックリして思わず鼻水が出そうになったが、 もっと驚いているのは首筋に貼られたピップエレキバンだろう。 いきなり何の断りも無く人目にさらされたのだ。 今頃は大慌てに違いない…。 オネェチャンが注文を取りに来た。 「 本日のサービスメニューは天ぷらうどんです♪ 」 爽やかな笑顔とは対照的に、軍団は 「 天ぷらうどんだって! 」 「 天ぷら! 」 「 天ぷら…! 」 と、まるで天ぷらとうどんが スキャンダルでも起こしたかの騒ぎである。 「 じゃあ、私、それちょうだい。 」 「 私もそれでイイわ。 」 「 私も天ぷらうどんで。 」 次々と声が弾む中、最後の一人が 「 じゃあ私もそれで。 天ぷら抜いてね。 」 などと言い出したので、 私の喉を通ろうとしていたネギが 驚いて鼻に飛び込んでしまった。 しかも今日のネギはインド人だ。かなり痛い。 さて。 オネェチャンは困惑していた。 天ぷらうどん - 天ぷら = かけうどん だ。 あのねのね風に歌えば エビを~ 抜いたら~ かけう~ど~んっ♪ だ。 いくらサービス品で普段より安いとは言え、 普通に頼めば550円で食える かけうどん だ。 それをわざわざ680円で食おうと言うのだ、このオバサマは。 「 それですと、かけうどんになりますけど… そちらでよろしいですか? 」 恐る恐るオネェチャンが尋ねる。 エライ。オネェチャンの勇気に拍手だ。 「 あら、かけうどんじゃイヤよ。 天ぷらうどんの、天ぷらを取ったヤツよ! 」 オバサマの主張に、オネェチャンは仕方なく引き下がった。 「 あらアンタ、天ぷら、いらないの? 」 「 油っこいモノは控えるようにって、 この前 お医者さんに言われちゃったのよ。 」 「 あら~大変ね~。高血圧?糖尿? 」 「 大豆がいいらしいわよ! 」 「 そうそう、それとナントカってお茶も… 」 あるあるか、スパスパか、みのさんか。 何から得た知識なのかは知らぬが、 誰一人として 天ぷらうどん - 天ぷら = かけうどん という知識を持つものは居ないらしい。 まったく… 歳をとると、ナゼ、こうなってしまうのだろうか? 顔のシワが1本増えるたびに 脳ミソのシワが1本減るに違いない。 こんなバカな間違いはガッツ石松でもしないだろうに…。 そんなコトを考えながら カレーうどんを黙々とすすっていると、 軍団の天ぷらうどんが運ばれてきた。 “ 天ぷら抜き ”も一緒に並んでいる。 「 お~いし~い♪ 」 「 夏でもやっぱり、 うどんは温かいのがイイわね~♪ 」 などと言いつつ、 オバサマは相変わらず腕をグリグリさせている。 エレキバンも、もうハラをくくった頃だろう。 “ 天ぷら抜き ”のオバサマは 差額の130円で、いったいナニを買ったのか? ただ単に、サービス品を食べた、という行為に 満足したいだけなのかもしれない…。 夏の日差しと、 インド人のネギに侵された鼻が痛かった…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|