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日経新聞朝刊の『私の履歴書』コーナーでは、今や世界的建築家になってしまった磯崎新氏を連載しています。 学生のころ政治社会学という風変わりなジャンルを学んでいたのですが、その中で扱う記号論という手法を建築に取り入れていたのが、当時の磯崎新氏でした。 大学の近く池袋西武百貨店のリブロ西武(そのときは、文化の最先端の場だと思っていた)で開催されていた磯崎氏のセミナーにもときどき行ったり、現場もいくつか見に行きました。もう30年も前ですね。 磯崎氏は、今でこそ珍しくもなくなったのですが、設計する建物のドローイングに新築時の様子とその建物が廃墟になった様子をセットで描いていました。そのことが、今朝の『私の履歴書』でも紹介されているので、ご披露を。 「都市とは変動のプロセスそのものである。その生成には始まりも終わりもない。時間は途切れることなくつながっていて、時々に現われ出る姿は未来都市でもあり、廃墟でもあるのだ。」 「多くの建築家が輝かしい未来の都市像を描いていることに違和感をぬぐえなかった。都市は偶発的で未知な出来事にあふれていて、形が定まることはない。一人の建築家がコントロールすることなど、もやは不可能ではないか。」 今、私は建築に係わる仕事をしていますが、このように建築を理解している人はまだまだ少数派ですね。特にデザイナーと言われる「先生」は、「住宅は自分の作品」と言い切ってしまうほどです。 建築物は新しくもあり、廃墟でもある。表面だけ見ているとこの事実は理解できませんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年05月14日 09時24分57秒
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