こころに映るよしなしごと

　雨が降ったりして塀やベランダのペンキ塗りができないので、郵便ポストを作った。庭のテーブルの上で作った。作ったといってもパーツをネジでしめただけ。時折、雨の匂いのする風が吹いてきた。誰もいない庭にセキレイが一羽おりてきて、いぶかしげに車庫の方へ早足で去っていった。

　遠いところから届くというのが好きで、郵便ポストを開けてみるのが楽しみだった。そしてその郵便物を届ける赤いスーパーカブに乗った郵便配達員にあこがれた。小学校高学年の時の夢は郵便配達のお兄さんだった。だけど夢かなわず今に至っている。大人になった今でも郵便配達の人にはこころから感謝と尊敬の念を抱いている。遠い国くる手紙を今日もどこかに確実に届けていることだろう。そんなポストマンの心を和ませることができたら喜ばしい。