こころに映るよしなしごと

十三湖の近くに牧場があって、秋の晴れた昼下がりに、黒牛が時間が止まったように草をはんでいる。北欧のようななだらかな丘陵が続いているけれど、彼らはそれに何の関心もない。遠くで刈り取りの終わった田んぼを焼く煙がゆっくりとたちのぼってくる。産直のトマトを買う。14個も入っていて百円だった。表面を水道水で洗ってかぶりつくと、力強い味が体を包む。しばらくは穏やかな日和がつづきそうだ。