|
カテゴリ:温泉めぐり
海の近くの温泉に行く。
既にピークは過ぎて、利用客もあまりなく、施設も老朽化が目立っている。 露天風呂の岩の上に立つと、さほど遠くもないところに砂浜が見える。 海水浴場のはずれらしく、人影もない。なんだか、無人島の湧き出る温泉(または、いずみ)のほとりで、海を眺めているような錯覚に襲われる。 日本海沿岸の温泉の特徴である茶褐色の湯が、丸みを帯びた壷の中から、滾々と湧き出る。 露天風呂の傍らにも紫陽花が咲いている。虻蜂が時折午睡を誘うような羽音を立ててやってくる。 若くて荒々しい午後の波と、足るを知ってしまった老いて静かな源泉の湧出が、一日の終わりと夏の始まりに、一瞬、混じりあう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.07.22 23:01:45
コメント(0) | コメントを書く
[温泉めぐり] カテゴリの最新記事
|