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のんびりしすぎていたら、モリエール症候群(人間嫌い)が発症して、より人気のない、より寂れたところへ移動する。どこだかよくわからない川のほとりにある、大昔からの温泉宿に行く。しかし時勢なのか、帳場で入湯代を受け取っているのは、若き女性だった。鄙びていて伏せ目勝ちで口数少ないモリエールだったのに、笑顔で迎えられるのは困る。
黒光りのする木の床に足を沈めて、硝子戸の向こうに煌く川面を眺める。 湯上りに聞くと、大昔から続いたこの温泉宿も10月で仕舞うらしい。黒光りする風呂底と、若おかみの笑顔とモリエールが交錯した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.08.18 00:51:44
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