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静かな雨の降る中を
まるで人生のような坂道を足早にゆっくりとふらつきながら登り 濡れて色が濃くなった緑の木々に分け入って 人気の無い 不法投棄や産廃投棄が無残に自然と調和する 古くて改装された茶褐色の温泉宿にたどり着く 寡黙な男湯の高い天井の壁のあいた向こうから 言語だか蜂音だかエンジン音だかわからない婦女子のうなりがなだれ込む 湯船の甕にはラジウム鉱石が詰まれ あふれたラジウムは湯船に沈む その上に寛大なのかイグノアなのか 老人と若者が愛おしそうに座り込む 肩まで湯に浸かりつつ シューベルツの「風」を口ずさむ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.09.20 22:21:10
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