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その杉(高杉しんさくと呼ぶことにしよう)は、ちっぽけな人間を見下ろして、見るとも無く見ないとも無く、飄々と、頂上の枝葉に風を受けて戦いでいる。
こんな森閑とした山の中で、数百年前から生きてきた生き物と対峙すると、稚拙な衣は解かれ、まるはだかになったような錯覚を覚える。 だけど、高杉しんさくはひとりぼっちではなく、周りにいる太古の昔からのたかすぎくんたちと、長い時を語らってきたのだろう。 熊よけの歌でかすれてしまった声を出すことも無く、来た道を戻る。再び高杉しんさくに逢うことはあるのだろうか。 帰り道は、下り道というだけではなく、何かがここから早く去るように、背中を後押ししているように、足早に短くたどり着く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.09.25 17:05:54
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