|
カテゴリ:カテゴリ未分類
隠れ家にいると、世間の風評は耳に入らなくなる。 どこそこにある、だれそれが言った、なにがしが、これこれで美味しい、といったことは、隠れ家の1年じゅう取り外さない、今は火が入っていない掘りごたつに座ってお茶を飲んでいる身にとっては、何の意味もない。 このまちにぽつんとある、雑貨屋の「ます屋」は何故かパンを売っている。それも自家製のパンを売っている。早朝も夜の6時過ぎも店が閉まっているようなところだが、朝の10時頃に行くと、沢山の幼児とおばさんがいて、たまごパンを含む数種類のパンをショーケースに入れて売っている。 行列も宣伝もpopも何も無いけれど、紙袋に入れてもらったたまごパンとブラックの熱いコーヒーが入った水筒を携えて、ひなたのひかげに座り込んで、その匂いを嗅ぎ、咀嚼する時、天上界でお釈迦様と一緒にお昼をむかえているような気さえしてくる。天上界の蓮の池を覗くと、はるかかなたに、グルメ本を抱えた亡者に追われているカンダタが見えるのでございます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.04 10:17:01
コメント(0) | コメントを書く |