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まるで先の見えない人生のような、登っては休み、少し平坦になったかと思えばまた急峻な坂となり、少し下ってまた登ってを繰り返す。ふと傍らの木々の向こうを垣間見ると、麓の山がかなり下に見える。少し気を取り直して、「ヒーヒーフー」といつか覚えた呼吸法を思い出し、上を目指す。 ようやっと、石像に辿り着く。何故か「2番」の聖観音様だが、後で確認したところ、1番は登山口の道路向かいにあったようだ。自然と帽子を脱ぎ頭を垂れ目を閉じる。 その後、3番以降の石像に辿り着くたびに(それまでの道のりが険しいほど)何だか信仰心のようなものが芽生えそうな気がした。人生の負荷と救済を具象化したものに求める信仰に触れたような気がした。 しかし、「初心者にとってはやはり大失敗だったか」との疑念は払拭できないまま、人っ子一人いない山道を歩いて行くのである。〈つづく〉
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Last updated
2012.06.09 07:42:19
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