テーマ:子どもと教育問題(292)
カテゴリ:「歴史」を学ぶ
8月4日、asahi.comの記事。
↓<「つくる会」主導の歴史教科書、横浜市の8区で採択> http://www.asahi.com/national/update/0804/TKY200908040180_01.html 以下、一部引用 ---------------- 横浜市教育委員会(今田忠彦委員長、6人)は4日、来春から市内全18区のうち8区の市立中学校で使う歴史教科書について、「新しい歴史教科書をつくる会」の主導で編集された自由社版を採択することを決めた。同市の公立中で同会主導の教科書が採択されるのは初めて。全145の市立中のうち計71校(在校生徒数約3万9千人)が対象になる。 同会主導の歴史教科書をめぐっては、路線対立などによる分裂により、当初からの扶桑社版と、今春検定に合格した自由社版という、ほぼ同じ内容の二つが並立する状態になっている。現在、同会主導の教科書を採択しているのは、東京都杉並区、東京都(都立校のみ)などの5教委で、いずれも扶桑社版。今回の横浜市8区はこれまでで最大の採択規模になる。 この日の教育委員会では、6人の委員が自由社版を含む7社の教科書について審議。「中身が濃くて、読み物として楽しい」「普通の公立中学生のレベルでは難しい」など意見が割れた。市教委の事務局案を踏まえて各委員が18区それぞれについて無記名で投票した結果、港南、旭、金沢、港北、緑、青葉、都筑、瀬谷の計8区で採択された。自由社版の採択は全国初。 (後略) ----------------- 検定と修正の内容や「つくる会」の分裂、扶桑社版との違い、会の分裂や出版社との関係については、MSN.産経ニュース(4月9日11:05)に記事がある。 ↓<自由社の歴史教科書が検定合格 「つくる会」メンバーら執筆> http://sankei.jp.msn.com/life/education/090409/edc0904091108000-n1.htm 以下、一部引用。 ----------------- 文部科学省は9日、来春から使用される教科書の検定結果を公表し、中学歴史(自由社)と高校生物II(東京書籍)の2冊が合格した。自由社の教科書は「新しい歴史教科書をつくる会」のメンバーらが執筆し、扶桑社が発行する中学歴史教科書と記述の約8割が共通している。扶桑社版、自由社版ともに教育委員会などで8月までに行われる採択の対象となる。 教科書検定は4年に1度の周期で行われ、今年は22年度から使用する教科書を選ぶ採択年に当たる。中学教科書は新学習指導要領に準拠し24年度から使用される教科書の検定を控え、現行の教科書会社は改訂を見送った。このため中学の検定申請は自由社だけだった。 自由社の教科書は昨年12月、誤字を中心に516カ所と多くの修正点が指摘され、いったん不合格となった。同社は修正して再申請し、136カ所の検定意見が付いたが再修正して合格した。 扶桑社版と異なる点は、図版の大半を差し替えたほか、「昭和天皇のお言葉」に1ページを割り当て、見開きで昭和天皇について記述。戦艦大和の戦いについても1ページを割いた。つくる会の藤岡信勝会長は「公共の精神の尊重など、改正された教育基本法の理念を取り入れた」としている。 つくる会のメンバーらが執筆陣の教科書は扶桑社版が12年度と16年度検定に合格。その後、運営方針の対立などから一部メンバーが分かれ、「日本教育再生機構」を設立した。 扶桑社側は子会社・育鵬社から新指導要領に合わせ教科書を出す。育鵬社版の執筆は再生機構が事務局の「教科書改善の会」のメンバーが参加する。 (後略) ---------------- さらに、ウィキペディアの「新しい歴史教科書をつくる会」「自由社」の項目を見てみると、「つくる会」の分裂、教科書の著作権をめぐる問題、裁判、2008年検定不合格の大きな要因(誤字・脱字等)としての自由社の編集体制の脆弱さなどが書いてあるので、「内容」以前に、採択しちゃって大丈夫かなと思いますね。「自由社」の編集体制はなんとか補強できたみたいなんですけど、「つくる会」と「日本教育再生機構」との著作権問題は解決したのかどうか?扶桑社側は平成22年、23年度もこれまでの「扶桑社版」の教科書の発行は続けるそうだし、それはそれで採択する自治体も出ていますからね。 教科書検定ってそれなりに必要かもって思ってしまいました。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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